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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百九十一話 予言を読んでその一

               第百九十一話  予言を読んで
 八条学園高等部はそれぞれの学科で図書館を持っていて一番沢山の生徒がいる普通科の図書館は一番大きい。その普通科の図書館にだ。
 僕はお昼休みに入った、それで予言の本のコーナーに向かおうとしたら美沙さんに呼び止められた。
「何の本読むの?」
「あれっ、どうしてここに」
「どうしてって義和と昨日と今朝お話してね」
 それでというのだ。
「あたしも本読みたくなってね」
「それでなんだ」
「ちょっと何か読もうと思って」
「この図書館に来たんだ」
「小夜子も一緒よ」
 美沙さんは僕ににこりと笑って話してくれた。
「あの娘もね」
「本を読みたくなったから」
「それでこっちに来てるわ」
 この図書館にというのだ。
「そうしてるわ」
「そうなんだね」
「ええ、それで何の本読むの?」
 僕にまたこのことを聞いてきた。
「三銃士?」
「三銃士じゃなくてね」
 僕はこう美沙さんに答えた、図書館のその中で。
「ノストラダムスをね」
「読むつもりなの」
「ちょっと午前中にクラスで友達と話してね」
 アルトネ君とのそのことを思い出しつつ美沙さんに話した。
「それでなんだ」
「今からなのね」
「うん、ノストラダムス読もうってね」
「それでこっちに来たのね」
「そうなんだ。まあ少し気になったから」
「ノストラダムスっていうと」
 美沙さんはこの日本ではあまりにも有名な人についてこう言った。
「予言者よね」
「一九九九年七の月のね」
「もうそれはね」
 既にとだ、美沙さんは僕に言ってきた。
「とっくに終わったじゃない」
「終わったけれど」
 それでもとだ、僕は美沙さんに答えて話した。
「ちょっと友達とお話して気になったことがあるから」
「それでなの」
「図書館で読もうって思ってね」
「それで来たのね」
「昔ノストラダムスの予言は外れたことがないって言う人がいたけれど」
 これはエドガー=ケイシーでも他の予言者でも同じだ、実際のことはどうかということは置いておいて。
「これはもう後付けだってね」
「わかってるっていうのね」
「だって予言の本ってね」
 それこそ絶対と言っていい位にだ。
「何かの事件は予言されていたって」
「そう書いてるわね」
「そこから色々書くか」
 予言の文章の解釈からこれから何が起こるのかをだ。
「例えば地震があったらね」
「あの地震が予言されていたとか」
「言うからね」
 インチキ宗教家だと適当なことを言ってこれが後で予言だったとか言い出す、まさにそれこそ何でも言えるという話だ。
「だからね」
「もう何でも言えるもので」
「そう言ってしまえば終わりでね」
 それでだ。
「もう一つ気になることがあって」
「ノストラダムスで」
「うん、あの人王様が死ぬことは予言しているのに」
 あの人の本で絶対に書かれていることだ。
「けれどね」
「それでもっていうの」
「フランス革命までフランスのことは予言していないんだよね」
「そうなの」
「どうやらね」
 美沙さんにこのことを話した。
「革命までも色々あったのに」
「あっ、そういえばね」
 美沙さんも僕に言われて気付いた。 
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