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クロスウォーズアドベンチャー

作者:setuna
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第10話:リリスモン

ウェディンモンはリバース・ウェディンモンとなり、ブイモン達に迫る。

「けっ!バグラ軍お得意の吸収合体か!!」

「そんなので私達を止められると思ったら大間違いよ!!」

迫り来るリバース・ウェディンモンにブイモンとテイルモンが拳を握り締めた。

「デジクロス程ノパワーアップジャナイハズ、勝チ目ハアル!!」

「ったりめーだ!!行くぜぇっ!!ロックダマシー!!」

「シルクスレッド!!」

「ドリルバスター!!」

「ヘヴィスピーカー!!」

4体の攻撃が一斉に放たれ、リバース・ウェディンモンに炸裂した。

「ヤッタカ…!?」

「所詮、スポンジと生クリームの体だ…倒せないまでもかなりダメージを与えたはず!!」

事実、攻撃を受けたリバース・ウェディンモンの顔半分が吹き飛ばされている。

「オホホホホ…流石、噂の勇者様方…デジクロス出来ずとも中々良い技をお持ちのようね?ですが…この私を倒すには些か力不足でしてよ…!!」

少しの時間はかかったが、リバース・ウェディンモンの吹き飛ばされた身体の部分が修復されていく。

「自己再生能力か!?」

「いや、あいつはケーキの城を吸収して身体を修復しているのよ!!見なさい!!」

ブイモンがリバース・ウェディンモンには自己再生能力があるのかと思ったが、テイルモンが仕組みに気付いてリバース・ウェディンモンの真下を指差す。

「この城どころか…このスイーツゾーン全てが私の体と言っても過言ではありませんわ!ふふふ…デジクロスばかりが強くなる術ではなくてよ?さぁ…この無限にも等しい再生能力を…上回ることが出来てっ!!?クレイジー・クラッカー!!」

右腕のクラッカーが全て炸裂し、バリスタモンがシャウトモン達の盾となり、素早いブイモン達はすぐさま回避した。

「調子に乗るなよ!!ブイモンパンチ!!」

「ネコパンチ!!」

勢いをつけて突進したブイモン達はリバース・ウェディンモンの身体をぶち抜き、ドルルモンがすかさず攻撃したが再生されてしまう。

「(チッ…!一撃の威力が足りねえ!奴の巨体を吹き飛ばせる攻撃力が必要だ…)」

「駄目だ、効いてない!!サジタリモンにアーマー進化出来ればあんな奴簡単に倒せるのに…」

「私もホーリーリングを失ってなければ…」

「フォーク・ダンス!!」

「ぐあっ!!?」

リバース・ウェディンモンの左腕のフォークの槍を突き出し、シャウトモンは何とか咄嗟に防御するが吹き飛ばされてしまう。

「(X4にさえなれりゃワケもない相手だが…くそっ!まんまと罠に嵌まったぜ!)」

「こんにゃろ!!ブイモンヘッド!!」

ブイモンが頭突きを繰り出してリバース・ウェディンモンの体を再びぶち抜くが、すぐに再生されてしまう。

「う~っ…くそ、体が生クリームまみれになっちまった…でもこれ美味いからいいや」

腕に付いたクリームをペロリと舐めるとホワ~っとなるブイモン。

「あんたね…」

こんな時まで食欲を失わないブイモンにテイルモンは呆れ顔だ。

「ハッ!?ナイス名案を思い付いたぞ!!倒せないならあいつを食っちまえばいいんだ!!」

「迷案の間違いでしょ!!と言うかあんたはただケーキを食べたいだけでしょうが!!それにあんなの食べたら私達まで胸焼けするわ!!あんたの欲望はどこまで底無しなのよ!!アホなこと言ってないで早くあいつを攻撃しなさい!!」

