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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE162 主従関係!バイトを舐めるな!

 
前書き
今回は佐凛がシリカに強硬取材を申し込んだ日の、その後の話です。

番外編的な話になりますが、ご了承ください(^^♪ 

 
ユッチがシリカを助けようとして大失敗した、その日の後の話……! by立木ナレ



ユッチ「クソォ!なんでだよ……なんであのへんなフリーライターがあの事を知ってんだよぉ!」

ユッチ――本名、三好裕一は帰還者学校の15歳だった。彼は今日の放課後に、フリーライターの執拗な取材を受けて困り果てていたシリカの窮地に奮闘し助けようとして―――大失敗!どう言うわけか、あのフリーライターはユッチの弱み、決して知られてはならぬ秘密を知っており、耳元でその事を囁き、ユッチは脅し同然に追い払われたのだった!

ユッチ「ああ、ごめんよシリカちゃぁん……僕は、僕は、何時だって君を見守ってるからね!」

ユッチ、悔しさから号泣!自室のベットの布団の中で……密かに隠し撮りしたシリカがプールでスク水姿で泳ぐ姿の画像を見ながら自慰行為!最近のユッチの日課であった!そして、まさにこれこそがユッチの知られてはならぬ秘密で、フリーライターに耳元で囁かれたネタでもあるのだった!

ユッチは実に1時間弱、シリカのスク水写真をネタに自慰行為に浸った後、気分転換がてら外出した途端の出来事であった。

佐凛「み~よ~し~く~ん。あ~そ~ぼぉ~」

ユッチ「うわぁぁぁぁぁ!!」

家を出て僅か数十秒の事だった、家の近くで違法駐車されていたスズキのワゴンRの運転席から出てきたのはあのフリーライターであった!シリカに取材を口実に執拗に絡み、それを救助しようとしたユッチに対して耳元でシリカの隠し撮り写真のネタを囁く事で追い払った男である!

佐凛「おいおい、そんな痴漢に襲われた女子高生みたいな悲鳴上げないでくれよぉ~。別に君を襲って食っちまおうなんて考えちゃいないからよぉ」

自らの弱みを握る男が楽し気にゲラゲラと笑うが、ユッチにとっては目の前の男は笑いながら口を利けるような相手では決してなかった。

佐凛「取りあえず……乗りな」

ユッチ「ひぃぃっ!」

佐凛が楽しげな様子でユッチに見せつけたのは、スマホに移された画像――女子がプール開き前の清掃作業をスク水姿で遊びを交えて行っている光景を隠れて除く姿であり、これがまさにユッチがシリカのスク水姿画像を隠し撮りした犯行現場の証拠写真である!

そして、最大の弱みをチラつかされたユッチはトボトボと抵抗する事は敵わぬまま、ワゴンRの助手席に乗せられるのだった。

佐凛「いやぁ~、もう6月だね~。そろそろ帰還者学校の方でも体育の授業でプール開きの時期っしょ?楽しみだね、女の子達がスク水で惜しげも無く白い肌を晒す光景ってのはねぇ~」

ユッチ「こ、これ以上僕を脅して、な、何をしろって言うんっすか!?」

これからこの楽しげな笑顔の裏で、どす黒い裏の顔を隠し持っている男に自分は何を命じられるのだろうと、想像するだけで心が折れそうなユッチはメソメソと泣きながら、震えた声でそう言った。
すると佐凛は、相変わらず表面上は陽気な笑みを浮かべたままユッチの言葉を笑い飛ばすのだった。

佐凛「あっはははっ!おいおい、脅すなんて人聞きの悪い事は止めてくれよぉ~。俺は君にアルバイトを頼みたくって来ただけなんだぜ~」

ユッチ「あ、アルバイト……?」

佐凛「あ、それとまだちゃんとした自己紹介がまだだったね、俺の名前は蛭原佐凛(ひるはらさりん)。サリン事件があった日に生まれたから佐凛ちゃんって呼んでくれて構わないぜ~」

佐凛はユッチに名刺を見せながら、接触する相手に対しては定番の自己紹介をしたのだった。ユッチの方はそれで笑えるような気分にはならなかったが。

ユッチ「バイトなんて……僕はそのぉ、あんまし忙しい仕事とか、しんどい仕事とかはちょっとぉ~」

バイトと言われたユッチは猶更気が乗らなかった。ユッチがSAO事件に巻き込まれた2022年の11月の時点で当時は中学一年生。そして、それか2年と半年以上が経過している今現在の2025年の6月では、本来であればユッチは高校一年生――すなわちアルバイトが出来る年齢に達しているのだが、根っからの努力とはまるで無縁、学校の授業などでも怠ける事ばかりを優先しているユッチは何時間も忙しい思いをするアルバイトなどは絶対に自分はやるまいと決めていただけにまさに気が乗らぬ言葉であった!

