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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦士ガンダム
  2259話

 平和な筈のサイド7において、いきなり起きた爆発音。
 だが、その爆発を理解したサイド7の住人達の反応は、それなりに素早かった。
 ここがコロニー……宇宙にあり、ましてや連邦軍の軍事基地が存在し、現在ジオン軍は独立戦争を仕掛けている。
 そのようなピースを揃えれば、それが具体的にどのような意味を持つのか察するのは難しくはない。
 俺に名前を呼ばれたメリルは、素早くこちらに視線を向ける。
 元々戦闘が起きると、前もって言っておいた以上、メリルの行動はサイド7の住人に比べても更に素早いものがあった。

「アク……いえ、イザークさん、どうしますか?」

 メリルが呼んだのは、俺の偽名。
 今の10代半ばの姿で俺をアクセルと呼べば、さすがに俺の顔と名前でシャドウミラーのアクセル・アルマーと結びつける者が出てきかねない。
 かといって、エンデュミオンの鷹、ムウ・ラ・フラガは何だかんだとこの世界でも有名になっている。
 そうである以上、別の名前を使う必要があり……それで選んだのが、イザークの名前だった。
 いやまぁ、イザークの名前を選んだのは特に何か意味があっての事ではないんだが。ただ、何となく選んだだけで。

「そうだな、取りあえず現状を把握する必要がある。……この攻撃を仕掛けてきたのが誰なのか」

 半分……いや、9割9分、ジオン軍の仕業だろうという予想はあったが、もしかしたらという事もある。
 それこそ、俺が考えていたように宇宙海賊という可能性も否定は出来ない。

「分かりました。では、行きましょう」

 周囲で色々と騒いでいる者達もいるのだが、中には即座に避難をしているような者もいる。
 そんな中で、俺とメリルの2人は極めて冷静に対処する。
 現状でまず向かうのは、当然のように連邦軍の基地だ。
 もし本当にサイド7でMS開発をしており、ここを襲ったのがジオン軍であれば、絶対にそちらに向かって攻撃を行う筈なのだから。
 宇宙海賊の類であれば、連邦軍の基地に攻撃するような真似はしないだろうが……そもそも、ここまで大規模な攻撃をするとは、ちょっと思えない。
 ともあれ、そんな訳で連邦軍基地に向かおうとしたのだが、影のゲートを展開するよりも前に、目に入ったものがあった。

「どうやら、やっぱり今回の襲撃はジオン軍の仕業だったらしいな」

 俺の視界に入ってきたのは、ジオン軍の象徴とも言えるMS、ザク。
 それも2機。
 襲撃者がMSを使っているという時点で、今回の襲撃はジオン軍の仕業という事が決定したも同然だった。
 もしかしたら……本当にもしかしたらだが、宇宙海賊が何らかの方法でザクを入手してそれを使っているとか、ジオン軍を脱走して宇宙海賊に鞍替えした奴が襲っているという可能性もない訳ではないが……やっぱり一番可能性が高いのは、ジオン軍だろう。

「そうですね。それで、やっぱり基地に?」
「ああ。……ただ、その前に何かあった時の為に、これを着ておけ」

 そう告げ、空間倉庫の中からパイロットスーツを取り出す。
 こうしてザクが堂々とコロニーの中で、それも連邦軍の基地で暴れている状況を考えると、本気でSEED世界のヘリオポリスの二の舞になりかねない。
 であれば、いざコロニーの外に放り出された時の為に準備はしておいた方がいい。もっとも……

「今の状況でそのパイロットスーツを着るのは、ちょっと難しいかもしれないが」

 それが大きな問題だった。
 基本的に、パイロットスーツを着る時はアンダーウェアとか、そこまでいかなくても身体にピッタリと密着したような服の上から着るのが普通だ。
 だが、今のメリルが着ているのは、周囲から目立たないようにワンピース。
 その上からパイロットスーツを着るのは、不可能……とは言わないが、何気にかなり難しい。
 パイロットスーツの中身は、かなり押し込まれた感じになるだろう。
 だからといって、幾ら混乱している者が多くても、まさかこんな道端でワンピースとかを脱げと言える訳もないし。
 そんな訳で、メリルには建物の陰で半ば無理矢理パイロットスーツを着て貰う。
 一応このパイロットスーツはルナ・ジオン軍の奴なので、連邦軍の軍人に見つかっても、問答無用で攻撃されたりはしない。
 勿論連邦軍のパイロットスーツでもないので、怪しまれる事は間違いないが。
 ……あ、でもそうすると炎獣の護衛は……まぁ、一応ヘルメットを被っていない状況なら、何とか出てくる事が出来るだろう。

