星河の覇皇
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第六十九部第三章 謀略の始動その八
そしてだ、あらかた食べて最後は。
菓子だった、フルコースで言うデザートだ。その菓子は。
抹茶がありだ、桃と白、黄色で奇麗に彩られた和菓子だった。ドトールはその和菓子を見て目を細めさせてこんなことを言った。
「いつも思いますが」
「和菓子を見てですね」
「はい、食べることがです」
「残念に思う」
「全くです」
「確かにです」
ディカプリオも微笑んで言う。
「和菓子はです」
「あまりにも奇麗なので」
「私もそう思います」
「その通りですね」
「まるで宝石です」
こうも言ったディカプリオだった。
「和菓子は」
「この和菓子にしても」
「はい」
「お饅頭だそうですが」
「とてもそうは見えませんね」
「芸術ですね」
「食の」
素直にだ、ディカプリオは言った。
「そうしたものですね」
「全くです」
「しかしです」
「これはお菓子であり」
「食べるべきものであり」
「しかもですね」
「食べるとです」
ディカプリオは確かな笑みでドトールに言った。
「美味しいです」
「そうですね」
「目で楽しみ」
「そして舌でも楽しむ」
「料理の楽しみですが」
「その中でもですね」
「和食はです」
まさにというのだ。
「お菓子にそれが究極にまで高められていますね」
「日本の菓子職人は芸術家です」
「最高のですね」
「私はそうも思います」
「宝石職人の様な」
「そこまでです」
まさにというのだ。
「それだけのものがありますね」
「全くです」
「では」
「はい、味もですね」
「楽しみましょう」
勿体ないと思いつつもだ、あまりにも奇麗なので。
そうした話もして二人で菓子を口にした、ドトールはその菓子を食べてからそうしてディカプリオに言った。
「上品ですね」
「ただ甘いだけでなく」
ディカプリオも食べつつ応える。
「その味は」
「上品ですね」
「まことに」
「鯉料理も上品でしたが」
「お菓子もですね」
「非常に」
まさにと言うのだった。
「味がいいです」
「そうですね、そして」
「この和菓子の後で」
「お茶です」
「それを飲むのですね」
「このお茶を」
ディカプリオは抹茶を見ながら述べた。
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