「あらら…お困りのようね?小さなドラゴンさんに子猫さん♪」

「「え!?」」

「あ…ネネ…さん…?」

間抜けなやり取りをするブイモンとテイルモンの後ろにいたのはネネである。

「(?…何、あの娘…)」

「可愛い大輔君達がピンチみたいだったから…いても経ってもいられずに助けに来ちゃった♪」

「Xローダー…じゃあ、ネネさんもジェネラル…選ばれし子供…?」

「私にはあなたが必要なの大輔君…だから…今は私があなたのことを守るわ…リロードッ…!スパロウモン!!」

ネネのXローダーから現れたのは戦闘機を思わせるデジモンであった。

「デ…デジモンヲ、リロードシタ!」

「あの娘もジェネラルだったのかよ!!」

「さぁ…踊りなさいスパロウモン!!久々に壊し甲斐のある相手がいるわよ…!!」

「ギュギューン!へえ~ネネがそんな風に言うなんて久しぶり!楽しみだな~♪」

空中を旋回しながら言うスパロウモンを見たリバース・ウェディンモンは安堵した。

「オ…オホホホ…どんな屈強なデジモンが出て来るかと思えば…スピード勝負の手合いかしら?だったらこうよ!!速ければ速いほど避けづらい全方位攻撃っ…!キャンドルサービスインフェル…」

「どーん!!」

リバース・ウェディンモンが技を言い切る前に超高速でスパロウモンは距離を詰め、勢いを加算した強烈な体当たりでリバース・ウェディンモンの体をぶち抜いた。

勢いが勢いだったためにブイモン達が開けた穴よりも遥かに大きい。

「うわ…凄いな」

「見ての通りスパロウモンはスピードを活かした攻撃が得意なの、ああいう相手にはパワーよりもスピードを活かした攻撃の方が良いかもしれないわよドラゴンさん?」 

「(なっ…!?何をされた!?今!?ちょ…超高速の…単なる体当たり!?)だ…だがどんな損傷だろうと…今に修復し…」

「どどーん!!」

「あがあっ!?」

修復する暇を与えないスパロウモンの突進。

大輔もネネの言葉が正しかったのだと思い始めた。

「なる程…単純だけど…あれは効くな…スパロウモンってデジモンの超高速スピードを活かしたヒット&アウェイ…あれならウェディンモンの再生能力は関係ない…再生する前に吹っ飛ばされるからな…」

大輔は腹を押さえながらゆっくりと立ち上がった。

「あら?横になっていても良かったのよ大輔君?」

「そうはいきませんよ」

「あははははー!凄い凄ーい!!どんどん元に戻ってくや!!これならどんどん壊せるねーっ♪クラッシュ・ブーム!!」

「ぐぶえええええっ!!?」

分身が見えるほどのスピードで体当たりを喰らわせ、リバース・ウェディンモンを沈めた。

「何てスピードなの…?究極体でもこれほどのスピードを出せる奴なんかどれくらいいるか…」

テイルモンはスパロウモンの圧倒的とも言えるスピードに目を見開いた。

「あがっ…がっ…(さっ…再生が追いつかないっ…!!)」

再生が完了する前に攻撃を繰り返し受けたことでリバース・ウェディンモンも限界が来た。

「ちょ…ちょっとやり過ぎじゃねえか?」

いくら自分達を騙したとは言えスパロウモンの容赦のない猛攻にスターモンは思わず呟く。

「(あらあ…?何か旗色悪いわねえ、色々使える娘だと思って飼ってたけど…戦闘じゃこんな物かしら?)…まあ…可愛い女の子のジェネラルまで出て来て何だか楽しくなってきたことだし…私も少し遊んであげようかしら…♪」

