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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE161 間抜けな奴ら

SAOサバイバーバトル予選。オズマは初戦のデュエルに勝利し2枚の金貨を獲得した。後更に2枚の金貨を得れば予選突破が決定となる状況でオズマはデュエルする相手を求めてさ迷った末に…by立木ナレ


俺がその二人組に出くわしたのは、狭い一本道を足音を立てないように診療に歩いていた時だった。

「か、掛かって来いよ!さっさとバトルフィールドを展開しやがれってんだ!」

「そそ……そっちこそ、いい加減に仕掛けてきたら……ど、どうなんだよ!?」

俺「なんだ、アイツら?」

二人の男のプレイヤーがお互いに相手を挑発?し合っている様子だった。片方は肥満気味の体形で眼鏡を掛けた、如何にも陰険そうな風貌のインプで、もう片方は気弱そうで如何にも優柔不断な雰囲気を出しているレプラコーンだった。

肥満インプ「何言ってやがるんだよ!お、俺の金貨を取りたいって言うなら……お前から仕掛けて来いよ!」

気弱レプラコーン「いやいや!お前だって早く金貨を集めたいんだろ!?バ、バトルフィールドを展開すれば良いじゃないか!」

俺「俺がもうすぐ近くにいるのに気が付いてねぇ……」

その二人のプレイヤーは恐らく、互いに相手がバトルフィールドを展開して来るのを待ってるのだろう。そして掛ける金貨の枚数を自分が決めたいと言ったところか。
そしてその結果、互いに相手をグダグダと挑発し合う状態となり、俺がこんなすぐそばまで接近してきているのにも気が付かないと言う有様……まあ、そんなに金貨の掛け数を決定したいと言うのなら、俺が叶えてやるか。

俺「バトルフィールド展開」

俺がそう発生すると俺の周囲一帯に魔方陣が展開されて、その範囲内に収まったのは無駄な言い争いをしていた二人のプレイヤーだった。

肥満インプ「なな、なんだ、なんだ!?お、お前じゃないのかよ!?」

気弱レプラコーン「ししし、知らない!ぼ、僕は知らないよ!こ、これは多分何かのシ、システムエラーなんだ!」

俺「システムエラーじゃなくて俺だっつうの」

未だに俺がすぐ近くに来ている事に気が付かない二人に対して、俺が呆れ切った表情でそう声を出すと、今頃二人は俺に気が付き、更に慌てふためくのだった。

肥満インプ「う、うわあぁぁ!い、何時の間にイ、インプがこんなところにいやがったんだよ!!」

俺「結構前からここにいたよ。つか、アンタもインプだろうが」

気弱レプラコーン「そ、そんな馬鹿な……さ、さてはシステムエラーだな!」

俺「ただ、足音を立てないようにして歩いてただけだからな。なんでもかんでもシステムエラーにしてんなよ」

取りあえず、俺達はこの騒々しい二人のうちどちらかにデュエルを仕掛ける事が出来る。どちらを選ぶ事になる。
魔方陣の中のプレイヤーの頭上にはそれぞれプレイヤーネームが表記されていた。肥満眼鏡のインプのキャラクターネームは『anndou』そしてレプラコーンのキャラクターネームは『huruhata』これがローマ字で読むのだとしたら、肥満眼鏡のインプが安藤で気弱そうなレプラコーンが古畑って事か?なんでまたコイツら、揃い揃ってVRゲームのキャラクターに苗字みたいなキャラネームを設定しやがったんだろうかという些細な疑問は置いておいて……どちらを選ぶにしても特に深く迷う様な要素はなさそうなので俺は適当にレプラコーンの古畑を相手に選んだのだった。

古畑「な、なんで僕なんだよぉぉぉ!!」

俺「いや、何となく適当だよ。取りあえず掛ける金貨の枚数を選んでくれ」

古畑「僕の金貨だぁぁぁ!!」

コイツ、相当自分の実力に自信がないのか、既に負ける事が前提であるかの態度だった。だが、デュエルを仕掛けられた奴はタイマーのカウントが0になる30秒までの間に金貨を1枚か2枚か、掛ける枚数を選ばなくてはならない。
出なければその場合、何かしらのペナルティが課せられるゆえの説明文が申し訳程度に記されているのだ。

