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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE160 シリカの窮地!救世主はユッチ?

SAO帰還者学校……!それは、東京都西東京市に急ごしらえで建造された中高生相当の年齢のSAO生還者達が通う収容所を兼ねた学校であった!
2年間にわたり学業から離れていた学生たちの救済という名目の元……犯罪者予備軍の可能性を持ち得得る少年少女たちを一箇所に管理……月に一度のカウンセリングを設けるなど、彼らは保護されると同時に管理される存在であり、彼らの存在……そして帰還者学校そのものも世間からあらゆる意味で注目される事が多いのが事実である!

そして、そんな帰還者学校に自らの探求心とライター魂を満たす為に訪れた一人の男がいた!

佐凛「ちょっとちょっとそこの子達!少しで良いからさ、俺の話相手をしてくれないかなぁ~?」

蛭原佐凛……フリーランスのライターにして、1995年3月20日のサリン事件の日に生まれたが故に付けられた名前の男であった!
この男の目的は言うまでも無く、SAO生還者の少年少女たちが集うこの学校で、半ば強行的に取材をし……世間の多くの者達が興味本位で知りたがっているSAOで起こった出来事の記事をより多く書き上げる事であった!

生徒「……な、なんですか……?」

佐凛「俺はフリーランスのライターなんだけどね。SAOの事で色々と聞かせてもらいたいんだよねぇ~」

生徒「失礼します!」

佐凛に声を掛けられた男子学生は当初から警戒心を感じていたが、その男の正体がフリーライターであると知った途端に素っ気ない態度と表情を露わにして足早に立ち去るのだった。

佐凛「ありゃりゃ、つれないねぇ~」

早速冷たくあしらわれた佐凛であったが、特に悔しがっている様子は無く、むしろ自分がフリーライターである事を知った途端に敵意を感じさせる態度を見せた帰還者学校の生徒の反応を楽しむかのような表情だった。

そして周囲から自分に向けられる奇異の視線も気にする事なく、佐凛は帰還者学校の生徒たちを品定めするように見渡した後、片っ端から声を掛けてはあしらわれると言う事を繰り返し、最終的に一人の小柄なツインテールの髪形をした少女に目を付けたのだった。

佐凛「そこの仔猫ちゃん、ちょっと良いかな~……なんちって!」

シリカ「は、はいっ!?」

佐凛はまるで古臭い口説き文句のような言葉で声を掛けてきたのだった。その相手は綾野珪子(あやのけいこ)……キャラクターネーム《シリカ》であった。
自分よりも倍以上の年齢の……それも妙に胡散臭さを発している見ず知らずの男に唐突に声を掛けられて、小さな体を飛び跳ねさせる様にビクッと震わせていた。

佐凛「おっと、怖がらせちまったかい?こいつは悪かったねぇ~」

本心ではワザと驚かせる様な声の掛け方をしたため、悪いなどとは全く思っていなかったのだったが、佐凛は気味の悪い笑みを浮かべながら申し訳程度にそう謝るのだった。

シリカ「あ、あの……私に一体……何か?」

佐凛「ピンポーン!フリーライター蛭原佐凛の突撃……SAO帰還者独占取材でーす!」

シリカ「え……あ、あの?」

いきなりフリーライターを名乗る男から何の知らせも説明も無いまま一方的に取材だと言われてシリカは慌てふためいたまま目をキョロキョロとさせていた。

佐凛「まず最初の質問でーす!君のSAO時代のキャラクターネームはなんですかぁ~?」

シリカ「わ、私のキャ……キャラクターネームです……か?」

シリカも本来であればこんな一方的で不躾な取材など拒否したいのは山々だが、基本的に温厚で言いたい事をハッキリと口に出して言うのが苦手なシリカは、佐凛の強引で一方的なペースに押されるがままだった。

佐凛「そうそう!君の事を知る為にはまずSAO時代に使っていたキャラクターネームが第一だからね。さぁ、君の名は?」

シリカ「…………」

佐凛「君の名は!?」

シリカ「うぅっ!!」

シリカが言葉に詰まらせていると、佐凛はより威圧するかのように大きな声、そして恫喝しているかのような目付きでシリカを更に怯えさせるのだった。
いち早くこの男から解放されたくて溜まらないシリカは思わず自分のSAO時代のキャラクターネームを――今現在はALOで使用しているキャラクターネームを自ら口にしてしまいそうになってしまった時であった。

ユッチ「止めろぉぉぉぉぉ!!」

シリカ「ユッ……三好(みよし)さん!?」

シリカの窮地を偶然目の当たりにし、裏返った声をあげながら猛突進してきたのはユッチ……本名、三好裕一(みよしゆういち)であった。
SAO時代はオズマ率いるギルド、MBT(未来は僕らの手の中に)の立ち上げメンバーの一人であると同時に、アスナやシリカと言ったアイドル扱いされている女性キャラクターに花を伸ばしまくっていたこの少年は、アスナやシリカと同じ帰還者学校に通える今の状況に浮かれており、そしてシリカのピンチを見た途端に、彼女の前で良い恰好をするチャンスだと言う衝動に駆られて一目散に駆け出していた!

