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老ガンマンへの心遣い

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第三章

「流石に」
「そやろな、けれどな」
「あのお爺さんの言う通りやな」
「ひょっとしたらってこともある」
 だからだというのだ。
「ここはな」
「あの爺さんにやな」
「ああ、ついていってな」
 そしてというのだ。
「そうしてな」
「一緒にやな」
「そや」
 それでというのだ。
「ついていってな」
「ドラゴンがおったら退治するか」
「多分あの爺さんの願い適えるのがな」
「試練やな」
「ほなその試練達成せなあかんし」
「ここはな」
「あの爺さんに声かけるか」
「そうしよか」
 こう話してだった。
 二人は勘定を払うのを後回しにしてだった、そのうえ老人に声をかけた。
「お爺ちゃん山に行くって?」
「それでそこにおるドラゴン倒すんやな」
「それで仲間探してるんやな」
「それやったらな」
「僕等どないや?」
「仲間にしてくれへん?」
「ふむ、烏天狗の忍者か」
 老人は自分に声をかけてきた二人に顔を向けて応えた。
「見たところそれなり以上の腕の持ち主じゃな」
「色々な術も使えるで」
「そやから仲間にするんやったらな」
「うち等がええと思うけど」
「そうじゃな」
 老人も二人を見て言った。
「わしは忍者が好きじゃ」
「あっ、そうなん」
「それはうち等も嬉しいわ」
 その忍者としてだ、二人は老人の今の言葉に笑顔になった。
「それやったらな」
「丁度ええな」
「共に街を護った忍者がおってのう。数年だけじゃったが」
「その人からなんやな」
「忍者好きなんやね」
「うむ、このハリウッドからテキサスに行ってじゃ」
 そしてというのだ。
「今はそこで探偵をやっておるそうじゃ」
「そうなんやな」
「今は探偵さんかいな」
「そうじゃ、それでお主達がわしの仲間になってくれてか」
「蘇ってきたドラゴン倒そうな」
「一緒にな」
「そうしようぞ、ではこれからパーティーの結成じゃ」
 老人は笑顔で応えた、そしてだった。
 三人でステーキハウスの中でパーティーを結成した、そのうえで勘定を払ってから店に出てだった。
 老人は二人にだ、こう言った。
「お互いに名乗ってなかったのう」
「鈴木忠志や」
「鈴木香菜やで」 
 二人は笑ってそれぞれ名乗った、星の者達であることは隠したかったので名前は変えて名乗ったのだ。
「日本から来てん」
「ちょっと修行で」
「御前さん達何かのう」
 老人は二人の顔を見て首を傾げさせつつ言った。
「星の人達で似た人がおらんか」
「ああ、それな」
「他人の空似やで」
 よく聞かれるので慣れている、それでしれっとこう答えた。
「確かに同じ種族で同じ職業やけど」
「別人やで」
「うち等あの人みたいに可愛くないで」
「あの人みたいに恰好よくないで」
「はははそうか、別人か」
 老人は二人の返事に笑って応えた、そして自らも名乗った。 
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