| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

麗しのヴァンパイア

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九十九話

                第九十九話  同じことはしない
 華奈子と美奈子は小公女のことを話しているうちにいじめとそれを行う者達への激しい嫌悪を感じた、だが。
 その中でだ、華奈子は美奈子にこうも言った。
「確かにいじめはよくないけれど」
「いじめを止めることはいいけれど」
 美奈子も華奈子の言うことを察して述べた。
「それでも同じことはね」
「したら駄目よね」
「いじめを止めることはいいけれど」
「その人を徹底的に攻撃とかしたら」
「同じよ」
 まさにというのだ。
「いじめをしている人達と」
「本当にそうよね」
「だからね」
「そこはよね」
「いじめはしている人を止める」
「それで終わるべきね」
「それ以上やったら」
 美奈子は自分にも華奈子にも戒める顔と声で述べた。
「本当にね」
「いじめを行う人達とね」
「何も変わらないから」
 自分が嫌っている彼等と、というのだ。
「だからね」
「するものじゃないわね」
「そうよ」
 美奈子の声は強いものだった。
「そうしたことはね」
「私いじめ嫌いで許せないけれど」
「若しアニメの演じている人達、声優さん達がされた様なことしたら」
「ミンチン先生達とどう違うのか」
「そうよ。ミンチン先生が嫌いなら」
 それならというのだ。
「ミンチン先生と同じことはしない」
「ミンチン先生を徹底的に攻撃するんじゃなくて」
「同じことをしないの」
 それが大事だというのだ。
「何があってもね」
「そうよね。けれど沢山の人が」
「ミンチン先生を実際に見たら」
 その時はというと。
「徹底的に攻撃するわね」
「ミンチン先生と同じことをしたら」
 自分が嫌って否定する相手と同じ行為即ちいじめを行ってしまうというのだ。
「もうね」
「自分が嫌になるわね」
「そんなことをしたら」
 二人はこのことにも気付いた、嫌いな相手にその相手がしたことを加えると全く同じだとだ。このことに気付いたのだ。


第九十九話   完


                   2018・10・24 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