ユッチ「誰だか知らないが、シリカちゃんから離れやがれェェェェ!!」

佐凛「成程ね、シリカって言うのか―――ご協力ありがとさん」

シリカ「三好さん……」

ユッチ……大失態!シリカが必死に佐凛の威圧に耐えながら隠していた自らのキャラクターネームであたが、威勢よくシリカを助けようと現れたユッチにより呆気なく暴露!晒されるシリカのプライバシー!
そもそも、この帰還者学校においては、SAO時代のキャラクターネームで呼び合う事は、少なくとも学校の敷地内では控える事が暗黙の了解であるにも拘らず、シリカの前でヒーローになると言う使命感と高揚感に浮かれたユッチは失念していた!

ユッチ「もう一度言う……シリカちゃんから離れやがれ変質者!」

そしてユッチはこの期に及んでも自らの大失態に気が付かず、佐凛に対して高圧的な態度でシリカから離れるように命令口調で言ったのであった。
一方で佐凛はシリカのキャラクターネームをあっさりとばらしてくれたユッチに感謝しつつも、さほど目の前のユッチに対しては興味が湧かない為、ニタニタとしたいやらしい笑みを浮かべたままユッチの耳元に顔を近づけて―――

佐凛「――君―――それで――――ダメだ――――思春期――――バレたら」

佐凛はユッチの耳元でボソボソと何かを囁き続けるが、小さな声でユッチに対して飲み聞こえる声量で呟いているだけなのでシリカには何を言っているのかはまるで聞こえないのだったが――

ユッチ「え……?な、な……なんで……」

どう言うわけかユッチの表情は見る見るうちに青褪めて、体中がガタガタと痙攣してしまったかのように震え始めて、顔中から焦りの色を窺わせる汗をダラダラと流し始めていた。

シリカ「み……三好……さん?」

一体ユッチはどうしたと言うのだろうか?盛大にシリカの本名をばらしてしまうと言う大失態を犯しつつの登場のユッチであったが、それでもシリカを守ろうとしている事には変わりなく、取りあえずこの場に限って言えば味方となり得る存在である三好の奇妙な様子にシリカは不安を感じていた。そして……それは間もなく現実と化す―――!

ユッチ「あ、いやぁ~!ほ、本当にフリーライターさんはお仕事がお忙しくって大変っすよね!?ホントホント、お疲れ様です!」

シリカ「あ、あの………三好さぁ~ん?」

ユッチ「熱いライター魂に感服しちゃったっす!僕にはとてもとても佐凛さんのお仕事を邪魔する権利なんて無いっす!」

一体……さっきまでのユッチの態度は何処へ行ってしまったのだろうか……?まるで今度は佐凛に遜り、露骨に機嫌を損ねないようにゴマをすりまくるユッチの振る舞いにシリカはポカーンと口を開けてその状況を見守っていると。

ユッチ「それじゃ、お仕事頑張ってくださいっす!ライターさんが最高のSAO生還者の記事を書いてくれるのをSAO生還者を代表して待ってるっす!自分はこれで失礼するっす!」

シリカ「え、ええぇぇぇぇぇぇ!?」

ついさっきまでシリカの前で格好を付けようとしていたユッチは何処へやら……一目散に逃走!シリカを置いてその場から圧倒的逃走!

佐凛「さてと、横槍が入ったけど、今度こそ君と一対一で取材が出来るねぇ~シリカちゃん?」

シリカ「うぅ……い、一体何の――」

最早自力ではこの男から逃れられないシリカは泣きじゃくりそうな表情になり、この場にいない誰か――SAO時代からの仲間が都合よく助けてくれるなんて事を妄想していた矢先だった。

リズベット「ちょっとあんた!その子が怖がってるって分かんないわけ!?そもそもウチは生徒に対するマスコミの許可の無い取材は全面禁止してるって校舎の前に注意書きしてあったじゃない!」

シリカ「里香さん!」

それは、願っても無い救世主だった!共に同じ男性に想いを寄せる者同士、SAO時代は大して接点がなかったにもかかわらず、気が付けばこうして姉妹のような付き合いのリズがこのシリカの窮地に登場!そしてリズは佐凛を徹底的に罵り追い払ってくれる。佐凛は最後まで飄々とした人を愚弄するような態度を取り続けていたが、リズは戦ってくれたのであった――シリカと言う友を助ける為に!

 
 

 
後書き
ユッチがシリカの為に活躍するかと思いきや――結局耳元で何かを囁かれて、敢え無く退散するユッチにすぎませんでした。 
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