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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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序章~全ての始まり、守護者の刃~
最終章 決着編
  第56話『悲しい運命が終わる時なの』

─それは、平凡な小学三年生、高町なのはと、
高校一年生、凪風雅に訪れた小さな出会い。
受け取ったのは勇気の心。
手にしたものは希望の力。
勇気の魔法と世界の希望は交錯して、
一人の少女を救うため、
寂しい夜を終わらせます。
仮面ライダーディロード、始まります。─

「それが、フェイトちゃんの…秘密……」
雅の行動をモニター越しに観ていた圭一は言う。
「そう。私は、母さんにそうやって生み出されて、何も疑わないで、なのはや、みんなを傷つけていた。それから、みんなに助けられた私は、みんなに諭されて、フェイト・テスタロッサとして、一人の人間として接してくれた。だけど、やっぱりどこかで、まだ自分はアリシアの偽物で、望まれていない命なんじゃないのかって…」
「そんなことない!だって、あそこにいるのはアリシアって子でフェイトちゃんじゃないんだろ!」
「圭一…」
「だから自分のことを誰かの替わりだなんて思うなよ。」
「……ありがとう。」

「私は向かう!失われし旧世界、アルハザードへ!」
「アルハザードだと!?」
「次元震によって発生する狭間の世界、アルハザードは確かにそこにある!」
プレシアは集めた9つのジュエルシードを強制発動させ、次元を揺らす次元震を発生させる。
「時の庭園内、戦力増強中!どんどん増えてゆきます!」
プレシアは護衛用に傀儡兵を無数に召喚する。
「リンディ艦長、僕も現地入りします。なのは、雅、協力してくれ!」
「うん!」
「はい!」
「僕も行くよ!」
クロノは雅となのは達を連れて時の庭園へ向かう。
「アルフさんはフェイトさんを連れて救急室へ。」
「はい、わかりました。」
アルフは放心状態のフェイトを連れて救急室へ向かう。

「クロノ君、アルハザードって?」
なのはは走りながらクロノに質問する。
「アルハザードは、かつて膨大な魔術知識を所持していたが、その技術故に滅んだ旧世界。だが、例えどんなことがあったとしても死んだ者の命が蘇ることなど、あるわけないし、あってはならない。」
クロノはなのはの質問に答える。
「その通りです。僕達で、プレシアさんを止めましょう。」
雅達は時の庭園へ向かう。

「すごい数だ…」
雅達は入口に構えている傀儡兵の軍勢に驚くが、
「ぼーっとするな。行くぞ!」
クロノは軽い身のこなしで傀儡兵の頭部へ飛び移り、
[スティンガーカノン]
デバイス、S2Uから直射魔法を放ち、傀儡兵を撃破する。
「敵はこんなものじゃないんだ。どんどん進むぞ!」
クロノが扉を蹴り開けると、先程とは比較にならない数の傀儡兵がいた。
「クロノ執務官、ここは任せて下さい。」
【CHANGE RIDE-KABUTO ZECTOR-】
「変身!ハイパーキャストオフ!」
[hyper cast off!change!hyper beetle]
[maximum hyper cyclone!]
身雅はディロードライバーにカブトゼクターのカードをスキャンし、カブト ハイパーフォームに変身。マキシマムハイパーサイクロンで傀儡兵を薙ぎ払い、道を開く。
「先へ進みましょう。」
雅は変身を解除し、なのは達を通す。
「その地面の抜けた空間に足を踏み入れないで。」
「虚数空間。ありとあらゆる魔法が発動しない。落ちたら次元の彼方まで真っ逆さまだ。」
急ぎながらユーノとクロノはなのはに説明していると、階段にも傀儡兵の大軍がいた。
「みなさんの魔力は消費させません。変身!」
【CHANGE RIDE-V BUCKLE VERSION RYUUKI-】
〈SURVIVE〉
〈ADVENT〉
雅は更に龍騎サバイブに変身。ドラグランザーを召喚して傀儡兵の大軍を火焔弾で爆破する。
「ここから二手に分かれよう。僕と雅でプレシア確保へ、なのはとユーノは時の庭園の駆動炉を!」
「わかった!」
なのは達はクロノの指示を受け二手に分かれる。
「さてクロノ執務官、高町さん達が駆動炉を止めるまで、この大軍は僕が対処します!」
【CHANGE RIDE-FORZE DRIVER-】
[コ ズミィック オン]
[リミット ブレイク]
「ライダー超銀河フィニッシュ!」
雅はフォーゼに変身し、傀儡兵を必殺技で蹴散らす。
「やはり限界があるか…」
[ランチャー オン]
[スタンパー  ガトリング オン]
[レーダー sマグネット オン]
[nマグネット オン]
[リミット ブレイク]
フォーゼは右足にランチャー、左足にスタンパーをカスタマイズしたガトリング、左手にレーダーをカスタマイズしたマグネットモジュールを装備し、バリズンソードにNマグネットスイッチをセットし必殺技を発動する。
「ライダーロックオンフルブラスト!」
レーダーの力でロックオンされた傀儡兵は放たれる弾道砲撃によって爆散する。
「次へ行きましょう!」
雅は変身を解除し、クロノとともに先へ進む。
「まだ出てくるか!」
【CHANGE RIDE-HENSHIN ONSA ONKAKU-】
「鬼神ッ!覚声ッ!」
雅は装甲響鬼に変身し、清めの声を放ち傀儡兵を破壊。更に、
【KAMEN RIDE-ZX-】
「変身!ZX!」
ZXにカメンライドする。
「衝撃集中爆弾!マイクロチェーン!」
ディロードZXは両脚に装着された爆弾を投げ、電磁波を流す特殊チェーンを放ち傀儡兵を撃破する。