力を放出するリリスモン。

その放出されているその力の質にテイルモンは戦慄する。

「こ、こいつ…もしかして暗黒系の究極体級…!?ヴェノムヴァンデモンが霞んで見えるわ…!!」

「(高みの見物してたリリスモンまで動き出しやがった!こりゃいよいよ脱出の算段しといた方がいいかもな…)」

ドルルモンが脱出するのを視野に入れ始めた時、ネネのXローダーから声が響く。

「私も出ようネネ。三元士が相手では流石にスパロウモンでも分が悪いだろう。」

「いいのね…?」

「我らチームトワイライトもそろそろ御披露目の頃合いだろう?ここは派手に行こうじゃないか!!」

「…分かったわ」

「!?何だ…?あいつまだ何かやるつもりか…?」

「リロード…!!ダークナイトモン!!」

闇から現れたのは漆黒の騎士型のデジモン。

リリスモンが咄嗟に魔法陣の盾を展開するが、ダークナイトモンは槍による連続突きで魔法盾を容易く粉砕した。

「(安い魔法盾じゃ防げない…私の知らないこんな強豪が…?)」

「な、何よ…あの…どす黒い力の塊みたいな奴は…」

神聖系だからかダークナイトモンの内包する力を本能的に察したテイルモンの身体が震える。

「フハハハハハハ!見知り置き願おうか!!来たるべき闇の時代の覇者…!このダークナイトモンの名をっ!!」

「滅茶苦茶極悪そうな奴だな…」

大輔がダークナイトモンとリリスモンの戦いを見つめながら呟く。

実際にその感想が間違っていなかったことを知るのはそう遠くなかったりする。

「ツインスピア!!」

槍による連撃を叩き込み続けるダークナイトモンに対してリリスモンは再び展開した魔法盾でそれを防御する。

「(私を防戦一方に追い込むなんて…こんな魔王クラスの実力者が今までバグラ軍の情報網を逃れて身を潜めていたと言うの?)ふふ…ごめんあそばせ?デジタルワールドの名士の方々とは概ね顔見知りのつもりだったのですけど…どちらの田舎貴族様でしたかしら!!?」

リリスモンが毒爪で反撃するが、ダークナイトモンはそれを難なく捌く。

「フハハハッ!?そうですな…地獄の野辺から来たとでも申しておきましょうか!!」

ダークナイトモンが高笑いしながら言うと、リリスモンは舌打ちする。

一方でスパロウモンとリバース・ウェディンモンの戦いも終わりを迎えようとしていた。

「ギュルルーン!ランダムレーザー!!」

「あがっがががががあっ!!?」

スパロウモンのレーザーを受けたリバース・ウェディンモンが感電し、完全に戦闘不能状態に。

「(意外と脆かったわね…能力は強力だけど、戦いに慣れたデジモンじゃなかったということかしら…)」

「あれれ?もう動かなくなっちゃったよネネ」

「そうね…さっさととどめを刺してしまいましょう。」

「ヒイイッ!!?わっ…分かったわ!コードクラウンは渡すからっ…!!な…何ならリリスモンの代わりにあなた達にスイーツを納めても良くってよ!!?」

「ちょ…ちょっと!?何、ナチュラルに裏切ってんのよあの娘っ!!」

リリスモンがリバース・ウェディンモンを見遣った時の隙を突いて攻撃を浴びせるダークナイトモン。

「ははっ!余所見はいけないなあ、御婦人!!私というダンスの相手がいるではないですか!!」

ダークナイトモンが槍をリリスモンに突き出す。

それをリリスモンは右手で掴むと華奢な体からは想像もつかないような怪力でダークナイトモンを投げ飛ばした。

「!ムオッ…」

予想外のことに対処出来ずに勢いよく叩きつけられるダークナイトモン。

「あ゙ーー~~っ…坊や?ちょっと調子に乗り過ぎじゃあないかしら…お姉さん、おいたする子は好きじゃないなぁ…」

闇の中から出現するのは巨大な醜い異形の腕。

「エンプレス・エンブレイズ!!」

「うおおおおおおお!!?」

異形の腕がダークナイトモンを押し潰そうとするが、ダークナイトモンは間一髪でその腕の一撃をかわす。

「なっ…何てぇ戦いだ…」

「本気を出してきたわね三元士…こいつを始末しなさいスパロウモン。私達も加勢に回った方がいいかもしれないわ。」

「ヒッ…」

「待ってくれ、ネネさん!!こいつはもう戦えない、降参だってした。わざわざとどめを刺さなくてもいいだろっ!!」

ネネに歩み寄りながら大輔はとどめを刺させるのを止めさせる。

「ふふ…優しいのね大輔君。でも駄目。一度誰かを裏切って傷つけた者は何度でも裏切りを繰り返すものよ?自分が誰にも信じてもらえないことにいつも怯えているから…他者からの信頼を守り通すことに……価値を見いだせないのよ…」

