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ドリトル先生と日本の鉄道

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第一幕その七

「列車が横倒しだよ」
「しかも列車って何両もつながってるから」
「一両つながったら全部だね」
 オシツオサレツは二つの頭でお話します。
「横倒しになって」
「中に乗っている人やものが大変なことになるよ」
「そう思うと鉄道は安定感第一ね」
 ポリネシアはこう結論付けました。
「何といっても」
「それで決まったんだね、日本に」
 王子も皆のお話を聞いて言います。
「安定感が一番だから」
「事故はないし災害のことも考えていて運用もしっかりしている」
 先生がここでまた言いました。
「色々考えるとね」
「日本が第一だね」
「そうだよ、日本こそはね」
 まさにというのです。
「そうしたことまで考えて鉄道を運用している」
「鉄道大国だね」
「新幹線は伊達じゃないよ」
 日本の鉄道で最も有名なこれはというのです。
「日本のあらゆる鉄道技術が結集しているから」
「あそこまでなるんだね」
「そうなんだ」
「外観も恰好いいしね」
「あの外観だね」
「先生もいいと思うよね」
「スマートでカラーリングもよくて」
 笑顔で、です。先生は王子に応えて言いました。
「素晴らしいよね」
「僕新幹線好きだけれど」
「僕もだよ。昭和の最初の頃の新幹線もね」
「あの鳥の頭みたいな形の」
「あっ、そう見えるね」 
 先生は王子の今の言葉に応えました。
「最初の新幹線は」
「そうだよね、あの新幹線もね」
「今見ると古いデザインだけれどね」
「恰好いいね」
「愛嬌もあってね」
「あのデザインで」 
 王子は先生にかなり真剣にお話しました。
「我が国の鉄道もいきたいんだけれど」
「いいと思うよ。電車だよね」
「流石にもう蒸気機関車やディーゼルはね」 
 それで動く鉄道はというのです。
「古いからね」
「だから無理だね」
「もう日本ではどっちもないよね」
「完全になくなったって言えるかな」
 先生もこのことは否定しませんでした。
「蒸気機関車、SLは今も人気があるけれど」
「デザインもいいしね」
「けれどもうね」
「完全に過去のものだね」
「やっぱり電車の方がね」
「何かとやりやすいんだね」
「だってパンダグラフからずっと燃料を補給出来るから」
 上の電線からです。
「石炭をいつも放り込まなくてもね」
「あれが凄い重労働だっていうね」
「夏はとても暑くてね」
「それに先頭の機関車に沢山の列車が引っ張られるけれど」
「一両だけだからね」
 燃料を受けられる車両はです。
「電車は全車両だけれど」
「それも問題なんだね」
「そうだよ、だからね」
「もう電車の時代になったんだね」
「今はね」
「それが時代だね」
「日本でもどっちも長い間使われていたけれどね」
「もうだね」
「ないよ」
 そうなったというのです。 
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