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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE172 遂に決着・・・負ければゴミ・・・・・・

キマイラと化したカレラが闘技場を俊敏な動きで駆け回りながら火炎放射を吹いてくる。俺は攻撃の直撃を回避する為にカレラから再び逃げようと走るが、向こうの方が速いためそれは困難を極める。

カレラ「らあぁぁぁぁ!!」

俺「また、来やがった……!」

そして俺の動きを制限していたカレラが唸り声のような雄叫びを上げながら猛突進し、大きな口を開きながら迫って来ていた。
あの牙で食いつかれたらほぼ詰むだろう。確実に回避する為に俺はカレラの背後に視線を移しワープビジョンを発動し瞬間移動。
その場所に出現すると同時にカレラの背後を取り攻撃を仕掛けるが――

カレラ「二度も同じ手を食らうかぁぁぁ!!」

俺「げっ――――!」

が、カレラはすさまじい跳躍力で前方にジャンプをして、俺の背後からの攻撃を避けていた。俺はこのデュエル中にすでに何度もワープビジョンを使ってMPをだいぶ減らしている。
だが一方で、カレラの方もビーストスタイルによる変身を持続している事でMPを消耗している事からか、変身が解ける前に決着を付けたいところだろう。

カレラ「じれったいっ!!」

今度は火球攻撃だった。俺に背を向けていた態勢だったので頭部を後ろに向けて、大きな口から火球を放ってきたので、その軌道は若干ズレており、俺はその場で瞬時にしゃがみ込む事で火球の直撃を回避していた。

カレラ「クッソォォォ!」

やっぱりだ――明らかに焦り始めている!俺もカレラも残りのHPは残り50%強程度になっているがMPは最早枯渇が近い状態だろう。
そして、お互いにMPを消耗しきり、俺はワープビジョンを、カレラはビーストスタイルを使えない状態で戦えば優位なのは―――

俺「どーやら、勝算が見えて来たかもな!」

カレラ「ほざけっ!」

再びカレラの迫力感溢れる猛突進で俺に迫って来る。勝機は見えたかもしれないが、奴がキマイラの姿でいる間は全く油断ならない……!
大口を開けて再び噛みつこうとしてくるカレラに対して俺は左に垂直に飛び跳ねて、着地と同時に一回転……当然カレラはスグに追撃を仕掛けてくるはずなので、休む間もなく一回転の直後にその勢いで立ち上がり、背後から飛び掛かって来るカレラに捕まらないように、その場で垂直に最大限のジャンプをした。
このデュエル大会では飛行が出来ない為、このまま空を飛び回って逃げ続ける事が出来ない以上、俺が考えられる最善の回避手段だった。

カレラ「そんなんで逃げられるかぁぁぁ!!」

俺「やっべぇぇぇぇ……!」

カレラも飛び上がり、巨大な口を最大限に開けて食らい付いてくる。互いに宙に浮いた状態のまま―――俺は納刀術ソードスキルの単発技の裂震虎砲(れっしんこほう)を放ち、獅子の形の闘気をカレラの頭部に直撃させるが―――

カレラ「まだだぁぁぁ!!」

俺「なにぃ……!」

確かにその一撃でノックバックが発生したのだろう……カレラの頭部が獅子の闘気で殴りつけられた様に捻ったのだったが、持ち前の耐久力で耐えきったカレラは再び口を大きく開けて、そのまま俺に食らい付く―――ついに捕まっちまった!こうなりゃもうあと一発何とか発動出来そうなワープビジョンで逃げるしかない……俺がそう考えてカレラの左前脚が俺の顔面を覆いつくす前に瞬間移動しようとした時だった。

カレラ「うわ――――!」

俺「――――――っ!?」

唐突にカレラは悲鳴にも見た叫び声を上げると同時に、俺を口から放していた。急にどうした―――と、思った矢先カレラの身体が閃光に包まれたかと思うと―――

カレラ「くそぉ……後ちょっとってところで……!」

俺「そうか……もうビーストスタイルは使えないって事だな」

カレラの姿は四足歩行のキマイラの姿でもなければ、巨躯の獣人とでも言うべき、二足歩行の猛獣でもなくなっていた。
そこにいたのは元の――小柄なケットシーの姿の少女に戻ったカレラだった。


