星河の覇皇
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第六十九部第三章 謀略の始動その十九
「そうして話をしたい」
「では、ですね」
「我々はですね」
「それぞれ昼食を摂る」
「その様にですね」
「午後もだ」
バールは昼食の後の時間のことも話した。
「君達は別の部屋で仕事をしてもらう」
「わかりました、では」
「その様にです」
「させてもらいます」
「その様にな、ではな」
ここまで話してだ、メニューの話もしてだった。
バールは昼は自身の執務室に留まった、すると昼になるとすぐにだった。大柄な連合軍大将の軍服を着た赤毛の黒人が来た。
その大将はバールに敬礼してだ、自ら名乗った。
「高等参事官アイグ=ニカワ大将来ました」
「うむ、よく来てくれた」
微笑んでだ、バールはニカワに応えた。
「それではだ」
「はい、ここでですね」
「話をしたい、食事をしつつな」
「わかりました、それでは」
「早速話をしよう」
こう言ったところでだ、部屋に多量のサンドイッチが運ばれて来た。そして。
そのサンドイッチを食べながらだ、二人は話をはじめた。
ニカワからだ、こうバールに言った。
「今回のことですが」
「貴官を呼んだのは他でもない」
「はい、作戦においてですね」
「謀略を担ってくれるか」
「私がどの組織にどういった謀略を使うか」
「責任者としてだ」
その立場でというのだ。
「行って欲しいが」
「わかりました」
ニカワはバールに即座に答えた。
「それではです」
「受けてくれるか」
「そうさせて頂きます」
「その様にな」
「はい、ただ」
「ただ、か」
「責任者と言われましたが」
ニカワが指摘したのはこのことだった、飲みものである牛乳を飲みつつそのうえでバールに対して話した。
「つまり私が自由にですね」
「そうだ、行っていい」
「責任と共に」
「成功させてもらいたい」
「承知しました」
また言ったニカワだった。
「それでは」
「思う存分やってくれ」
「徹底的にですね」
「貴官には経験があるな」
「謀略のですね」
「ザイール軍に在籍していた時に」
「はい、祖国にいるテロリスト達をです」
こうした輩は常にいる、それもどの国にもだ。自分達の要求を暴力に訴えてでも実現させようという者達はだ。
「掃討した時ですね」
「攻撃を仕掛ける前に彼等を互いに争わせたな」
「偽の情報を流しました」
「それぞれの組織がお互いに攻撃いようとしている」
「そうした情報を流しました」
偽のそれをというのだ。
「そして実際にです」
「争わせたな」
「それから攻撃を仕掛けました」
軍事作戦に移ったというのだ。
「そうしました」
「そうだな、あの掃討作戦はだ」
バールもニカワに返す。
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