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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE173 念願の賞金!どうでもいい教祖の正体!

遂に掴んだ勝利……!遂に掴んだ優勝……!遂に掴んだ優勝賞金……のはずだが、オズマは優勝の直後にSAOサバイバーバトル大会を取り仕切る教祖に対して挑発的な言動!オズマ……どうなる!? by立木ナレ


教祖「…………」

俺「何じっと見てんだよ……」

教祖の微笑みの表情が俺をジロジロと見据え続けて気持ち悪い事この上ない。だが、さっきの俺の言葉で教祖が好き勝手に俺をポアなんて事をしてしまえばすべてが水の泡、俺はこれ以上教祖に対して流石に減らず口を叩くのは気が引けて、一定時間の硬直状態の直後だった―――

教祖の表情が初めて変化した――まるで少女漫画のヒロインの如く……大きなキラキラとした瞳へと変化した!!

俺「んだよ、その目は……?」

教祖「感激しているのです」

感激だって?その少女漫画のヒロインみたいな目が感激してるだって?

教祖「オズマさん、ご心配なく。見事に優勝を果たした貴方の元には近い内に賞金の受け渡しが行われるのでお楽しみにしていてください」

俺「……もし、賞金が届かなかったら直接ユーミルに乗り込んでやるからな」

教祖「おほほほほ……それはそれで楽しみですねぇ~、SAOサバイバーバトル大会の優勝者、賞金を巡る騒動で運営会社に襲撃……な~んて記事が見れるのも楽しみですねぇ~」

キラキラとした瞳のままそんな事を一人で語りながら楽し気にしている教祖に対して、減らず口が出てきそうになるのを抑える俺、こうなると一分一秒でも優勝賞金の200万円が手に入るのが待ち遠しくてじれったくも感じる。

教祖「そんな、怖い目つきをなさらなくても我々はちゃんと優勝者のオズマさんには賞金を差し上げますとも。なぜなら救済される権利を勝ち得たわけですからねぇ―――では、SAOサバイバーバトルをご覧になられていた皆さん……オズマさんの栄光ある未来を祝福しましょう……」

教祖の詰まらない演説はそれからも10分ほど続いたが、俺はそれを完全に適当に聞き流していた、さっさと金を寄こせ!
その一心で頭が一杯で、教祖がもし本当に現実世界からフルダイブしている人間だったら蹴りの一撃でも食らわせてやろうかと思うほどじれったい奴だった……


煮え切れない心情のまま、オズマのSAOサバイバーバトル大会は幕を閉じた!優勝者オズマを待ち受けるのは優勝賞金の200万円!目も眩む大金!――だが、実際にそれを実感できるようになるのはあくまで優勝賞金を得てから、金を目当てに参加したゲームの大会なのだからそれが当然!! by立木ナレ


※ ※ ※


SAOサバイバーバトル大会の優勝から数日が経過した。ログアウト直後は俺の大会での様子を生中継の動画で見ていた爺が目の色を変えて『金は手に入るんだろうな!?』『何時金が入るんだ!?』などと騒ぎまくって騒々しい事この上なく、その上さらに隣人の倉崎もドンドンと扉を叩きながら『優勝した感想はどうよ!』『何に金使うってんだよ!?』と騒ぎ立てる始末、幸いにこの山谷では他にSAOサバイバーバトル大会を見ていた者は殆どいなかったようで、他のホームレスやら浮浪者達が押し寄せてくるほどの事態にまでに至らなかったのが幸いか……ともかくそれから数日が経過し、俺は事前の打ち合わせで決まっていた賞金の受け渡しの為に指定された如何にも老店っぽい、こじんまりとした客が他に殆どいない定食屋に来ていた。

ここにユーミル側の人間が俺に直接200万円を渡しに来ることになっている、俺は約束の時間よりも10分以上早く店の前でそれらしき人物がやって来るのを待ち侘びていた……だが――そんな俺の元に訪れたのは全く予想していなかった人物だった。