だが、佐凛の言葉を聞き、ユッチの心境に変化が訪れるのに時間は掛からなかった。

佐凛「おっけ!そんな労働意欲ゼロの怠け者の三好君にぴったしなバイトなんだぜ!……なんたって、君は君が知る限りのSAO時代の話をしてくれるだけで良いんだからね!」

ユッチ「……僕が知る限りの……SAO時代の話ですか?」

そして、佐凛は不敵な笑みを浮かべ、身体を前のめりの態勢にしてユッチとの顔の距離を数センチほどの近さまで寄せると、右手の三本の指を立てて言うのだった。

佐凛「バイト代は……これでどうだい?」

ユッチ「さ、三万円っすか!?は、話します!話しますよ!僕がSAOで知ってる話はそりゃもう全部話すっす!ボス戦の話とか、アインクラッドの中の話とか、それと攻略組のプレイヤーや死んだプレイヤーの事もなにから何まで話しちゃうっすよ!」

まさに心機一転!! ユッチ、バイト代が貰えると分かった途端に警戒心をあっさりと解き……そして有頂天!!知り得る限りのSAO時代の話を話すだけで3万円!普通の高校生のアルバイトではあり得ぬ高額報酬!
そしてユッチはペラペラと……SAOで自分が知っている事を――見聞きしたことを――なにから何まで暴露!ゲームの内部情報はもちろんの事、プレイヤー達のゲーム内の個人情報に至るまで呆気なく……佐凛にすべてを話したのであった!!

そして――

ユッチ「と、まあ。僕が話せることはだいたいこれくらいっすね!」

佐凛「成程ねぇ~、君は攻略組最右翼のギルドMBT(未来は僕らの手の中に)のリーダーの右腕的な存在で、リーダーの護衛を勤めてる美少女プレイヤーから密かに思いを寄せられてたのかい?そりゃ、複雑な関係だねぇ~」

ユッチ「いやはや、レイナさんって言う無茶苦茶美少女なんですけどね、あの子は照れ隠しで僕に対して冷たい態度なんっすけど、もう本当は僕の事が好きだって言うのがバレバレで、そこが可愛いんですよね~」

だが、ユッチが話した自身の身の回りの人間関係、自身のゲーム内での立ち位置に関しては自身の自己解釈に基づいた……大幅に曲解した内容であった!
無論、佐凛とてユッチの話を全て鵜呑みにしているわけではなく、あくまで参考程度……特に重要なのは、攻略組プレイヤー達に関する情報。佐凛が特に興味を抱いていたのは、SAOを早期クリアに導いた立役者の黒の剣士キリトであった!

ユッチ「あ、あのぉ~……僕が話せることは一通り話したんで、そろそろ報酬を~」

ユッチはこれから手に入る3万円と言う高額報酬に目が眩み、情けない程にだらしなく歪ませた表情で佐凛に報酬を強請るのであった!

佐凛「おう、色々と楽しくて役に立つ話だったぜ。ほら、遠慮なく受け取りな」

そう言いながら佐凛は一枚の封筒をユッチに差し出した。ユッチはウキウキと浮かれまくった表情で早速封筒の中に入っている3万円を確認し―――

ユッチ「……なんだよ、これ……?」

だが、封筒の中の金を確認したユッチは表情を曇らせて、不満気に満ちた声を漏らすのだった。

佐凛「ささ、それで好きなのを買ってきな!遠慮はいらないぜ!」

ユッチ「遠慮も何もあるかよ!好きなのを変えとかふざけんな!なんだよ……なんだよ300円って!これで何が遠慮なく好きなのを買えだよ!コンビニでおにぎりとパン買うので精一杯じゃねぇか!テメェ約束が違うじゃねぇか!出せよ三万円!ちゃんと報酬の三万円寄こしやがれェェぇ!!」

それはまさに……怒りの叫びだった!期待していた3万円が僅か300円と言う桁外れに安いバイト代にユッチは怒りを露わにし――先ほどまで敬語で徹底的に媚び売っていた相手に対して怒り爆発――だが!