「フェイト、あの子達の所へ行ってくるね。」
フェイトを寝かせたアルフはなのはの救援に向かう。
「………っ」
アルフがいなくなり、フェイトは意識を取り戻す。
「アルフ……」
フェイトはモニターでアルフを確認し、なのは達と傀儡兵の撃退に向かっていた。
「あの子、私の為にあんなに必死に……逃げればいいってわけじゃない。捨てればいいってわけじゃ、もっとない。私達はまだ、始まってもいない。そうなのかな、バルディッシュ?」
[…yes sir]
バルディッシュは破損したコアを動かしながら答える。
「っぅぅ…」
その返答にフェイトは泣きながら抱きしめる。
「うまく出来るか分からないけど、やってみる。」
フェイトはバルディッシュは持ち直し、魔力を込め、
[recovery]
バルディッシュの破損を直す。
「終わらせよう。本当の私を、はじめるために!」
フェイトはバリアジャケットを纏い、転移魔法で時の庭園へ向かう。

「こいつら、数が多い!」
アルフは狼形態になり傀儡兵を破壊するが、圧倒的な数に苦戦する。
「だけならいいけど、このッ!」
傀儡兵は強大なパワーを持ちなのは達は苦戦を強いられる。
「なのは!?」
その時、ユーノがバインドで拘束していた傀儡兵の一体が拘束を破りなのはに武器を振りかざす。
「なのは!?」
ユーノとなのはが目を瞑ったその時、
[thunder rage!]
金の雷が傀儡兵を撃ち、
「サンダー…レェェェイジ!」
そのまま破壊する。
「フェイトちゃん!」
「フェイト!」
なのはとアルフは再び立ち上がったフェイトを見て驚く。そこに巨大な傀儡兵が現れる。
「装甲が硬い。一人じゃ勝てない。でも、ふたりなら!」
フェイトは自分の言葉で、なのはに伝える。
「うん!うんうん!」
なのはは感激し、レイジングハートを構える。
「ディバイィン…バスタァァァー!」
「サンダースマッシャー!」
フェイトも同時直射魔法を放つ。
「「シューーート!」」
二人は火力を上げて傀儡兵を撃破する。
「私、母さんの所へ行って、全てを終わらせたいんだ。」
「行って!駆動炉は、私とユーノ君で何とかするから!」
なのははフェイトを先へいかせる。

