| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

FILE174 ついに念願の車納車!

優勝賞金の200万円を手にしたオズマはその現金を手にしたままとある人物との待ち合わせ場所に向かう。
それはオズマがSAOサバイバーバトル大会に出場した最大の目的……オズマが手に入れた賞金の大半を使う目的であった! by立木ナレ


オズ「ようやく帰って来やがったか……こっちは待ち侘びてたぜ」

俺「今更だけどよ、車庫証明の手続きとか……よくアンタ一人でどうにかなったな」

俺が自宅アパートに戻ると、そこには既にこの日この時間に待ち合わせの約束をしていた車の売り手のオズが、普段通りの如何にも浮浪者と言った風貌の姿のまま待っていた。
だが、そんな貧乏くさい姿の男に不釣り合いな一台のスポーツカーが俺の視線を吸い寄せる様に釘付けにさせる。
まあ、年式がかなり古いのである意味では貧乏くさい風貌のこの男に合っているのかもしれないが……

オヤジも爺さんも俺が車を買う事を今日この日初めて知ったばかりなので態々家の外に出て、オズが用意してきたユーノス・ロードスター・Jリミテッドをまじまじと眺めていた。

恭史郎「マジで買っちまいやがって!まとまった大金が手に入ってようやく生まれて初めて爺孝行なするかと思ったらなんだってこんな古いスポーツカー買ってやがるんだ!とっくに13年なんて軽く過ぎてるから自動車税も重量税も高くなってるって分かってんだろうがあーん!!」

時生「唾飛ぶ勢いで喚くなよ……弭間が自分の金で買ったから別に良いじゃねぇかよ」

恭史郎「うるせぇ!どうせ車買うにしても車種なんて他にいくらでもあっただろーが!」

時生「別にユーノス・ロードスターも悪くねぇだろ?俺がガキの頃なんて、丁度このNAが流行ってたしよ……にしてもウチが車なんて、親父のセリカ以来だな……」

恭史郎「とっくに忘れちまったよ、んな車持ってた事なんてな!」

爺さんがセリカを所有してたのは話に聞いたことはあるが、爺さんがまだ生活保護受給者になる前でソープランドのボーイとしてそれなりに稼いでた頃の事だそうだ。
俺と姉が生まれる事には既に爺さんは生活保護受給者で、受給者になる際に車もとっくに売り払ってしまっていた為俺はその実物を一度も見てはおらず、親父は車の免許は持ってはいるが自分で所有した事は無いので、確かに小田桐家が車を持つのは爺さんのセリカ以来なのだろう。

オズ「んで約束の金額は分かってんだろうな?」

俺「分かってるよ……俺の優勝賞金の75%の150万円だろ」

そう言いながら俺は手にしたばかりの200万円の内の150万円を既に別の封筒に移し替えており、それをオズにそっと手渡す。
相変わらず汚いハット帽を深く被ったその口元が不敵に歪むと同時に封筒を受け取ると、オズは金額を確認……きっちり150万円である事を確認すると、車のキーを俺に渡した。

オズ「俺の事を100%信用してるわけじゃないってんなら……最後に車の動作確認くらいはしといたほうが良いんじゃねぇか?」

俺「そうだな、うっかり後から不備が見つかって、修理代が幾ら掛かるだとかは御免被るしな」

車のキーはまさに今では殆ど見ることの無くなったユーノスメーカーのエンブレムが刻まれたカギだった。
今時キーレスでないこの車の鍵を開ける為に車の鍵穴に鍵を差し込みロック解除……車のエンジンを掛けるにしてもボタン一つでエンジンを掛けるシステムではなく、これも車のキーを差し込んで右に回し、するとJリミテッドは早速古いガソリン車独特のエンジン音を一体に鳴り響かせ始めていた。

恭史郎「んだ……このエンジン音?NAじゃねーのかよ」

時生「弭間が言ってたろ、マフラー付け変えてるのと他にエンジンは1.6のノーマルからNDロードスターで使ってた1.5サイズのにターボキットを後付けしたってな……実際に運転席にブースト計も付いてたじゃねーか」

恭史郎「そうかい、しかしロードスターっていや、最近5代目のNEが出たんじゃねーか?」

親父と爺さんの会話を適当に聞き流しながら俺は更にエアコンの動作確認、今では規制の問題で新規の車ではまず作られていないリトラクタブルヘッドライトが機能している事、更にエンジンオイルの漏れがないかもチェック。

オズ「どうだ……粗探しは上手くいきそうか?」

俺「見つかったらむしろ困るっての、かと言って手を抜くつもりはねぇけどな」

更にO2センサーの念のために確認しておく。これが壊れていると壊れていないのでは燃費に大幅な違いが出てしまいロードスターなのにロータリーエンジン仕様のRX-7並の劣悪な燃費状態になりかねないのでこれはこの場で特に悪くなってないか把握しておかなければならない。


