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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦士ガンダム
  2267話

 もう1機の機体と比べると、3倍近い速度で移動するというシャアの赤いS型。
 正直なところ、シャアのS型は通常のS型に比べて改修されているのだろうが、その程度で普通のザク、F型の3倍の速度などまず出るといったことはない。
 だが、それはあくまでもF型が性能を十全に発揮している場合の事であり、シャアのS型が他のザクよりも3倍の速度で移動しているのは、その辺も関係しているのだろう。
 ともあれ、シャアのS型は味方のザクを置いてきぼりにして、俺の前に姿を現した。
 ……ただ、機体の制御に問題はないが、一瞬、本当に一瞬だけだったが、間違いなく向こうは動揺したように見えた。
 まぁ、シャアが確認していたMSはガンダムだったのに、ここに来てみればガンキャノンがいたのだ。
 その辺を思えば、幾らシャアであっても動揺するなという方が無理だろう。
 それでも動揺したのは本当に一瞬で、次の瞬間にはこちらに向かってザクマシンガンを撃ってくる。
 あくまでも牽制、もしくは様子見のつもりの一撃だったのだろうが……その程度の一撃、回避するのは難しい話ではない。
 ガンキャノンは装甲が厚く、運動性という点ではガンダムに及ばないが、それでもこの程度の攻撃は容易に回避出来た。
 それに反撃するように……それこそホワイトベースから見てもおかしくないように、低反動キャノンを撃ちつつ、間合いを詰める。
 ちなみにビームライフルではなく低反動キャノンを使ったのは、まだビームライフルをジオン軍に見せたくなかったというのもあるが、最大の理由は低反動キャノンなら命中しなくてもおかしくないからだ。
 そもそも俺が前に出てきた目的は、あくまでもシャアと接触する事であって、撃破する事ではない。
 ……だからこそ、命中率の低い低反動キャノンを使ったのだ。
 もっとも、この武器は基本的に面制圧をするような類の武器で、精密射撃用という訳じゃない。
 そういう意味では、今のままでもあまり問題はないのかもしれないが……それでも、出来れば精密射撃に使えた方が便利なのは間違いない。
 シャアの方も、こうしてこれ見よがしに両肩に大砲を持っているのだから、こちらの攻撃は予想していたのだろう。狙いも適当だった為に、あっさりと回避しながら横に移動する。
 だが……ザクの向かっている方向には前もってその行動を予想していた俺が向かっており……ちっ、それでも距離があって追いつくのが難しいな。
 出来れば接触回線で話をしたい以上、S型を捕まえる必要がある。
 しょうがないか。

「加速」

 精神コマンドの加速を使い、ガンキャノンはこれまで以上の速度で一気にS型に迫る。
 ガンキャノンを開発した者にしてみれば、今のガンキャノンの加速は完全に理解不能だろう。
 一応ホワイトベースにはトレーラーと一緒に行動していた開発者達の生き残りもいるので、それを考えると後で何か聞かれることがあるかもしれないが……まさか、精神コマンドなんてものがあるとは、思いもよらないだろう。
 まぁ、ブライトとかアムロとかは俺がルナ・ジオンの人間、もっと言えばシャドウミラーの人間であると半ば確信しているようなので、もしかしたら……本当にもしかしたら、魔法でMSの性能を上げたという結論に辿り着く可能性は皆無ではないかもしれないが。
 ともあれ、急激に加速したガンキャノンはシャアの乗るS型との距離を見る間に縮め……ガンダムよりも厚い装甲を使い、体当たりする。
 非常に強い衝撃がコックピットを揺らすが、それでも今回の一撃はザクの左腕を破壊する程度に留まる。
 いっそ、コックピットを狙えば一気に潰す事も出来たかもしれないが……まさか、セイラの兄に向かってそんな事は出来ない。
 それに、こうして揉みくちゃになった状態にするのが、最優先目標だった以上、これは最善の結果と言えるだろう。

「シャア・アズナブル」
『……何だね?』

 こうやって言い争っている間にも、2機のMSは絡み合った状態で移動しているのだが……シャアの口調には、そのような焦りを感じるようなことはない。
 だが、その平然とした態度も、俺の台詞を聞けば変わる筈だ。

「何故、月に来ない? お前の妹のセイラは、ジオン・ズム・ダイクンの理想を掲げてルナ・ジオンという国を作った。なのに、その兄のお前は一体何をやっている? 今まで、月に来る機会は幾らでもあった筈だ」
『何っ!?』

