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ヴァンガードG ネクステージジェネレーション degrade

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Turn:12 繋ぐものたち

 
前書き
ドランを救うためシンガポールに向かうミライ達
訪れた先で待っていたのはかつてユニットとの接触を試みたものたち
ドランを救うための試練に挑むミライ
はたして彼女はドランを救うことが出来るのか 

 
シンガポールへ向かう飛行機の中で光を失ったドランのカードをみつめるミライ
「ねえタイガ、本当にドランを救えるの?」
「ああ、もっとも、俺も江西さんにそう聞いただけでどうやるかは知らねえけど」
「(待っててね、ドラン………きっとあなたを助けるから、そして………)」

Turn:12 繋ぐものたち

以前トコハと訪れたジーテクの研究所を若水の案内で歩くミライとタイガ
ある一室にたどり着くとそこには先客がいた
「連れてまいりましたよ」
そこにはクロノとクリス、そしてファイトテーブルの前に立つ二人の男性が
「明神さん!?」
「おじいさま!?」
そこにいたのは明神リューズ、そしてミライの祖父、新導ライブだった

「アルシャでアタック!」
「くっ」
トレイリングローズにアルシャの放った光が襲い掛かりミライのダメージに6枚目のカードが置かれた

「ファイトによってドランを連れ戻す、か、本当にそんなことできるんですか?」
「前例がある、以前根絶者が現れた時にもあるユニットが冥界へ落されそうになり、ファイトを通じて救い出した」
「それにはユニットとの強い絆が必要だが………ミライなら問題ないだろう」
「けど………」

「全智竜 アーヴァンクでアタック!」
「うっ」
もうすでに数時間立て続けにファイトして一度も結果は出ない
「デッキの主軸となるカードが失われて、サブデッキのネオネクタールでファイトしてるって言っても」
「あれだってミライのデッキだ、力が足りないわけじゃない」
「とはいえ、ミライの動きは堅いね………少し休憩にしよう」

「ふぅ」
「ヴァンガードの楽しさ、思い出せたんじゃなかったのか?」
大きく息を吐きながら座り込むミライにタイガが声をかける
「もちろんわかってるわ、けど、ドランを取り戻すためだと思うと緊張しちゃって」
「お前でも緊張することあるのな」
「ん!?」
タイガの言葉にカチンと来たらしいミライがムッとする
「そう堅くなるな、いつも通りやれば勝てない相手じゃない」
豪快に笑いながらミライの横に腰かけるライブ
彼女の肩に手をまわして抱き寄せると頭をなで始めた
「大変だったなぁ~、ミライ~、おじいちゃんはお前のこと信じてるからなぁ~」
「こらバカおやじ、ミライが困惑してるだろ」
いきなり抱き寄せられてびっくりしているらしいミライはライブの腕の中で目をぱちぱちさせていた

「ったく、そんなに孫が大切ならうろついてばっかいないでたまには帰って来いってんだ」
「あー、びっくりした」
ようやく解放され気持ちを落ち着かせるミライ
「不器用なんだよおやじは、昔似たようなことがあったときも………」
愚痴を始めたクロノに苦笑するミライとタイガ
「根絶者の目的はこの世界の命を消去して自分たちの世界に書き換えること」
真剣な表情で告げられたクロノの言葉にミライとタイガは目を見開いた
「ここはな、惑星クレイへと渡るためのプロジェクトの実験室だ、惑星クレイとのつながりが出来ていて互いに干渉しやすくなっている、だからこそここでファイトする意味があるんだ」
「ねえ、お父さんの時はどうしたの?」
「ん?つっても根絶者と戦ったのは俺じゃないしな………まぁ、一言で言うなら………絆だ」
「絆………」
ドランを喪ったギアクロニクルのデッキを見つめるミライ
「私とドラン………それに………よし!」
何か覚悟を決めたのか立ち上がったミライ