佐凛「3万円?一体何のことだい?いつバイト代が3万円だって言ったんだい?」

飄々とした笑みを浮かべたまま、まるでユッチが何に怒っているのか分からぬと言わんばかりに振舞、それが更にユッチの怒りに火を付けるのは言うまでも無かった。

ユッチ「恍けてんじゃねぇぞクズ野郎!テメェ確かに右手で指三本立ててたじゃねぇか!忘れたとは言わせねぇぞ!」

佐凛「ああっ!ああぁぁぁ!そっかぁ~、君は勘違いしちゃったのかぁ~」

ユッチ「勘違い?何が勘違いなんだよ!?」

佐凛「あれはね、3万円じゃなくて300円って意味なんだよ、だからこうしてバイト代の300円を君に払ったってわけさ」

ユッチ「は…………?」

大して悪びれる様子も無く、3万円はユッチの勘違いであり、自身は300円のつもりであったと佐凛はヘラヘラとそう説明するのだった。
だが、当然そんな事でユッチが納得するわけがなかった。眉間に皺を寄せて……腹の底から憎き相手への恨みつらみをぶちまける様に声を荒げる!

ユッチ「ひ、ひ、人を舐めるのもいい加減にしやがれよテメェ!!」

佐凛「ユッチくぅぅぅん!!」

ユッチ「―――!?」

が、それに対して佐凛は突如、そんな怒り心頭のユッチを押し黙らせるような威圧感に満ちた大声でユッチの名を呼び叫ぶ。
気が付けば――佐凛のそのさっきまでヘラヘラと笑いこけていた表情は消え失せ、鬼の様に険しい行商をユッチに向けていたのであった。

佐凛「舐めてんのはテメェだろうがガキャ……!!」

ユッチ「え……え……!?」

佐凛「テメーが俺と話してたのは精々1時間かそこらだよな……ああん?」

ユッチ「は、は、はい……」

ユッチのさっきまでの勢いに任せた怒りは呆気なく抑え込まれ、蛇に睨まれた蛙の如く、恐怖に満ちた表情で怯えるのであった!

佐凛「学生のバイトでよぉ、1時間で3万円なんてよぉ……あり得ねぇだろうが!!ああん!?金稼ぐのはそんな楽じゃねぇって事なんだよぉ!!」

ユッチ「す、すいません!すいません!じ、自分、調子乗ってましたぁ!!」

ユッチ……必死に号泣しながらの平謝り!圧倒的に下手(したて)!圧倒的完敗!本気になった大人の前では、ユッチなどは所詮恐れるに足らぬ雑魚!ただの雑魚に過ぎないのであった!!

そして、圧倒的雑魚ユッチが完全に屈服したのを目の当たりにした佐凛は――再び先程と同様に陽気でヘラヘラとした笑みを浮かべて――スマホの例の画像を見せながら、ユッチに語るのであった。

佐凛「忘れちゃいけないよユッチ君。君の知られちゃ嬉し恥ずかしい画像はこうして俺がしっかりとキープしてるって事をね」

佐凛はユッチを諭すように、ユッチの肩を軽くポンポンと叩きながら改めてユッチが脅されていると言う事を再認識させるのであった。

ユッチ「は、はい!肝に銘じます!もう生意気な口を叩いたりしません!欲を張った事を言ったりはしません!僕がご協力できることは何でもやります!」

佐凛「はははっ!心強い言葉だぜユッチ君!これからもよろしくな相棒!金とか、報酬とか、そんな野暮な事は言いっこなしで、俺と君で最高のSAO生還者の記事を作り上げようぜ!」

ユッチ「も、勿論ですとも!是非よろしくお願いするっす!」

相棒などと言う言葉はまさにまやかし!実質は佐凛がユッチを完全に支配下に置き、SAO生還者に関する記事を作り上げる為の主従関係の完成である! 
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