安藤「お、おい、よく聞け!」

そんな中、肥満眼鏡のインプの安藤が必死な形相で古畑に近づき、古畑の肩を掴むと耳元に顔を近づけていた。

古畑「な、なんだよ……?」

安藤「良いから聞けっ!」

安藤は強引な態度で古畑に何かを耳打ちしていた。古畑はそんな安藤から何を言われているのか知らないが、狼狽えた表情のまま首を縦に振り続けていた。

俺「おーい、そろそろデュエル開始時間だぜ~」

安藤「良いな、分かったな!?ちゃんと言われた通りにやるんだぞ!」

古畑「わ、わ、分かった!なんとかやってみせる!」

あの二人、何か知らねぇが手を組んだらしいな。そして安藤などんな計画を立てて古畑に何を吹き込んだのか知らないが、今から古畑とのデュエルが始まるので、それを終わらせなくちゃ安藤と戦う事も出来ない。


古畑と言うレプラコーンはインプの安藤から何かしらの作戦を授けられ、オズマと古畑のデュエルが開始!両者の間にDuelの文字が表示され、それがデュエル開始の合図となった! by立木ナレ


古畑「…………」

俺「……それだけか?」

レプラコーンの古畑は左手の丸型の盾を構えて――特にそれ以外の行動は起こさなかった。

俺「終わらせるか」

俺は縦を構えた状態のままの古畑に急激なダッシュで一気に距離を詰める。すると古畑は俺のスピードが予想外だったのか、俺が攻撃を仕掛ける前に――

古畑「うわ……た、タンマ!タンマ!タンマだって!」

ひたすらタンマを連呼しながら俺に背を向けて逃げ出そうとするが、俺の戦力直進の速度には遠く及ばず、あっと言う間に背中を取られる、こうなると最早奴は無防備と言わざるを得ない。
俺は左手のソードブレイカーで古畑の背中目掛けて直視突きを食らわせる。

古畑「ひぎゃっ!」

俺「久々に決めるか……」

俺の件は今は鞘に収まったままの状態――つまりSAO時代から引き継がれた納刀術ソードスキルが使える状態だった。
右方向への移動と共に鞘での殴りつけを放つ技『水影身(すいえいしん)』をさらに古畑の背中に食らわせる。
そこからは俺がSAO時代に幾度も使い続けてきた納刀術ソードスキルからの片手剣ソードスキルへの連携コンボの出番だ……!水影身の直後に抜刀(ばっとう)を発動する事で水影身の発動直後の硬直を無効にし、即座に発動できる。
抜刀は鞘に収まった状態の件を引き抜くと同時に斬り付ける技であり、このソードスキルの発動後の硬直も、即座に片手直剣ソードスキルを発動する事で無効にして即座に連携して発動が可能だった。

安藤「そんな、あんなソードスキルの連続発動なんてありかよ――――!!」

俺「まだあるぜ!」

最後に発動したソードスキルは3連撃技のシャープネイルだった。右下から斬り上げ、左から薙ぎ払い、右上から斬り下ろしの3連撃技だったのだが―――すでに古畑のHPは虫の息の状態だったため、最初の一撃目で古畑のHPは0となり、その場に残ったのはエンドフレイムだけだったが。古畑は金貨をまだ残していた為か、その場ですぐに完全回復した状態で復活していた。
そして、俺の金貨は更に一枚増えて5枚となっていた。

古畑「さぁ、安藤!今度はお前の番だぞ!頼む、手筈通りやってくれ!」

復活して早々に古畑は安藤の作戦とやらを実行する為に安藤をけしかけ様とするが、安藤の表情はまるで自身が無いのか目を大きく見開いたまま愕然としたまま、震える声を発する。

安藤「ば、馬鹿言うな……あ、あんなアッサリとやられやがって……あんなんじゃ敵の弱点なんて分かるかよ!」

古畑「は、はぁ―――!?お、お前、一体何を見てやがったんだよ!」

どうやら安藤の作戦とやらは、先に古畑をなるべく長く戦わせて、それにより俺の弱点を探る事のようだった。だが――古畑は何もできないまま俺のソードスキルの連携であっさりと敗北し、安藤は俺の弱点を探る暇も無かった為に揉めているようだった。