「お待たせしました」

 建物の陰から姿を現したメリルは、そのパイロットスーツに身を包んでいるが……やっぱり下にワンピースを着ている為か、微妙な感じがしないでもない。
 身体のライン的な意味で。
 とはいえ、今はまずどうにかこの場を脱出して連邦軍の軍事基地に行くのが先だ。
 サイド7の住人は、それぞれシェルターに向かって既に避難を始めており、多くの者が自分と、そして家族や友人、恋人を助ける為に必死になって動き出していた。
 まぁ、コロニーの中でMSの戦闘が行われているのだから、そのように反応するのも当然だろう。

「よし。銃は持ってるか?」
「はい。ただ、そこまで強力な銃ではなく、あくまでも護身用ですが」

 そう言いながらメリルは掌に隠れる程度の、本当に小さな拳銃を見せる。
 ……うん。まぁ、確かにこの銃だと護身用くらいにしか使えないな。
 殺傷力とかも、そこまで強くはないだろうし。
 とはいえ、見て分かるくらいの拳銃を持ったままで連邦軍の基地の中に姿を現すというのも危険だと考えると、やはりこの場合はこの小型の拳銃の方がいいのだろう。
 それこそ、いざとなば炎獣がメリルを守るのだから。

「分かった。なら、行くぞ」

 そう告げ、俺とメリルは建物の陰に入って、そこで影のゲートに身体を沈めていく。
 メリルの口から少しだけ悲鳴が出たが、今はそんな事を気にしているような余裕はない。
 それに、影に沈んだ次の瞬間には、俺とメリルの2人は既に連邦軍の基地の中に姿を現していた。
 真っ先に目に入ってきたのは、軍用車だ。
 バギーの後ろにミサイルポッドを積んだその車は、連邦軍の基地の中をザクマシンガンで破壊しているザクの1機に向かって有線ミサイルを撃つ。
 だが、ザクマシンガンによってあっさりとミサイルは空中で爆発する。
 有線ミサイルというのは、ザクにしてみればそこまで大きな標的ではない。
 それをザクマシンガンで壊す事が出来たというのは……実力なのか、単純に運が良かっただけなのか。
 そのどちらなのかは分からなかったが、連邦軍の基地でザクが暴れているというのは変わらない。

「こっちだ」

 このままここにいれば、俺はともかく生身のメリルはザクの行動によって破壊された建物の破片や何かによって怪我をする可能性が高いので、一旦その場から退避する。
 メリルの手を握りながら、基地の中を走る。

「アクセル代表、どこに行くんですか?」

 イザークという偽名を口にする余裕もないのか、そんな風に叫んでくるメリルに俺は少し離れた場所にある倉庫に視線を向け、口を開く。

「取りあえずあの倉庫はまだ攻撃を受けてないし、ザクが攻撃をするにしても、あそこまで来るには若干の時間がある筈だ」

 そう言い、一瞬だけ後ろを向く。
 そこでは何台もの軍用車やバイク、場合によってはバズーカを持った歩兵までもが、ザクに向かって攻撃を仕掛けている。
 ただし、その攻撃の殆どは一切の効果がなく、連邦軍側の被害は加速度的に増えていたが。
 ただ、それは無駄な抵抗という意味ではない。
 実際、地球では対MS用の歩兵とかもいるらしいし。
 とはいえ、ゲラートから入ってくる情報によると、その損耗率はかなり高いらしい。
 ……歩兵でMSに対抗するのだから、当然かもしれないが。
 ともあれ、目的の建物に入ると……どうやらそこは倉庫だったらしく、軍用のバイクが置かれていた。
 出来ればここにMSがあれば話は早かったんだが、そう都合良くはいかないという事だろう。

「取りあえず、足が出来ただけでもよしとするか。……鍵もあるし」

 見た目としてはレトロな……それこそ化石燃料で動くようなバイクだが、コロニーの中で使われている以上、当然のようにこのバイクもエレカのように電気が動力源となっている。
 エレカに習って、エレバとでも呼ぶべきか?
 ともあれ、影のゲートで移動すると途中に何があるのかといったのを確認する事は出来ない。
 そういう意味では、やはりこのバイクでMSを探して回るのが最善の選択だろう。
 幸いにして、このバイクは軍用バイクという事もあってか、横に人が乗れるようなパーツ、いわゆるサイドカーと呼ばれている物がついているので、メリルを乗せる場所には困らない。
 まぁ、サイドカーがなければ普通に2人乗りで移動すればいいんだろうが。

