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衛宮士郎の新たなる道

作者:昼猫
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第4話 忘れた筈の悪夢 その二

 朝。

 「おっせーぞお前ら!俺様を待たせんじゃねぇよ」

 島津寮の前には既に登校の準備を終えていたガクトが憤慨したフリの言葉を投げかけて待っていた。

 「遅いって、先週までいつも最後に遅れてたのはガクトの方だろ?」
 「旦那様の言う通り。メリッサさんに起こしてもらえる様になってから今週から妙に張り切っちゃって・・・」

 大和とその妻を自称する京からジト目で抗議を受けるガクト。

 「全く京の言う通りだ。メリッサさんがいるから早起きで来ただけだろうに」
 「う、うるせぇな!結果的に起き上れてんだから俺のせいか同然じゃねぇか」

 (゚Д゚)!大和が私の旦那様発言に足して何も言わない。スルーされたとはいえこれはもう既成事実の様なモノ何じゃ・・・・・・・・・ん?

 右手に何かをつかまされた京はそれを確かめた。

 (;゚Д゚)そ、そん・・・な!

 それは大和の印鑑が押された離婚届と手紙だった。

 『別れて欲しい。君の愛は重過ぎるんだ。俺達の関係はこれで終わりだ』

 結婚していたと言う前提は良い。けれどこんな結果はあんまりだった。――――似たようなフラれ方はこれで53回目だけど。

 そんな朝から相も変わらず喧しい島津寮前に、続々と島津寮から仲間が出て来る。
 全員揃った所で漸く登校出来ると思った矢先、止める声が響いた。

 「待ってください岳人」
 「な、なんすかメリッサさん?」

 同じ屋根の下で暮らすようになって三日目。未だにメリッサの美人過ぎる美貌になれないガクト。

 「お弁当を忘れています」
 「う、ういっす!」

 だが未だになれないのは周囲も同じ。

 「相変わらず美人ですよね。メリッサさん」
 『馬だったらオイラぜってぇ放って置かねぇのに!』
 「圧倒される位綺麗な人だよな・・・!」
 「確かに。自分もいつかはメリッサさんのような大人な女性になれるだろうか?」
 『無理無理、クリ坊には一生かかってでも追いつけやしねぇから、此処は黙ってオイラに任せときな?』
 「なんだと!松か・・・・・・ぜって、松風何処にいるんだまゆっち?」
 「ふえ?」

 そこへ卵型の奉仕ロボット、クッキーが玄関から出て来た。

 「ほら由紀恵、この口の悪い馬忘れてるよ」
 「あ、ありがとうございます」
 『まゆっち・・・。オイラを忘れるたぁ如何いう了見だい?』
 「す、すみません松風」
 「ん?じゃあ、合流するまでに言っていた松風の言葉はまゆっちの本音って事か?」
 「『え゛」』

 キャップの指摘に固まるボッチ由紀恵にデミ付喪神松風。
 そこに嘗てない程実に良い笑顔をしたクリスが1人と一体に迫った。

 「いやー、何時も控えめなまゆっちの本音がそれだとはなー?これからの関係性も考える為にも、今日もナ・カ・ヨ・クOHANASI(話し)ながら自分と登校しようか?」
 「ふぇええええぇええええ!!?」
 『待ってくれ、後生だ!まゆっちは何も悪くねぇんだ!如何か制裁を受けるならオイラに――――』

 朝から何時も通り最速でカオス空間を作り上げる風間ファミリーであった。

 「皆ーー!」
 「いってらっしゃいませー!」

 「「「いってきまーす!」」」

 クッキーとメリッサの挨拶に、色々取り込んでいる女性メンバー以外の男子3人だけが元気良く返してから行った。
 そこに、明らかに時間をずらしてから行こうとしていた源忠勝が出て来た。

 「朝からよくあのテンションが出せるぜ・・・」
 「皆さんもう行かれましたけど追い駆けなくていいんですか?」
 「い、いえ、その」
 「あーいいのいいの。人には人のペースがあるから、彼にはキャップたちのテンションに乗っかって行くのが嫌なだけさ」
 「成程。ですが忠勝も気を付けて行ってらっしゃってくださいね?」
 「う、うす」

 いくらメリッサを性的な目で見ていない忠勝も、彼女の美貌の前にはどうしても気後れしてしまうのだった。

 「よし、皆行った」
 「では、今日こそは貴方を倒してみせましょう。クッキー」
 「フフ、望むところだよ?」

 どちらがより完璧かつ素早く掃除洗濯などの家事をできるか、1人と1体の真剣勝負が此処に幕を開けた。 
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