そいつはスズキのワゴンRで車内から大音量の不快な音楽を鳴らして周辺を行きかう人々から不快な目付きを向けられていた。

俺「って、この曲ってあのクソ教祖の……」

そうだ、聞き覚えるある曲だと思ったら、SAOサバイバーバトル大会で教祖の奴が鳴らしていた不快なBGMの歌と同じ……元ネタは確か95年に事件を起こした宗教団体の――――

佐凛「ちーっす!久々に会えたね弭間く~ん!」

俺「何であんたが……」

ワゴンRの中から陽気な笑顔で馴れ馴れしく声を掛けてきたのはサバイバーバトル大会前に俺に取材を申し込んできた自称フリーライターの蛭原佐凛だった。
俺がここに来るのに合わせてこのSAO生還者たちへの取材に執着してるこの男がここに居合わせたのはどう考えたって偶然なはずがない……

俺「どっかから、タレコミでもあったのかよ?」

佐凛「はっはっはっ!そ~んな人を不信感に満ちた目で見ちゃイケないぜ……オズマ君さ」

俺「やっぱり俺の事を知ってやがったのかよ……」

いけしゃあしゃあとした態度で佐凛はごく自然に俺のキャラクターネームであるオズマの名で呼んできた。

佐凛「ま、立ち話もなんだしさ、取りあえず中に入ろうぜ」

そして、佐凛と共に俺は仕方なく店の中に入った。本来ならユーミルが寄こした人間が俺に金を渡してそれで終わりのはずだと言うのになんなんだこの流れは……

佐凛「えっと、メニューになんかオムレツライスなんてのがあるみたいだけどさ、これ注文して見ないかい?」

俺「注文の前に要件を聞こうか?」

手書きのメニュー表を如何にも興味深そうにジロジロと眺めて、オムレツライスなどと書いてある妙なメニューを勧める佐凛に対して俺は端的に用件のみを聞く事にした。
佐凛は相変わらずヘラヘラとした笑みを浮かべてメニュー表を閉じて言った。

佐凛「せっかちだね君はぁ~……ま、折角優勝して一分一秒でも優勝賞金を手に入れたいってのは分かるけどさ……」

そう言いながら佐凛は、ヘラヘラとした笑みから、今度は不敵な含み笑いを浮かべて……上着の懐から二つの分厚く膨らんだ封筒を取り出していた。

佐凛「食事の時くらい、ゆっくりしても良いんじゃないかい?」

と、言ってから二つの封筒をテーブルの上に乗せると、それを俺の手前まで押し寄せた。いったいこれが何だってんだ……未だに目の前の男に対して不信感を抱きながら二つある封筒の片方の中に目を通した途端――

俺「なに……!」

佐凛「ククク……もう片方もチェックして見な……」

佐凛に言われるまでも無く、俺は即座にもう一つの封筒の中身を見てみると、先に確認した封筒とその中は全く同じ――1万円札の札束であった!
そこで俺は、このタイミングに何故……佐凛がこの店に現れたのか、それはタレコミとかではない事に気が付く事になった。

俺「アンタだったのか……ユーミル側が寄こす金の受け渡し人ってのは……!」

佐凛「そう大正解でーす!改めて優勝おめでとうオズマく~ん!約束の優勝賞金の200万円だぜぇ~」

俺「アンタ、一体ユーミルとなんの繋がりがあるってんだよ?」

佐凛「う~ん……」

佐凛は腕を組み、如何にも悩まし気な表情を浮かべているが、内心ではそれほど深く考え込んでいるわけではなく、単に引き延ばしているだけだと言うのは見え見えだった。

佐凛「繋がりがあるって言うかね、そもそも俺はユーミルの社員でも何でもなくってさぁ~」

俺「内部の人間じゃなくたって、優勝賞金を渡す役目を担ってるんならそんなのは単なるバイトに任せられるような事でもないだろ――俺が思うにだ、アンタの方からこの役目を率先して担って来たんじゃないかって俺は考えてるんだけどな……?」