「(…何でそんな寂しそうな顔で言うんだよ…)でも、駄目だ。この世界には始まりの町がない…死んだらそのまま死んじまうんだ。確かにウェディンモンは俺達を騙したさ、でも…」

大輔はリバース・ウェディンモンを庇うように両者の間に立った。

「ウェディンモン達は誰かを傷つけようとしてやろうとした訳じゃない。俺達を倒したいならリリスモンの言う通りに毒を菓子に混ぜりゃあ良かったんだ。けどそれをしなかったのはウェディンモン達が菓子作りに誇りを持ってたからだ!!俺も菓子じゃないけど、ラーメン屋になるって夢がある。だから分かるんだよウェディンモン達の気持ちが…!!あんなに滅茶苦茶美味いケーキや焼き菓子を作れたんだ。それだけ好きなんだよ菓子作りが…自分達のゾーンをバグラ軍に明け渡してまで作ろうとした大好きなお菓子に…あんな毒なんて入れたくねえよな…!それにウェディンモンはスイーツゾーンのデジモン達の上に立つ奴として何も間違ったことはしてない!!菓子作りだけじゃない…スイーツゾーンを守るために…スイーツゾーンに暮らすデジモン達を守るためには、そうするしかないじゃないですか!!」

「彼らのお菓子作りに対する気持ちが純粋なのは理解出来るわ。でもそれは嘘や裏切りが許される理由にはならないのよ大輔君」

「分かってます。でも、ウェディンモン達は菓子作りに凄え誇りや夢を持ってるんです。俺もいつか美味いラーメンを作って、沢山の人に食べてもらいたいって夢に誇りを持ってる。だから…俺は絶対に退かない!!」

「!大輔君っ…」

「なっ…何だよお前っ!!ネネを困らせるようなこと言うなっ!!」

大輔の言葉に反感を覚えたスパロウモンは構わずリバース・ウェディンモンに突撃しようとする。

「そいつは敵だっ!そんな奴がどうなったって関係ないだろっ!!」

「スパロウモン!」

スパロウモンを止めるために大輔はテイルモンに指示を出す。

「テイルモン!!そいつを止めてくれ!!」

「全く、仕方ないわねこのお人好しは!!キャッツアイ!!」

「え!?」

テイルモンのキャッツアイで動きが停止したスパロウモン。

「ブイモン!!今よ!!」

「おうっ、お任せ!!」

「スパロウモン、お前は確かに強いデジモンだよ。でもお前の強さは圧倒的なスピードがあってこそだ。そのスピードが封じられたお前は…そこらの雑魚とてんで変わらないんだよ!!喰らえ、ブイモンヘッド!!」