「「スタンドアップ!ヴァンガード!」」
ペンシル・コアラとクロノ・ティガーが惑星クレイで対峙する

「あれってタイガのデッキだろ?何でミライが………」
「あいつにも考えがあるらしいですよ」

「(ごめん、クロノファング、ちょっとだけ私に力を貸して………)」
ドランとの絆を取り戻すためにはやはり同じクランのデッキを使うべきと考えたミライはタイガのデッキを借りた
「遠慮はするな」
そんなミライの脳裏にクロノファングが語り掛けてきた
この部屋の影響にあるためだろうか、カードを通してクロノファングやほかのユニットたちの声を感じることが出来た
「私にとってもお前は十二支刻獣の先導者、それに………」
罪の意識が残るクロノファングに語り掛けてくるドランの姿が彼の脳裏に浮かぶ
「ドランを助けたいのは、お前だけではない………」

「クロノタイガー・リベリオンでアタック」
「完全ガード」
ケーブル・シープによってリベリオンの攻撃が受け止められる
「スチームテイマー・ナニのスキル、バインドゾーンからスペリオルコール、アタック!」
ナニが勢いよくアルシャに飛び掛かる
その攻撃が決まってリューズのダメージゾーンに6枚目のカードが置かれた
「やった………」
疲れ切ったミライが勝利を実感し拳を握っていると懐にしまっていたデッキが光を放っていることに気が付いた
ミライがそのデッキに触れると光が彼女たちを包み込んだ

「ここは………」
気が付くとミライとタイガはどこかの遺跡のような場所に立っていた
「確かファイトに使うフィールドの中にこんなところが………」
「そう………ここは惑星クレイ、ダークゾーンの遺跡」
二人に語り掛けてきた声
振り返るとそこにはクロノファングとクロノ・ドランが並び立っていた
「ドラン!よかった、無事だったのね」
「ミライ、君との絆のおかげで僕は根絶者の力から逃れることが出来た、ありがとう、タイガ、クロノファング、君たちにもお礼を言わなきゃならない」
「俺はちょっと手伝っただけだ」
「我も当然のことをしたまで」
二人の言葉にドランは嬉しそうに頷く
「本当なら君たちをクレイの事情に巻き込みたくはなかった、けれど根絶者の計画はもう後戻りできないところまで進行している、何としても止めなければならない」
「任せて!今度はもう迷わない」
「俺も力になるぜ」
「ありがとう、ミライのユニットとの強い絆、そしてタイガ、クロノファングによって命を与えられた君の力ならできる、2度と使うまいと決めていたあの力が」
「あの力………」
困惑するミライに対してクロノファングが口を開いた
「ディメンショナルオーバーストライド、ユニットとファイターの力のすべてを引き出す奇跡の力………かつてお前の父、新導クロノもこの力を成し遂げ、2つの世界のつながりを正常化した」
「そのためにもミライ、前に封じた君の力を解き放つ、僕も僕自身のすべてをもって君とともに戦うよ………」

「あっ!」
再び気が付いたミライの手には新たな姿へと変わったクロノ・ドランのカードがあった
「これがドランのすべて………」
「クロノ・ドラン・Zか………」
いつの間にか隣に来ていたタイガがそのカードをのぞき込む
「タイガ、協力して、ドランの全力にこたえるためにもデッキを見直しておきたいの」
「ああ、わかった」

こうして新しいデッキが完成したミライ
根絶者と戦うべく決意を新たにする
「なら、その力をさっそく試してみるか」
そういってデッキを構えるライブの姿
「ええ、お願いします、おじい様」
「俺も全力で行く、ミライ、お前も全力で来い」

「ああっ、出遅れた………」
「クロノさん………」
デッキを手にミライに声をかけようとしたクロノだったがライブに先を越され肩を落とした
そんな彼に苦笑しながらも肩を叩いて励ますタイガ
「「スタンドアップ!ヴァンガード!」」 
 

 
後書き
次回予告
「本音いうと俺もまたドランに会いたかったんだけどな」
「まあまあクロノ、この戦いが終わったらまた研究に励めばいいさ」
「長い道のりだな」

turn:13 新導ライブ

「親父もきっと大変だったんだろうな」
「お?今になって父親の苦労が分かったのかい?」
「だが抜け駆けしたことは許さん」 
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