 俺の予想通り、シャアは俺の言葉を聞いて動揺した様子を見せる。
 まぁ、連邦軍のMSと戦っていたのに、いきなりセイラの名前が出てきた事で驚くのは当然だろう。
 あ、でもシャアはセイラって名前を知ってるのか?
 もしかして、アルテイシアという名前しか知らなかったりするのかもしれないな。
 ただ、ルナ・ジオンという言葉を聞けば、セイラがアルテイシアを示しているのはすぐに分かるだろう。

「改めて聞く。セイラ……いや、アルテイシアの下に行かないのは、何故だ? シャア・アズナブル。……いや、キャスバル・レム・ダイクン」
『貴様、何者だ!』

 叫ぶシャア。
 まぁ、隠していた自分の事をこうもあからさまに聞かれては、無理もないか。

「イザーク・ジュール……いや、偽名を使っているお前の前で、俺まで偽名を使うのは面白くないな。アクセル・アルマー。ルナ・ジオンを保護国にしている、シャドウミラーを率いている者だ」

 音声データの類は、後で消しておく必要があるか?
 まぁ、アムロやブライトは半ば俺の正体に気が付いているんだから、今更って気がしないでもないが。

『アクセル・アルマー……だと!?』
「そうだ。セイラ……お前に分かりやすく言えば、アルテイシアに協力してルナ・ジオンを建国した人物だな」

 そこまで言ったところでMS2機の動きは止まり、一旦離れる。
 だが、すぐにお互いに向かって真っ直ぐに進み、ぶつかり合う。
 傍から見れば、それこそ今の俺達は格闘戦をやっているようにしか見えないだろう。
 そうしながら、言葉を交わす。

『何故そのような人物がサイド7にいた!』

 間髪入れず出てくる問い。……いや、この場合は詰問と言うべきか。
 シャアの気持ちも分からないではない。サイド7に俺がいるというのは、シャアにとっても完全に予想外の事だったのだろうから。
 というか、正直俺もここで原作が始まるというのは、ちょっと予想外だったし。
 連邦軍が怪しい動きをしているという話だったので、もしかしたらという可能性を考えていない訳でもなかったのだが。

「こっちにも色々と理由があってな。それで、何故お前は月に来ない? 妹を見捨てるつもりか?」
『勝手な事を言うな!』

 俺の言葉が余程気に障ったのか、接触回線で流れてくるシャアの声には強い怒気が籠もっていた。
 ジオン軍のTV番組とかに出る時は冷静な様子を売りにしているシャアだったが、今のシャアにはその片鱗は一切ない。

「どうした? 図星を突かれて怒ったのか?」
『ふざけるな! 私がアルテイシアを見捨てる訳がないだろう! こちらの事情も知らず、勝手な事を!』

 叫ぶシャアは、その腹いせだとでも言いたげに、ヒートホークをガンキャノンの頭部に向けて振り下ろす。
 ザクとは比べものにならない装甲を持つガンキャノンだが、だからといって大人しくヒートホークの一撃を受けるといった選択肢は存在しない。
 ましてや、頭部というのは観測機器を含めて精密機器が多く集まっている場所だ。
 そのような場所をヒートホークで殴られ、カメラの類が壊されるという選択は絶対に避けたい。
 そんな訳で、俺はビームライフルを持っていない左手で、ヒートホークを振り下ろそうとしていたS型の腕を掴む。
 こうして単純な腕力勝負――MSの場合にもその表現が合ってるのかどうかは分からないが――に持ち込めば、S型とガンキャノンでは明らかにガンキャノンの方が上だ。
 ピクリとも動かないS型の腕に、シャアは苛立ちも露わに叫ぶ。

『放せ!』
「そうだな、お前がセイラをどう思っているのか正直に話したら、こっちも放してやってもいいぞ」

 話すと放す、言葉としては同じだが、当然その意味は大きく違う。

『くっ! 貴様、アクセル・アルマー! 一体、何を考えてアルテイシアを誑かした!』
「別に誑かした訳じゃない。ルナ・ジオンの建国については、セイラが自分で考えた事だ」