落下の勢いをプラスした頭突きはスパロウモンの脳天に炸裂し、地面に叩きつけた。

「ブイモン、テイルモン!!そいつを抑えてくれ…」

「痛てて…この、放せ!放せよ!!」

「放せと言われて放す馬鹿がいるわけないでしょ!!」

「放したら何をするのか分かってるからな!!」

ブイモンとテイルモンがスパロウモンを抑え込む。

「(やれやれ!子供達は暢気なものだっ…こちらはそんな常識の通じない怪物の相手をしているというのにね)ぬうん!!」

肩のブレードで異形の魔獣を引き裂いたダークナイトモンは即座にリリスモンの方を見遣るが、リリスモンの姿が見えない。

「(!?リリスモンは…)」

闇に紛れ込んで、ダークナイトモンの死角を突き、毒爪を向けるリリスモン。

ダークナイトモンは何とかリリスモンの接近に気付き、槍を突き出すが。

「むうっ!!」

互いに距離を取ると、リリスモンの毒爪を受けた左腕から煙が出る。

「(!っ…いかんなこれは)」

ダークナイトモンは片手で印を結ぶと即座に毒爪を受けた左腕を切り落とす。

「わっ!?何だこいつ自分の腕を…!!?」

シャウトモンがダークナイトモンが切り落とした腕を見たのと同時に、切り落とした腕が腐り溶けた。

「ひえーっ!!」

「く…腐って溶けちまったぁ!!?」

スターモンとシャウトモンが腐り溶けていくダークナイトモンの腕を見て後退する。

「(あらゆる物体を腐食する魔性の毒爪、ナザル・ネイル…もう数瞬処置が遅れれば、全身を蝕まれ命はなかった…!!やはり怖い相手だ三元士とは…この私が片腕と引き換えに報い得たのが…)」

リリスモンは右手で左の頬に触れていた。

あの時のダークナイトモンの槍が掠っていたのだ。

「きっ…傷っ…わっ…私の顔にっ…傷をっ…!傷をおおおおおお!!!!」

激怒したリリスモンの力が暴走を起こし、暴走した力は時空を裂いた。

「何!?」

「うわわわわ、何だあっ!!?」

「身体が引っ張られる~っ!!」

「や…奴の怒りが時空を裂いたのか!?」

「あ…あれに飲み込まれたら帰って来れませんわよ!!」

「というか…放っておけばこのゾーン全体が吸い込まれて消滅するな。」

「嘘おおん!?」

ダークナイトモンの言葉にシャウトモンは驚愕する。

「やれやれ…女のヒステリーは怖いものだがここまでくると…」

怒りを発散して正気に返り、リリスモンは自分の生み出した歪みを見つめる。

「(いやん!!私ったら何時の間に爆発してた?またゾーンを消滅させちゃって…皇帝陛下に怒られちゃう~!!ま…まあ…いっか!厄介そうな敵を始末出来ることだしね!コードクラウンは後で拾いに来るとして…美人の血でも吸いに行こっと!)」

リリスモンは巻き込まれないうちにこのゾーンから脱出した。

そしてブイモン達に抑えられているスパロウモンは…。

「ああもうっ!放せよ!!」

「だああもう!!暴れるな馬鹿!!」

「落ち着きなさい馬鹿!!」

「スパロウモン、今はあの時空の裂け目を…」

「うるさいうるさいっ!!ネネを困らせる奴の言うことなんて聞けるかーっ!!」

スパロウモンが光線銃を放つが、大輔達だけでなくスパロウモン自身も喰らい、時空の歪みに吸い込まれていく。

「だ、大輔!!ブイモン!!テイルモーン!!」

何とか起き上がった賢が時空の歪みに吸い込まれる大輔達を見て叫ぶ。

「ス…スパロウモン!!」

ネネも時空の歪みに吸い込まれていくスパロウモンを見て叫ぶ。

「くっ!」

ブイモンは咄嗟に近くにいたテイルモンの手を掴み、アカリに投げ渡す。

「ブイモン!?」

「俺達は帰る!!必ずな!!」

そして大輔達は時空の歪みに吸い込まれた。

「くっ…いかんな。このままでは我々も…!!」

ダークナイトモンは印を結び、マントに複雑な魔法陣を浮かばせる。

「むんっ!!」

ダークナイトモンが時空の歪みを自身の魔力で覆うと、流れが止まる。

「流れが止まった…時空の歪みを力で抑え込んだのか…?」

賢は時空の歪みとダークナイトモンを交互に見遣りながら呟く。

「何をするのダークナイトモン!?」

「時空の裂け目を閉じる!全く…こんな所で蓄えた魔力を消費してしまうとはとんだ計算違いだよ」

「!」

「ま…待てよ!!今閉じたら吸い込まれた大輔達はどうなるんだよ!?」

それを聞いたタイキが慌てて立ち上がる。

「大輔…!!」

賢は大輔が吸い込まれた時空の歪みを見遣り、何とかするために考えを巡らせるのである。 
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