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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE176 姉との再会・・・出来れば会いたくない!

ユッチ「見て下さいよオズマさ~ん。このデカい胸!やっぱり……女は胸っすよねぇぇぇ!!」

俺「デカい声で胸とか叫ぶなよ、他の女の客からの視線に気が付かねぇか?」

ユッチ「あっはっはっ!他の客の女なんておばはんばっかりじゃないっすか!どーせ暇な専業主婦とかそんなところっすよね~」

俺とユッチは、エギルの店でのSAOの打ち上げ以来、久しぶりに現実(リアル)でユッチと会っていた。最も、ユッチはSAOクリア以来、一切フルダイブをしていないので今となってはVRゲームで会う事も無いのだがな。

ちなみに、今は丁度今は帰還者学校が夏休みに入ったばかりらしく、ユッチは自身が言う暇な専業主婦以上に暇を持て余しているようで、俺もこの日は日雇いの仕事をする気になれず、平日の真昼間から同じ暇人同士で牛丼屋でクーポンで安く食べられる牛丼や豚丼を食いながら談笑していた。

俺「んで、何だって急に呼び出したんだよ?」

ユッチ「よくぞ聞いてくれましたオズマさん!」

俺をここに呼びだしたユッチがただ単に牛丼屋ら豚丼やらを食う為にだけに会いに来たとは思わず、何かしら――恐らく金絡みの話をしに来たんだろうなと薄々予想はしていた。そして、案の定ユッチは両手をパンと叩きニヤけまくった笑みを浮かべるのだった。

ユッチ「オズマさん、ここは一発ドカンと儲けてみるつもりはないっすか?」

俺「一発ドカンと儲けられるもんなら儲けてみたいね」

ユッチ「それが出来るんっすよ!オズマさんの元手と、僕の人脈を駆使すりゃ余裕っす!」

やはり金絡みの話だった……ユッチは俺の元でなんて言っているが俺はSAOの頃のリアルマネーゲームの賞金も、ALOで行われたサバイバーバトル大会の賞金も殆ど使い果たし素寒貧の有様でパトロンなんて到底出来るわけがないので、この時点で真面目に聞く気は無くなっていたのだったが、ユッチは有頂天な様子で話を淡々と進めるのだった。

ユッチ「実はですね、僕の新しい知り合いにFXのやり手の人がいるんっすよ!」

俺「FXだと……?」


FX……!それは「Foreign Exchange」の略で、正式名称は外国為替証拠金取引(がいこくかわせしょうきんとりひき)と呼ぶ……他の国の通貨を売買して利益を出すこと事である!例えば……1ドル100円のときに買い、1ドル=120円になったら売る→「20円の儲け」。この仕組みを利用して利益を出し儲ける事を示していた! by立木ナレ


ユッチ「それで、FXをやるにはどうしても元手が必要になるわけで、オズマさんには例の2000万円を使って是非ともパトロンになってほしいんすよね~」

ユッチは揉み手をしながら、ヘラヘラとした媚び売るかのような笑みを浮かべて、予想通り2000万円の話を持ち出したのだった。
リアルマネーゲームで得た俺の分とディンゴの分、2人分で合計2000万円の賞金はとっくにディンゴの弟の治療費の為に殆どパーになった事は前にエギルの店でとっくに話したはずなのだが、ユッチはそれを悪い冗談だとか言って、ロクに信じておらず、未だに俺が2000万円を何に使うんだと気にして仕方ないようで未だに何度もラインで聞かれている状態だった。

そして、ユッチのほぼ独り言に等しい金儲けの話は更に白熱し続く。

ユッチ「あの人に掛かりゃ、オズマさんの2000万円は短期間で倍の4000万!つまり2000万円の儲けになるんすよ!それくらいは見込めるってあの人は言ってたっす!」

無茶苦茶怪しすぎる……ユッチが言っているFXのやり手とやらも随分と怪しいし、会った事は無いが出資金を受け取ったらそのままどっかにトンずらとか考えてる詐欺師に思えてならなかった。