オズマ……自らが知り得る限りの車の知識で徹底的に粗探し!一般の自動車メーカーや中古販売業者からしてみればしつこくてうんざりする程に調べまわる!だが、それは無理もない話……このオズと言う男は山谷に住む者達でもその身元、過去、何時頃から個々の住んでいる等々が殆ど知る者のいない経歴がとにかく怪しい男、それ故にこんな車を持ってきた事自体どんな入手ルートかも定かではない為、せめて車に不備がないかオズマは全力で疑いの目を向けるつもりで調べ尽くす……だが! by立木ナレ


オズ「どうした?もう、調べなくても良いのかよ?」

俺「34年落ちの車にしちゃ……良い状態を保ってやがるんだな」

半ば俺は感心したようにそう言っていた。自分が知り得る限りの事前に調べておいた方が良い箇所は可能な限り調べたのだったが、まるで最初から誰かに売る事を前提にしていたかのように……整備は比較的良く行き届いており、修理が必要と思わしき箇所を見つける事が出来ないままだった。

オズ「文句なしってか……んなら大事に乗ってくれ……まあ派手に運転しようが丁寧に運転しようがもうお前さんの勝手だけどよ……」

俺「アンタも上手い商売したよな、どうやってこの車を入手したのか知らねぇけど。34年落ちにしちゃ状態はいいし、丁度いい具合にチューニング済みだし……しかもそんな矢先に俺がこのJリミテッドを欲しがってて、んでもって俺みたいな素寒貧が大金をゲットなんて絶好のタイミングときたもんだ」

まるで、この男は俺がユーノス・ロードスターJリミテッドを欲しがっていた事も、何処をどんなふうにチューニングしたがっていたのかも、そして俺がまとまった大金を得る事も知っていたかのようなタイミングでこの車を俺に紹介して来たかのようだった。

オズ「俺としちゃ……買い手なんて別に誰でも良かったさ……今回はたまたまお前さんがこのタイミングで金を手に入れたからお前さんに売った……そんだけの事じゃねぇか」

結局、オズはそれ以上は何も語らないまま、フラフラと何処かへと去って行った。150万円と言うあの浮浪者な男には不釣り合いな大金を持ったまま何処かへ―――

時生「んで、コイツを運転するにゃよ、ちゃんと免許が必要だって事分かってんよな?しかも今時すっかり若者で取る奴が少なくなっちまったMT車だぜ」

俺「知ってるに決まってんだろうが、だいたい車の免許取るのに20万円そこそこだろ。残りの50万で余裕じゃねぇか」

そうだ、免許所得の費用を引いたとしても俺の手元には30万円ほどの金が残るわけで、これだって俺にしてみれば大体一ヶ月の日雇い労働の3倍近くの金なのだから相当な金である事には違いない。

恭史郎「はははっ!オメーの言ってる20万そこそこってのはよぉ、一回も試験に落ちねぇで合格した場合の話だろーが!オメーの場合は筆記辺りでしくじりまくりそうだからよぉ、20万どころじゃ済まねーんじゃねぇか!?」

俺「汚ねぇ声で笑い散らすなっての……」

運転技術自体はVRのレーシングゲームで慣れているつもりだから、俺にとって免許を取る上で重要なのは筆記試験の方だろう。
ハッキリ言って小学校のテストもろくなもんじゃなかった俺には認めたくないが……爺の言っている事も強ち軽視できない話だ。
それに一日も早く免許を取ってしまいたいので何度も何度も試験を受け直すのは御免だ。



そして、オズマ――小田桐弭間が自動車運転免許を所得したのはこの約1か月後……オズマの手元に残手いた金額は以下の通りとなった!


自動車運転免許所得費用……約20万円

筆記試験のカンニングで協力者に支払った報酬……10万円

一カ月間全く働かず収入が0であったが為、その分の生活費……10万円

手元に残った金額……10万円!

手元に残った金額は当初の予定の3分の1の10万円!これが、オズマが200万円を手にしてから僅か一カ月間の間の出来事であった! by立木ナレ


※ ※ ※


SAO帰還者学校!数日前にSAOサバイバーバトル大会で惜しくも準優勝となった桜井青嵐(さくらいせいらん)ことカレラの教室の一角では、クラスメイトの三好裕一(みよしゆういぎ)ことユッチが得意気な表情でクラスの数名の気弱な男子生徒たちを集めて自慢話に浸っていた!