 言葉を交わしつつ、俺とシャアは近接戦闘を繰り返す。
 次々に放たれるヒートホークの攻撃を回避し……お、ヒートホークだけでは俺を仕留められないと判断したのか、蹴りとか肩のスパイクを使ったタックルまで仕掛けてくるようになった。
 だが、その攻撃もまた、ヒートホークと同様に俺に通じない。
 ただし、一方的にこっちが攻撃され続けているというのは、ホワイトベースから見て不安だろう。
 場合によっては、アムロをこちらに援軍を……

「あ」

 思わず一言呟いてしまったのは、視線の先でシャアのザクと一緒に出撃したと思われるもう1機のザク、シャアに置いていかれたザクが俺とシャアが戦っている場所を避けてホワイトベースに向かったからだ。
 だが……ただのザクでアムロの操るガンダムを相手にどうにか出来る筈もなく……

『そんな、こんな武器、俺は知らな……シャドウミラーじゃあるまいし……少佐ぁっ!』

 接触回線で繋がっているシャアのコックピットを通して、もう1機のザクから聞こえてきた断末魔と共に、そのザクは宇宙に爆発の花を咲かせる。
 アムロの持っていた武器から考えると、恐らくビームライフルか。
 このUC世界においても、ビーム兵器というのはミノフスキー物理学の影響でそこまで珍しい物ではなくなっていた。
 それこそ、ムサイ級を始めとした軍艦なら普通にメガ粒子砲を装備しているし。
 他にも水陸両用MSとか海水とかを利用出来るという事で、ビーム兵器を装備している機体も多い。
 後は……そういう縛りなしではドムが一応、本当に胸部に拡散ビーム砲を装備しているが、それはビーム兵器と呼ぶには威力が弱すぎた。
 そんな訳で、海水とかを全く利用しないようなMS用のビーム兵器となると、ガンダムやガンキャノンのビームライフルが初という事になる。
 とはいえ、ビーム兵器そのものはメガ粒子を使ったのとは別の物だが、既にシャドウミラーで採用されているので、そこまで驚く必要はないのだが。
 ああ、もしかしたらMS開発で遅れている連邦軍がビーム兵器を用意していたというのが、驚きだったのかもしれないな。
 ともあれ、そんな風に考えつつ、俺はシャアとの近接戦闘を行う。

「さて、これで残るのはシャア1人だけになったな。どうする? このまま俺と戦って、そして捕らえられるか?」
『くっ……』

 そうしてS型とガンキャノンが一瞬離れ……その隙を狙っていたかのように――実際に狙っていたのだろうが――ホワイトベースからメガ粒子砲が放たれる。
 だが、シャアはその攻撃をあっさりと回避すると……そのままザクの頭部を俺の方に向け、数秒沈黙した後でこの場から離脱していく。
 それを確認してから、俺はホワイトベースに通信を入れる。

「ホワイトベース、ブライト、聞こえているな? 赤い彗星は逃げたが、どうする? 追うのか?」
『いや、ここで下手に追撃をすれば、向こうに待ち受けられるだけだ。今は一旦ホワイトベースに戻ってくれ。アムロの方もホワイトベースに戻す』
「了解した。……それで、これからどうする?」
『サイド7にまだ幾らかMSの部品が残っている。それと、地面が砕けて落ちたトレーラーも、可能であれば確保したいし、消耗品の補充も必要となる。それに……まだ避難していない者もいるかもしれないしな』

 つまり、すぐにサイド7を出るんじゃなくて、サイド7に戻るという事か。
 まぁ、最終的にルナツーに行くんだろうが、その前に色々と補充しておきたいという思いは理解する。

「分かった、ならホワイトベースに戻るぞ」
『そうしてくれ』

 短く言葉を交わし、通信を切る。
 さて、取りあえずホワイトベースに戻る前に音声データとかが残っていたら消す必要があるな。
 幸い、ガンキャノンの取説は前もって読んでいたし、コックピットとかもある程度ザクとかに似通っている。
 だからこそ、音声データを消すといった事は難しくない。難しくないんだが……ただ、問題なのは不自然に音声データとかが消えていた場合、それをどう思うかだよな。
 ブライトは俺を疑いの視線で見ているから、正直なところ今更って気がしないでもないが……まぁ、そうなったらそうなったで、どうとでも対処は出来る。
 それこそ、いざとなったらメリルと共にホワイトベースから脱出して、月に帰るという方法もあるのだから。
 そんな風に思いつつ、俺はホワイトベースの格納庫に戻るのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1435 
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