「これは!?」
雅は移動中、ある日記を拾う。そこには『プロジェクトFATEに関する研究日誌 ジェイル・スカリエッティ』と記されていた。
「これは、フェイトには見せられないな。」
雅はその日記を懐にしまう。
「まだ出てくるか!」
【CHANGE RIDE-KIVATT BELT-】
「変身!」
「来てくれ、タッつぁん!」
「はいは~い!バッシャーフィーバー!」
雅はキバ エンペラーフォームに変身し、エンペラーアクアトルネードで傀儡兵をぶつけ合わせて破壊する。
「雅、そこがプレシアの居場所だ!」
雅達は入り口に到着する。

その頃、内部では─
「プレシア・テスタロッサ、次元震は発生させません。私のディストーションシールドで抑えています。遥か昔に滅んだ旧世界、アルハザード。貴方程の魔導師が何故そのようなお伽話に縋るのですか?」
「アルハザードは実在する。次元と次元が交差して歪んだ先、アルハザードは確かにそこにある。」
現地入りしたリンディが次元震を抑制し、プレシアと対話していた。
「仮にあったとして、貴方はそこで何を?」
「無論、アリシアを蘇らせるわ。そして、失われた時間を取り戻すの。」
リンディの質問にプレシアが答えると、
「一度失われた時間を取り戻すことなんて、出来るものか!」
扉を蹴破り、クロノと雅が現れ、
「クロノ君、駆動炉は停止させたよ!」
なのはとユーノもやってくる。
「どんなにつらいことがあっても、それを逃げていい言い訳にしてはならない!失われた命も時間も、取り戻すことなんて誰にも出来ない!人は皆大事なものを無くしながら生きている。取り戻すことなんて、不可能なんだ!」
「くだらないわ。…ッ」
クロノの熱弁をプレシアは一蹴するが、持病により吐血し、隙を見せる。その時、
「母さん!」
フェイトとアルフもやってくる。
「あなたに、伝えたいことがあって来ました。」
「…今更何の用?」
「私、フェイト・テスタロッサは、確かに貴方の娘ではないかもしれません。貴方に作られた、偽物かもしれません。でも、私はあなたの為に、あなたを守りたい!それは私があなたの娘だからではない。あなたが、私の母さんだから!」
フェイトは手を伸ばしながら自分の意思を自分の言葉でプレシアに伝える。しかし、
「……ふっ、くだらないわ。」
プレシアはその言葉を一蹴する。そして、ジュエルシードを活性化させてディストーションシールドを破壊し、自ら虚数空間に飛び込む。
「このままじゃ!?」
雅は咄嗟になのは達に白紙のカードを渡し、
【WORLD HOPE-MAHOU SYOUJO LYRICAL NANOHA-】
雅はなのはの世界のワールドホープを発動。そして、
【CHANGE RIDE-OOO DRIVER-】
「変身!」
〔タカ!クジャク!コンドル!♪タ~ジャ~ドル~!〕
オーズ タジャドルコンボに変身し、虚数空間へ飛び込む。そして、しばらく経ちオーズは帰還する。
「プレシアは最後までこちらに抵抗し、次元の彼方へ消えました。」
変身を解除した雅は報告する。そして、ワープのカードを取り出す。
「君はこれから?」
「僕はもう去らないと。事件が正しく進んだ以上、僕がいればそれ自体が世界の異変となりますから。」
「まるで、プレシア・テスタロッサを死なせる方向に向かわせたみたいな言い方だな。」
「そう受け取っても構いません。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はクロノと会話を、なのはの世界から去る。

「ただいま。」
「…雅、お帰り。」
雅は宝物庫へ帰る。
「フェイト、これがフェイトに渡したかったものだ。」
雅はフェイトにレコーダーを渡す。
「このレコーダーって、もしかして…」
「そう、あの時の虚数空間での会話だ。」
雅はレコーダーを再生する。