ビーストスタイル……完全解除!変身中は常時MPを消耗し続けるビーストスタイルは、そのデメリット故に長期戦には不向き……!故にカレラはデュエルが長期化する事を警戒し、MPが残っているうちに決着を付ける事を目論んでいたのだが、この最後のデュエルはオズマもそれに気が付いている為に比較的回避寄り、防御寄りな戦い方をしていた為か中々仕留め切る事がならずついに……カレラはビーストスタイルのまま勝負を決める事が出来ずに元の姿へ戻ってしまっていた!! by立木ナレ


俺「ようやく、らしい姿に戻ってくれたな……まあ、俺もワープビジョンはあと一回が限度なんだけどな」

カレラ「そんな……これじゃ、どうやって!」

本来の姿に戻った彼らの表情から伺えるのは絶望すら感じさせる焦りの表情だった。当初からビーストスタイル頼みで勝つつもりだったのだろう――故にそれを失った状態で俺と戦う手段を見い見いだせないのかもしれないが、俺もここで容赦してやる事は出来ない。

俺「決まってんだろ……お互いに素の力で……種族専用の結晶スキル無しでやるっきゃな!」

俺は動揺しているカレラに対して早速全力のダッシュで襲い掛かり、その勢いでジャンプして飛び掛かりつつ鞘から引き抜かれた剣を振り下ろした。

カレラ「―――っ!!……くっそぉぉぉ!」

俺「なんだよ、普通に強いんじゃねぇか?」

カレラは勢いを付けた俺のジャンプからの飛び掛かりの降り下ろしを刀で迎え撃っていた。両手で持っているだけあり、右手だけで振り下ろした俺の片手剣では押し切る事は敵わず、カレラは慌てふためいたまま刀を振り払っていた。

俺「っと―――!」

危うく俺の片手剣が払い除けられそうになり、俺は右手の剣を離さないように強く握りしめていた。すぐにカレラは両手に握ったままの刀を大きく振り上げて俺に斬りかかって来る……あれは刀ソードスキルだ確かあれは3連撃技の――

カレラ「くたばれぇぇぇ!!」

俺「緋扇(ひおうぎ)だったか……!」

カレラは上下の連撃から、更に拍溜めてからの突きを放ってくる。俺は上下の連撃はソードブレイカーで辛うじて裁き、防ぐが、その直後に放たれた突き攻撃は俺の肩を直撃し鋭く貫かれていた。

俺「けど、次は俺がぁぁ!!」

カレラはソードスキルの発動直後の硬直で一時的に動けない、俺は右肩に鋭く貫かれた刀のダメージを受け続けつつも、それ以上のダメージをカレラに追わせるべく、単発重攻撃ソードスキルのヴォーパルストライクを発動した。
左手を前にかざし右手の剣を肩の上に大きく引く構えから、単発の突きを放つと、俺の剣の刀身の倍以上の射程に匹敵するほどの赤い光芒が発生し、ジェットエンジンの音のような効果音と共にカレラの小さな腹部を貫いていた。

カレラ「うわぁぁぁっ!!負ける……負けちまう……負けたらゴミ……負けたらゴミ見てぇに扱われる……そんなのは……そんなのはもうっ!!」

俺「まだやるってか!?」

カレラは俺のウォーバルストライクによって腹部に突き刺さった剣を強引に引き抜き、もはや残りケージに殆ど残ってない極僅かなHPの状態と化した状態で刀を俺の右肩から引き抜くと同時に薙ぎ払いを放ってきた。

俺「うわっ!?」

咄嗟に左手のソードブレイカーで防いだかに思えたのだったが、予想以上の渾身の勢いの薙ぎ払いは俺のソードブレイカーを呆気なく弾き飛ばし、俺の左手から離れてしまった。

カレラ「まだだっ!まだ戦える……!まだ、まだまだまだまだまだぁぁぁぁぁぁぁ!!」

俺「…………」

正直予想外だった。俺とカレラの実力差じゃ、カレラのビーストスタイルが解けた時点で勝敗は早急に決するだろうと思っていた―――だが、目の前のカレラはまるで自分の存在――SAOで志半ばで散って行った兄を含む仲間達の無念を背負って戦っているかのような……そんな執念染みたような物がカレラの力となり、俺との力の差を埋めて戦い続けさせているんじゃないかと錯覚させるほどだった。

そして、カレラはその場で垂直にあり得ぬほどに高いジャンプをすると、そこから更に身体を捻っていた。
あの高いジャンプからの身体の捻りはやはり刀ソードスキル……旋車(つむじぐるま)か……!