ユッチ「勿論、オズマさんはパトロンですからね、儲けた2000万円の内の50%……1000万円はオズマさんの取り分にするって事でどうっすか?残りの1000万円を僕とFXのやり手の人で折半するっす!」

いや、実際にFXで儲ける為に試行錯誤をするのはそのやり手だとしたら何もしないユッチが残りの1000万円の半分も持って行くのは明らかに不釣り合いだろう……ま、その話自体胡散臭いわけだが。

ユッチ「オズマさんだって毎日日雇いの安い給料で働くのなんてほんとはウンザリっすよね?」

俺「そりゃ、楽にドカンと稼げるってならそうしたいけどよ……」

ユッチ「ならやるっきゃないじゃないっすか!もういい加減に目覚めましょうよオズマさん!オズマさんの出資さえありゃ、これから僕らは浮かび上がれるんす!それも楽に簡単に!」

そう、楽にドカンと稼げる手があるなら、俺だって気が向いた時にだけ日雇いの仕事を嫌々やるような生活とはとっくにおさらばしてる……けど、そんな事をするだけの知識もコネも軍資金も努力する気概も――結局俺には何もないから今の状態に甘んじるしかないわけだった。

結局俺はユッチと牛丼を食ってその店で別れたのだったが、ユッチは相変わらず諦めていないようで、『おお返事を待ってるっす!』などと既に俺がこの話に乗る事が決っているかのようなテンションで言ったのだった。


※ ※ ※


そしてオズマ……2時間ほど適当に寄り道をしてからJリミテッドを運転し自宅アパートへ帰宅!車を一世帯につき一台に限り無料で止められる駐車スペースに駐車した矢先……品性下劣な男に絡まれる。 by立木ナレ

倉崎「ぎゃははははっ!っとに……相変わらずいつ見ても古クセェ車乗ってやがるじゃねーか弭間よぉ!ちゃんと任意保険は入ってるか!?ま、自己ったところでこんな車くれぇどーせ大した値段じゃねーってか!?」

俺「態々それ言う為にそのデカい腹揺らしてここまで来たのかよ?普段は家に籠りっきりの癖に人に茶々入れる時はアグレッシブだよなアンタは」

俺が車から出るなり、指を差して唾を吐き散らしながら下品に汚い声で笑い飛ばしてくる倉崎を適当にあしらい、俺はさっさと小田桐家の一室に戻る。

倉崎「うるせぇ!普段暇してる分、弄り甲斐のある奴見つけたら弄らなきゃ暇で暇でやってられねーんだよ!」

まさにネット上で荒らし行為に明け暮れる暇人の鏡みたいな奴だな。そんな暇人倉崎の相手はそこまでにして自室に戻ると、部屋の中は相変わらず寝そべって古い携帯ゲームをやっている親父とタバコを吸い吹かしながらテレビで競輪に熱中してる爺だった。

恭史郎(きょうしろう)「クソったれぇ!!あの競輪選手何してやがんだ!俺がせっかく奮発して5000円賭けてやったってのにリタイヤだぁ!?俺の5000円返しやがれぇぇ!!」

時生(ときお)「お、今頃帰って来やがったか弭間」

俺「別に俺がいつ帰ってこようが俺の勝手だろ」

競輪の負けで喚き散らす爺さんは放っておいて、親父が起き上がると同時にそんな事を言ってくる。オヤジは携帯ゲーム機を触ったままで、俺の方に視線を向ける事無く、覇気の無さそうな表情と声で一方的に話を始めるのだった。

