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異世界転移した最強の俺、追放されたSSS級冒険者(美少女)を拾う

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敵の増援

 意外に簡単に制圧で来た、そう俺は思っていた。
 だがこの時俺は、あることを失念していた。
 それは、俺達がアイル神官長達とここに来る前に、アイル神官長達が真っ青になっていたことを。

 意図も容易に制圧出来たと俺達は“まだ”安心はできなかったのだ。
 そしてそこで聞こえた吐き気を催すような不気味な音は、“それ”の予兆だったのだ。
 まるで薄い紙に手を触れて切り傷を作ってしまったような、そんな細く長い線が、今倒した男たちの背後で、俺の目線辺りにまっすぐに細い線が空間に走る。

 暗い夜の森の中。
 ファンタジー世界らしく、周囲には木々に隠れるように地面に薄く魔法の明かりがともされている。
 おかげで俺達も敵の居場所や人数が把握しやすかったが……そんな薄ぼんやりとした中で、“黒”としか言い表せないような、すべての“光”を飲み込むような色が空間に走る。

 同時にそこから先ほどの箱のような嫌なものを俺は感じる。
 あの、昼間あった危険人物のような……そう俺が思っていると、先ほどキャサリンに蹴りをくらわされて倒れていた男が嗤いながら、

「残念だったな。必要な物資を運ぶのを優先していたから、ここに人が少なかっただけで、初めからもっと“大人数”がここに投入される予定だったのだ」
「あ~、それで預言が大変なことになっていたらしいのか?」
「……余裕があるつもりなのか? 我々を倒したくらいでいい気になるなよ? 今回の作戦は我々の教団にとって重要なものなのだ。だから、少なくない人数を投入することになっているからな」

 そう言って笑っている間、空間にひかれた一本の細い線は、切られた場所から布の下の部分が重力にひかれて垂れ下がるように大きく弧を描く。
 だが完全に来ることはできないのか、舌の部分と上の部分に切り損ねた“空間”の像が糸のように引っ張られて歪み、虹色に微かに輝いて……途切れた。
 そうこうしているうちにその広がる穴は大きく開き、その先の光景がよく見えるようになる。

 その中にあったのは、こちら側にしか入り口のない、出入り口のない十メートル四方程度の部屋だった。
 だがその中には装備を整えた冒険者らしき人物たちが、箱の中に並べられた“人形”のように並べられている。
 しかも表情は全員無表情で、それが量産品の等身大人形を並べて置いたような錯覚すら覚える。

 と、そこでその一番奥の方で、

「なんだか騒がしいな、どうなっている!」

 などとどこかで聞いたような声が俺には聞こえた。
 確か昼間、戦った時にあの……不気味な男に連れて帰られたあの人物だ。
 二度あることは三度あるというが、彼と顔を合わせるのは、俺はこれで三度目になる。

 などと考えていた所で背伸びをするようにしてこちらの様子を見たその男が見えたので俺は、とりあえず手を振った。

「ひいいっ、な、なんでお前がここに……」

 そこで昼間襲ってきたその男が悲鳴を上げて、そして、

「なんでだ、だって、もうこの都市から“帰って”行ったあとじゃないのか!?」
「なんでそう思ったんだ~」
「あ、あのお方が預言の……く、まだこんな場所にお前がいるとは思わなかった。だが、今回はこれだけの人数がいるからな。その息の根を止めてやる!」

 そう叫んだ男。
 そして気づけば俺のすぐ後ろにルーシーとエリカが立っていたが、そこで珍しくルーシーがまじめな声で、

「私の世界をこんな風にして……絶対に許さない」

 そう、やけにルーシーが怒ったようにそう言ったのだった。 
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