カレラ「終わりだぁぁぁ!!」

あのまま着地すれば、その瞬間に360度の広範囲の薙ぎ払いが俺を巻き込むだろう。左手のソードブレイカーが失われた状態では右手の片手剣だけで対処するしかないが、それが上手くいく確証は定かではない。

俺「俺も、これで終わらせる……!」

上空から落下してくるカレラに対して俺は上段突進技のソードスキル、ソニックリープを繰り出した。最大10メートルの突進は真上方向に向けて突進する事も可能で、落下してくるカレラと真正面から迎え撃つ事になる。

カレラ「負けたら……ゴミ……なんだ……」

俺のソニックリープがカレラとすれ違うかのように――脇腹を僅かに掠めたが……残りのHPバーが僅か数ドットも残っていなかったカレラにとってはそれが命取りだったんだろう。
カレラの悲痛さを交えた言葉はそこで区切られ――そして途切れ――小柄なケットシーの少女の身体はエンドフレイムへと姿を変えたのだった。

俺「ったく……あんまし俺好みの戦いじゃねぇよな……」

俺は本来はゴリ押し、ワンパターンな戦い方でねじ伏せる事を好むはずなのだが、それはあくまで俺の実力が確実に相手を上回ってこそであり――今回のように相手の実力が均衡していたり、俺以上の腕を持つ相手に対してはそれだけでは通用し難く、不本意ながら策を練ったり――単純な攻撃一辺倒だけではどうにもならない事がある。

まさに――今回の決勝戦、カレラとのデュエルがそうだった。俺の予想を何度も超えるビーストスタイル。そして更に、ビーストスタイルの変身が解除されて以降も俺との本来の実力差などまるで大差ないのではないかと思わせるほどの粘り強さを発揮し――結果的に俺は普段の自分のスタイルである『ゴリ押しワンパ』だけでは勝ち切れないと言う不服な勝利になってしまった。

教祖「決定しました!救済者が決定しました!!」

エンドフレイムとして漂っているカレラにはもはや目もくれず、中に正座の姿勢で浮いたままの教祖はいきなり俺の目の前に現れて、興奮気味に俺を救済者などと称して騒いでいた。

教祖「数多の名デュエルを生み出したSAO生還者たちの血みどろの戦い―――SAOサバイバーバトルを制して無事に救済される権利を得たのはインプ族のプレイヤーにしてワープビジョンの使い手のオズマさんに決定しました……これをご覧になっている皆さん、拍手をしてください」

教祖が両手を広げて、御目出度そうにそう宣言するが、この場にはもう俺と教祖しかいないので、この場にいない誰かが拍手をしていたところで俺には全く聞こえない。

教祖「やはり、最後は強者が敗者を力で捻じ伏せると言う、弱肉強食の結果となりました。所詮弱者は弱者と言うわけでしょうかね……?」

俺「能書きはその辺にしとけよ似非教祖様よ……」

無性に教祖のコメントが鬱陶しく感じた俺は、あろう事か折角優勝した直後だと言うのに教祖を挑発するような言葉を吐いていた。
しまった……!なんて今更思ったところで遅い、教祖の気分如何せん次第では、折角優勝したと言うのにポアされた挙句に優勝を取り消しなんて事になりかねないのに―――


オズマ……優勝の直後に失態!まさに致命的一言!そう……居丈高になるのは決定してから!過程においては徹頭徹尾、頭を垂れ、服従を装った方が利口,こんなことは世渡りの基本も基本大原則なのである!! by立木ナレ


教祖「…………」

俺「…………」

教祖の一変の表情の変化の無さが余りにも不気味に感じる……俺の方を5秒……10秒とじっと見続けたまま、常に微笑みを崩さない教祖だが、その腹の奥底で奴が何を思い、何を考えているのかはまるで伺えない。

教祖「オズマさん……貴方には……」


教祖がオズマに告げる一言とは!? by立木ナレ 
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