時生「あのよぉ、さっき桃華(ももか)の奴が急に押しかけてきやがったんだよ」

俺「は……姉貴がぁ?」

桃華と言うのは俺の一歳年上の姉で、親父が離婚した際に母親について行ったきり、一度も小田桐家には戻って来た事など無いはずだった。

俺「またどういう風の吹き回しで帰って来やがったんだ?アイツ俺等の事を恥だとかクズだとか散々言いたい放題言ってたくせに」

時生「血相変えてオメーに用があるとか言ってやがったぜ。何でまだ帰ってきてないんだとか、本当はどっかに隠れてるんじゃないのだとかエキサイトしてやがったぜ」

俺「うわ……!いなくて正解だったか?」

数年間、ロクに会っていない姉がヒステリック気味に喚き散らす光景を想像して俺はすぐに家に直行せずにしばらく時間を潰しておいて正解だったとつくづく思っていた。

時生「それでだ……明日は桃華も土曜で学校は午前授業らしいからよ、この店で待ち合わせしたいとか言ってやがったわけよ」

俺「一方的に押しかけてきて今度は呼び出しかよ……スゲェ気が進まねぇんだけど……」

時生「ま、アイツとしちゃ、そう何度もこの山谷に足を運びたくはねぇんだろうよな」

親父はタバコを吹かしながら軽く欠伸をして、他人事のようにそう言った。

時生「ま、久々の姉弟水入らずだと思ってよ、会いに行ってやれよ。オメーだってたまには姉ちゃんに甘えてぇだろうよ?」

俺「とか言って面倒な奴の相手押し付ける気満々だろうが……」

俺が今更あの見栄とプライドとキャリア志向に凝り固まってしまった姉貴に甘えるなど想像するも恐ろしい……かと言って家に押しかけられるってのも更に面倒だしな。

俺「アイツ、何の用だって?」

時生「そこまでは何も言ってねぇよ」

俺「聞いてねぇのかよ?」

時生「あくまで桃華はオメェに用があるとしか言ってなかったからな」

結局、俺は仕方がなく……姉の呼び出しに応じる事になった。一応今現在、新宿区でアパートを借りて暮らしているらしい母と姉の住所と電話番号は知っているので、留守電だけを入れておく。


※ ※ ※


そして、気が向かないまま一日が過ぎその翌日……オズマ、自らJリミテッドを運転して姉の呼び出した店である新宿区の小規模なファミレスに直行! by立木ナレ


「いらっしゃいませ、お一人様でしょうか?」

俺「いや、単なる待ち合わせ。俺と同い年か少し年上位の制服着た女子高生なんだけど……」

頭を下げるウェイターに対して俺が用件を伝えると、ウェイターは少し顔を赤くして笑みを零していた。
妙な勘違いをされているかもしれないが、俺としてはさっさと姉貴との用件を済ませたいので一々その辺りを説明するのは諦めた。

ウェイター「あ、それでしたらあちらのお客様でしょうか?」

俺「あ、いやがった……」

ファミレスの中に年頃の女子高生が一人寂しくなんて光景はそうそう見れるもんでもなく、ウェイターに指を差した先にいた一人の、いかにもキツそうな目付きの短髪で化粧も殆どしてなさそうな制服姿の女子高生を見て俺はそいつが久しぶりに会う姉の桃華だとすぐに気が付いてしまった。

ウェイター「では、あちらへどうぞ。ごゆっくりして行ってくださいね~」

生憎とゆっくりしていくつもりなど無かった。俺は気が進まないまま、眼力で虫の一匹や二匹くらいは殺せそうな目付きをしたままの姉が座るテーブルに足を運んだのだった。

桃華「悪かったわね、いきなり呼び出して」

俺「全然悪そうにしてる目付きじゃねぇぞ……」

むしろ単なる悪にしか見えないような目付きなのだったが、この姉貴――森本桃華(もりもとももか)は新宿区の名門と言われる大学附属の私立高校に通っているらしく。小田桐家の男達とはまるで住む世界が別次元レベルの才女だった――才色兼備と言えるかどうかは別として……



オズマ……小田桐弭間の姉、森本桃華はまさに勤勉、向上心の塊にしてキャリア志向!弟の弭間とはありとあらゆる点で完全に正反対の姉であった!
少なくとも、オズマにとってはSAOから帰還後としては初めてとなる姉・森本桃華との再会!気が進まない!帰りたい!話したくない!まさに圧倒的後ろ向き気分の状態のオズマに対して、一体姉は何の用があるのだろうか!? by立木ナレ 
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