「分かりました、行きましょう」

 俺が何かを言うよりも前に、メリルはすぐにサイドカーに向かう。
 少しくらい躊躇うかと思ったのだが、全くそんな素振りがない。
 この辺り、スパイとしての面目躍如といったところか。

「おい、そこで何をしている! ジオン軍が攻めて来てるんだぞ! すぐに……」

 倉庫の中にいた軍人が、俺とメリルに目を付けて何か言おうとする。
 だが、俺はそれを無視して、バイクに跨がる。
 メリルもこのままだと面倒な事になると判断したのだろう。すぐにサイドカーに乗り込んだ。

「ちょっと待て! お前達、連邦軍か? どこの部隊だ!」

 やっぱり面倒な事になったと、俺はそのままバイクを発進させた。
 ……まぁ、私服の俺とジオン軍ではないが、明らかに連邦軍のでもないパイロットスーツを着ているメリルだ。
 普通なら、怪しむのは当然だろう。
 それでも最初に怪しまれる事がなかったのは、やはりザクの襲撃で基地全体が混乱していたからか。
 背後からの声を置き去りにし、倉庫を出て……すると、ザクは予想外な事に、既に倉庫のすぐ側まで迫っていた。
 ここまで近づきながらも倉庫を攻撃しなかったのは、倉庫の中に興味があったからか?
 具体的には、連邦軍が開発中のMSとか。

「アクセル代表、どこに行くんですか!」
「そうだな、取りあえず連邦軍が開発しているMSがどこにあるのかが分かれば、こちらとしても動きやすいんだけどな!」

 かなりの速度で基地の中を走っているので、お互いにある程度大声で言わないと聞こえない。

「でも、MSって一体どこにあるんですか!?」
「それは俺にも分からない……いや、あれだ!」

 ふと、かなり遠くではあるが、走っているトレーラーを見つける。
 シートで覆われているが、それは明らかにMSサイズ。
 ザクに基地を襲われている中で、基地から逃げ出すMSサイズの何かを積んだトレーラー。
 そう考えれば、あれがMSサイズではなくMSであるというのは明らかだろう。
 サイドカーに乗っているメリルも、俺の視線を追ってそこにいる何台ものトレーラーに気が付いたのだろう。
 その目は、外見とは裏腹の鋭い光を宿す。

「アクセル代表!」
「分かってる! 吹き飛ばされないように掴まってろよ!」

 先程まで俺達がいた倉庫が爆発する音と衝撃を感じながら、俺はバイクの速度を目一杯上げる。
 基地の中……それも、現在ザクに襲われている基地の中でそのような真似をすれば、当然のように危ないのだが、幸いにも俺の身体能力があればバイクを操縦するのも難しい話ではない。
 この世界に来てから、何度かバイクに乗ってみたのが役に立った形だな。
 不意に飛び出てくる軍人や、地面に落ちている建物の破片といったものを、半ば身体能力に任せて回避しながら、視線の先にある何台ものトレーラーを追う。

「きゃっ、きゃあっ、きゃあああああああああああああああっ!」

 急に乱暴な操縦になったからだろう。
 サイドカーに乗っているメリルの口からは、女らしい悲鳴が漏れる。
 だが、今は少しでも早くあのトレーラーに向かう必要があった。
 今のところはあのザクにトレーラーが見つかったりはしていないが、もし見つかれば……間違いなく奪取されるか、場合によっては破壊されてしまうだろう。
 そのような事にならないようにする為には、少しでも早く……と、そう考えたところで気が付く。
 もう目的の物が見つかったのだから、別にわざわざ遅いバイクで移動しなくてもいいのではないか、と。
 いやまぁ、普通に考えれば今の俺が操縦しているバイクの速度は決して遅いとは言えないが、俺の場合は瞬動がある。そして虚空瞬動がある。
 そのような真似をすれば、絶対に誰かに見られることにはなるだろう。
 だが、それでも戦場の中であれば、何らかの見間違いになるだろうと判断し……

「メリル、直接運ぶぞ!」

 そう叫び、俺は強引にサイドカーに座っているメリルの身体を抱き寄せると、そのままバイクを蹴って跳躍するのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1435 
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