ユッチ「見たかよ!オズマさんのあの圧倒的大勝利!マジで200万円ゲットしたんだぜオズマさん!」

男子A「う~ん……圧倒的だったのかなぁ?二戦目は負けてたし……結構危うく勝ったって感じな気がするけど?」

男子B「準優勝した桜井さん―――カレラのビーストスタイルも凄かったよね、特にあのキマイラ形態は痺れたって言うかさ~」

ユッチ「うるせぇ!とにかく勝ったのはオズマさんなんだよ!それが全てなんだよ!」

ユッチは喚き散らすように声を荒げるのだった。オズマが優勝して賞金を得た事により、自らもそのお零れに預かれると信じて疑わないユッチは気をよくしていただけに、水を差すような事を言われ、ムキになり声を荒げて更に勢い余り……

ユッチ「だいたいこのSAOサバイバーバトル大会者準優勝だろうとなんだろうと優勝者以外は全員負け犬なんだよ!賞金を貰えるのは優勝者だけなんだからな!勝たなきゃゴミって事だよ!!」

男子A「―――っ!み、三好君!ストップ!ストップ!」

男子B「シィ―――!シィ――――!!」

ユッチの行き過ぎた言動に対して男子二人が必死になって留まる様に慌てふためくのだったが―――

ユッチ「はぁ~?お前ら急になにバカ面してやがるんだよ?」


全く空気読めぬユッチ!この教室内にはクラスメイト故に当然……準優勝者であるカレラがおり、ユッチの先程の言動……優勝者以外は全員負け犬……勝たなきゃゴミ発言は公然と聞かれていたにも拘らず全くその辺りへの配慮ゼロ!!
これには話に加わっていなかったクラスメイト達からもユッチに対する白い視線が向けられているのは当然!!

そして――ユッチの背後には足音を最小限に……ユッチにゴミ呼ばわりされた準優勝者カレラの姿があった!!
カレラはユッチの背中から肩を軽くポンポンと叩き、その様子を間近で見ている二人の男子は表情を強張らせていた!

ユッチ「誰さ?今忙しいから後にしてくれる?」

ユッチはと言うと肩を叩かれている事は気が付いているものの、後ろを振り返る事無くめんどくさそうな態度でそう言うのみ。
だが、カレラはそんなユッチに対して再び肩を叩き続ける……今度は握り拳でガンガンと強く叩く!

ユッチ「いててっ!いててっ!いい加減にしろよ!今忙しいって―――言ってんだろ……?」

喚き散らしながら後ろを振り返ったユッチはようやくすぐ背後にカレラが仁王立ちしていた事に気が付き呆然!
カレラが全身から発する強者の雰囲気を感じ取り、今更ながら目の前の彼女は自分よりも遥かに強いVRMMOゲーマーなのだと自覚したのであった!だが―――

ユッチ「な、な、な、なんだよぉ!折角人が良い気分でこいつらに面白い話してたってのにさ!水差すなよ!て言うかお前何処のクラスの女子だよ!」

男子A・B「「知らない人の振り!?」」

何とユッチ!数カ月以上も同じクラスで過ごしているクラスメイトの女子を他所のクラスの生徒呼ばわり!気まずさから出た冗談のつもりだったのかも知れぬがそれはまさに……火に油!!こうなると最早後に引けぬユッチは右手の人差し指をカレラに突き付けて、自分よりも更に小柄で見るからに非力そうな少女を目の前に恐怖心を誤魔化すように喚き続ける!

ユッチ「あのさぁ、何処のクラスの奴か知らないけどよぉ、いきなり何の挨拶も無しに入って来て人が楽しく話してるのを邪魔して常識ってのが――ぎゃぁぁぁぁ!!」

男子A・B「噛んだぁぁぁぁ!!」

カレラ……噛みつき!ユッチの人差し指に噛みつき!その噛みつきはまさにビーストスタイル時の獣人化やキマイラ化の如く噛みつき!指を噛まれたユッチは大絶叫!!

カレラ「――――まっず!!」

ユッチ「いてぇぇぇ!いてぇよぉぉぉぉ!!」

が、すぐさま口の中を最悪な感覚が襲い、カレラは溜まらず口を放していた。そしてユッチは僅か数秒ほど噛まれていただけにも拘らず、大袈裟に泣き喚きながら走り回り教室から去って行ったのだった!

カレラ「あ~あ……ホント馬鹿なことしたなぁ~、あのクソ教祖とか、あのヘタレとか、あんな奴らの言った事なんてどうでも良いはずだってのに……」

そうぼやくカレラだったが、その表情はどこか穏やか……吹っ切れたような穏やかな顔つきとなっていた。

カレラ「別に生き残った奴が上等で死んだ奴がゴミだなんて……んな考え方どうでもよかったかな?生き残っててもSAO時代にレッドプレイヤーになって危険人物扱いされて学校にも通わせてもらえねぇ奴もいりゃ、あんな風にヘタレのままの奴だっているんだし……堂々と胸張って……何言われても図太く生きてやるか……」 
 

 
後書き
これにてSAOサバイバーバトル大会編は終了します。

ファントムバレット編までまだ数カ月以上の空白の期間がありますので。あと一つオリジナルのストーリーを書きたいと思います。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