「どうして来たの?」
プレシアはオーズに聞く。
「貴方の真意を知りたくて。」
「ふっ、私はただ、アリシアの為に生きているだけ。この子の存在だけが、私の心の支え。」
「見つけたんですね。アルハザードを。」
「ええ。だからこそこの座標に時の庭園を移動させたもの。」
「このまま行けると思いますか?」
「行けるわ。」
「そうですか。ですが、今の貴方を見て、アリシアさんはどう思いますか?」
「きっと、私を受け入れないでしょうね。アリシアの、ううん、私の幸せだけを考えて、アリシアの偽物を作って、あんなことをしていた。アリシアはそういうことを嫌う子だった。」
「そうですか。では、貴方が生み出して、貴方を救えなかったことを後悔しているフェイトのことは?」
「忘れていたわ。あの日、事故が起きる少し前、アリシアに頼まれていたお誕生日のプレゼント。」
「それって…」
「そう、アリシアは妹がほしいって言っていたわ。自分と同じできれいな金色の髪に赤い瞳。それでとっても素直な妹。きっと、フェイトはアリシアにとって、理想の妹だったわ。」
「そうですか。」
「でも、私はフェイトを愛せない。自分を痛めて産んでいないあの子は、やっぱり私の分身ではないわ。」
「それでも、フェイトは生きています。一体、誰の愛情を受けて生きて行けばよいのでしょうか?」
「貴方が愛しなさい。ううん、もう充分にいろんな人から愛されているわね。」
「貴方自身で愛してあげようとは?」
「無理よ。私はアリシアに縛られた亡霊のようなもの。あの子を愛する資格なんて…」
「人を愛するのに、資格なんて必要ない!その人大切に思えるかが重要なんだ!」
「そう…やっぱりあの子はもう、充分に愛されているわ。私は、アリシアと一緒にアルハザードへ向かうわ。」
「着けるといいですね。」
「止めないのね。」
「それは、装填の守護者にはできません。この世界は、プレシアさんが虚数空間に呑み込まれて消息不明となって事件が収束となります。僕の役目は救われない命を救うことではなく、世界を正しく進ませることなので。でも…」
〔プテラ!トリケラ!ティラノ!プテラ!トリケラ!ティラノ!プテラ!ギガスキャン!〕
オーズは恐竜のメダルをスキャンし、虚数空間の狭間にブラックホールを出現させる。
「これくらいは、自由がききます。」
「これは?」
「そのブラックホールに流れに乗って進めばきっと、アルハザードに着けますよ。」
「そう、感謝するわ。それなら私も…」
プレシアはそう言うと、本来虚数空間では展開出来ないフォトンスフィアを展開する。
「最低限貴方の顔を潰さないようにするわ。」
プレシアはフォトンバーストを放つ。
「協力、ありがとうございます。行ってらっしゃい。」
「ありがとう。さよなら。」
プレシアとアリシアの亡骸はブラックホールに吞みこまれる。
「プレシアは最後までこちらに抵抗し、次元の彼方へ消えました。」

雅はレコーダーを止める。
「どうして……どうして母さんを助けてくれなかったの!雅なら、母さんを助けられたのに!」
「フェイト、僕は最初に言ったはずだ。今のフェイトを守ると。あの時プレシアさんを助ければ、今フェイトはここにいない。恐らく、はやてや、守護騎士達とも出会えなかった。世界とは、誰かの命や、運命と一緒に歩んでいる。」
「……それで、アルハザードは本当にあるの?」
「ある。これは嘘ではない。フェイトはそう遠くない未来、アルハザードに関係するある人物が引き起こす事件に、深く関わることになる。」
ワールドホープの効果が終わり、雅はフェイトを宥めていた。
to be continued.

次回予告
ついに回るべき全ての世界を回った僕達。とうとう始まる最終決戦。次回、『壊す者と護る者』リリカルマジカル、頑張ります… 
 

 
後書き
新カード紹介
カブトゼクター:ディロードライバーをカブトゼクターに変え、仮面ライダーカブトに変身する為のカード。
Vバックル(龍騎):ディロードライバーをVバックルに変え、仮面ライダー龍騎に変身する為のカード。
変身音叉音角:ディロードライバーを変身音叉音角に変え、仮面ライダー響鬼に変身する為のカード。
仮面ライダーZX:仮面ライダーZXを召喚するカード。ディロードライバーにスキャンすることで、一分三十秒のみ仮面ライダーZXに変身出来る。
魔法少女リリカルなのは(ワールドホープ):雅を虚数空間の中で活動出来るようにし、プレシアの真意をフェイトに届ける。 
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