佐凛「はい!オズマ君またまた大正解!!」

佐凛は両手を数回パンパンと合わせて音を立てて、騒々しい様子でそう答えていた。そして、悪人面前回の下卑た笑みを作り語り出すのだった。

佐凛「そんじゃ、優勝者のオズマ君には賞金ついでにネタ明かしといきましょう!……SAOサバイバーバトル大会開催の経緯をね!」


蛭原佐凛はオズマに語り出す……200万円もの優勝賞金が掛けられるSAOサバイバーバトル大会がなぜ開催されたのかを!
切っ掛けは佐凛が前々からユーミルの役員の一人が女子高生と援助交際に勤しんでいると言う事実を掴み、その矢先にSAO生還者がもっとも新しいホームのVRMMOとして集っているのがALOであり、そのALOの運営権をレクトからユーミルが引き継いだ事により佐凛のライター魂に火が付いたのであった……早速役員を援助交際の証拠をネタに脅し……今回のSAOサバイバーバトル大会を提案……これにより佐凛は参加者たちが優勝賞金受け取りの際に入力した自宅の住所と本名を獲得!尚且つ佐凛自身も、大会中はALO教祖の役割でフルダイブしSAOサバイバー同士が賞金を巡り戦う姿を高みの見物を決め込んでいた事を明かしたのであった…… by立木ナレ


俺「あの微笑みの教祖がアンタだったとはな……」

佐凛「はっはっはっ!ポアしますか……な~んちって!!ひゃっははははっ!!」

全てを自ら明かした佐凛はALO教祖の時の口調を披露して勝手に自分一人で笑い転げていた。さぞ俺達SAOサバイバーたちが200万円の賞金を懸けてデュエルを繰り広げて争い合う光景は格好の見物だっただろう。

佐凛「決勝戦の動画再生回数は初日で200万回突破!これでALOの新しいプレイ人口の増加も見込めるから俺にとってもユーミルにとってもまさに万々歳!」

俺「そんで、アンタが脅してたJKと援交してた役員の報酬はそっくりそのまんまアンタの財布に転がり込んでくるってわけか……さぞ儲けたんだろうな」

佐凛「そりゃ当然……君の優勝賞金以上に……ね?」

俺を挑発するように片目を閉じて佐凛は更にお道化るのだった。結局、ゲームの大会でどれだけの功績を収めようと、それを動かしている連中が得る金には及ばないって事かよ。

佐凛「そして、今回のSAOサバイバーバトル大会のおかげでSAO生還者に関する新しい記事がまた作れそうだよ。君達――特に君には感謝してるぜ」

俺「アンタの感謝なんて駄菓子の消費税にもなりゃしねぇよ」

佐凛「はっはっはっ!!オズマ君は優勝賞金が手に入ればそれで十分だったね!さ~て、晴れて200万円の大金を得たオズマ君はこれを一体何に使うのかな~?」

俺「そんな事にまで興味あるのかよ?あんまししつこく付き纏ってると、ストーカー規制法案に引っ掛かっちまうぞ」

そう言い捨てて、俺は席を立ち店を後にする事にした。まだ何も注文をしておらず、何の代金も支払う必要もないので、俺は貰えるものだけを貰って立ち去るのみだった――もうこれで、この男と口を利く機会は金輪際ない事だろう。

佐凛「せっかくSAOサバイバーバトル大会の頂点に立ったんだ……ちゃんとその金で救済されるお事を願ってるぜ……オズマ君」

俺「救済なんていらねぇよ、俺が欲しかったのは最初からこの金だけだ……」

優勝賞金200万円を手にしたオズマは佐凛と顔を合わせる事も無く店を後にするのだった。既にこの後の目的の場所が決まっているオズマにとってこのフリーライターとの会話はこれ以上不要!既に何の縁もゆかりもない男とこれ以上話す事など無く、オズマは200万円を手に入れた目的を為す為に自らの手の中にある破格の大金を決して離さぬよう……肌身離さず身に着けたのだった…… by立木ナレ

※ ※ ※ 
 

 
後書き
SAOサバイバーバトル大会編も次回で最後になると思います。 
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