取りあえず、俺はもう後一枚で予選突破だからな。折角もう一人いる事だし、ここで終わりにするかな。

俺「バトルフィールド展開」

棒読みでそう発すると俺の周囲一帯に展開される魔方陣。無論その中に囚われるのは安藤と古畑だった。

安藤&古畑「「しまったぁぁぁぁぁぁ!!」」

俺「俺、んじゃ始めるとしますか」


そして、オズマは今度は安藤を対戦相手に指名。そして呆気なく……何の苦もないまま圧勝!ついにオズマの金貨は6枚となり予選突破決定!
一方の安藤はまだ金貨を残していたようでその場で即座に復活し―― by立木ナレ


古畑「なんだよ、なんだよ!アイツの弱点を突き止めて勝てるようになったら俺とおまえで交互のデュエルしかけてそのまま全部巻き上げる作戦だったのになんだよ!無駄に一枚金貨減らされてもう、一枚しか残ってないじゃないか!お前の金貨……僕に寄こせよ!」

安藤「嫌だ……」

古畑は安藤に当たり散らし、安藤が最後に残している一枚のメダルを寄こすように要求するが、安藤は静かな声で一言『嫌だ』と漏らして、更に喚き続けるのだった。

安藤「この金貨は……この最後の金貨は……オレのもの……手放さない……放したくない……」

古畑「責任取ってお前の金貨を一枚寄こせよ!お前が絶対にうまく行くなんて言うから信じたっていうのに!!」

安藤を責め立てまくる古畑と、ひたすら最後の一枚の金貨を渡すまいと責任逃れの安藤だった。そして、俺がそんな不毛で醜い争いを他人事として見ていると、目の前の二人以上に不快な存在がまたしても姿を現すのだった。

教祖「……予選突破、ご祝福します。貴方が救済される事を……誠の心で待ち望ませて頂きます故……」

俺「また出やがったかよ。その言葉、予選突破した奴全員に対して言ってるんだろうが?」


安藤&古畑「「きょ、教祖様ァァァァ!!」」

俺が金貨を六枚集めたのを嗅ぎ取ったかのようなタイミングでALOの教祖を自称する男は相変わらず宙に浮いた状態で座禅を組んだ体勢のまま姿を現し、安藤と古畑は二人揃って驚嘆の絶叫を上げているが、様付けで呼んでいる当たり、すっかり恐れをなしていると言うわけだろう。

教祖「では、貴方は勝ち抜けが決りましたのでここからログアウトさせて頂きます―――そして、」

安藤&古畑「「ひぃぃぃぃっ!!」」

教祖の視線が自分達に見蹴られている事を感じ取った安藤と古畑は、互いに肩を寄せ合いながら恐怖の叫び声を上げていた。

教祖「やる気……ありますか?ポア……必要ありますか?」

安藤「やる気なら100%です!ポアなんて必要ないですから信じて下さい!!」

古畑「う、うおわぁぁ!!ここから一気に大逆転だぜぇぇ!!」

不毛な争いで時間を潰していた安藤と古畑だったが、教祖に脅し染みた迫力で迫られて、機嫌を損ねぬように必死にそう叫びまくるしかないようだった。

俺「おい、俺はここから出してもらえるんだよな?」

教祖「はい……お疲れ様でした……」

そして、俺は6枚の金貨と共にその場から強制転移させられて、次の瞬間には転移させられる前にいた場所に俺は戻っていたのだった。
最終的な予選通過が決定した8人の発表はその8人が決定してからになるので、今の時点では俺も自分以外の予選通過者は誰が決っているのかは分からない状態だが、一介のプレイヤーとしてまだ予選を戦っているプレイヤー達の様子を観戦する事は可能なので俺は予選が終わるまで残っているプレイヤー達の戦いを見て待つことにしたのだった。


オズマ、悠々と予選突破決定!……まさに間抜けな敵役万々歳!!予選を通過した8人による本戦トーナメントが行われるのは明後日となる!オズマ――優勝賞金の200万円獲得なるか……!? by立木ナレ
 
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