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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE159 SAOサバイバーバトル初戦!謎の猛獣出現

最初のデュエルはあっさりと決まった。向こうから仕掛けてきたので、俺は逃げも隠れもせずに仕掛けられたデュエルで、金貨の賭け数を2枚に決定して、ウンディーネのプレイヤーのジュレイダートのデュエルが開始した。

シュレイダー「食らえっ!」

デュエル開始と同時にシュレイダーが発動したのは初球の攻撃水属性魔法だった。詠唱時間がかなり短い為か、瞬時と言っていいほどの速さで発動し、小さな氷の弾が出現し、俺に向かって飛んでくる。

だが、その氷の弾の軌道は読みやすく、飛んでくるスピードもそれほど早くは無いので、動きさえ見切れば対処は容易い。
俺は左手のソードブレイカーを突き出して、飛んでくる氷の弾を迎え討ち粉砕した。

シュレイダー「まだだっ!」

今度は中級の水属性魔法だった。俺の頭上に氷の柱が出現してそれが落下してくる。流石にこれは剣で迎え討てそうにないので、俺はその場から前方にダッシュで駆け抜けて、落下する氷柱を回避。だが、攻撃魔法は止む事は無く、またしても小さな氷の弾が俺を目掛けて飛んでくる。

俺「仕方ねぇな……」

俺は多少のダメージは止む無しと考えて、飛んでくる氷の弾を顧みずに猛突進した。当然、闇雲で猪突猛進な行動なので敵の氷の弾が何発も俺に命中し、その度に俺のHPが減少する。

シュレイダー「…………」

だが、シュレイダーのその表情が焦りを帯びているのを俺は見逃さなかった。俺と奴の距離がどんどん縮まり、これ以上接近されると都合が悪いと言うのが明らかだった。
そして、俺と敵の距離が5メートル以内にまで縮まった瞬間に敵は動き出した。

シュレイダー「や、やばい……!」

俺「今度はこっちから仕掛ける!」

恐らく接近戦に持ち込まれたくなかったのだろう、シュレイダーは魔法詠唱を急に中断し、背を向けて走り出そうとしたが俺は敵の逃走方向に回り込む様にワープビジョンを発動した。

シュレイダー「て、転移魔法だと!?」

俺「そんな魔法あるかよ」

おそらく、プレイヤーが瞬間移動など初めて見たのだろう。逃走しようとした矢先に俺が現れて、その表情は驚嘆に満ちて、冷静さを著しく欠いた状態なのだろう。
俺は大きな隙を作っているシュレイダーに対して前方に踏み込みつつ剣を突き出し、敵の腹を貫いた。

シュレイダー「うわっ……ちょっと……」

動揺しているようだったが、ここで攻撃の手を緩めるわけにはいかない。即座に左手のソードブレイカーを敵の額に突き刺し、俺の右手の剣と左手のソードブレイカーが敵の身体を貫いた状態となり……てきのHPバーが減少してきている事を確認し、俺は一気に止めの攻撃に移ることを決めた。


それは……新生ALOにおいてSAOとそっくりそのまま引きつかれたシステムアシストの恩恵を受けた剣術、ソードスキルであった!
従来魔法の独壇場になりがちであったALO(アルヴヘイム・オンライン)において、このソードスキルが実装された事により魔導士と剣士の力関係は対等となり、特に剣での戦闘になれたSAO生還者のALOプレイヤー達の戦いは魔法戦に特化したALOの古参プレイヤー達からも脅威と見なされるほどである! by立木ナレ


左手を前にかざし右手の剣を肩の上に大きく引く構えから、俺は単発の突きを放つソードスキル『ヴォーパルストライク』を発動した。ジェットエンジンのような独特の効果音を発しながら、一度は引き抜かれた剣が再び敵の腹を突き刺し、残りのHPバーは一気に底をついたのだった。


WINNER:オズマ


デュエルの勝敗が決すると、目の前に俺の勝利を告げるメッセージが表示され、俺の金貨の枚数が2枚から4枚に……そして敵のシュレイダーの金貨の枚数が2枚から0枚へと変動した。
俺の目の前には数秒ほどシュレイダーのエンドフレイムが漂っていたが、それは直ぐに消滅していた。おそらく、脱落が決定した時点でこのバトルフィールドからは強制退場させられるのだろう。
ともかく俺はそうそうに2枚の金貨を4枚にまで増やし……後2枚金貨を入手を決勝トーナメントに進出できると言うわけだ。

俺「次も出来れば2枚掛けでいきたいもんだな」

だが、金貨の掛け数を決定する権限はデュエルを挑まれた方にあるので、俺からデュエルを挑んだ場合は相手依存となるし、そもそも相手が金貨を一枚しか持っていなかった場合は、どちらが仕掛けたに関わらう金貨を一枚しか掛ける事が出来ない。

ひとまずこの辺り一帯には他のプレイヤーは見当たらないようだ。念のために索敵スキルを使って周囲を更に念入りに探ってみるが、近くに他のプレイヤーの反応は無い。
ともかく他のプレイヤーと遭遇しない限りは何も始まらないので俺は、この広間から狭い一本道の通路から抜け出して探索を再開するのだった。


※ ※ ※


クライン「おっしゃ金貨貰いぃっ!!」

一方その頃――サラマンダーの刀使いのクラインはオズマとほぼ変わらないタイミングでデュエルに勝利し二枚の金貨を獲得していた。
ちなみに、このデュエルは他のプレイヤー達も数人ほど観戦しており、勝敗が付き次第、残っている方にデュエルを仕掛けようと考えていた者もいたが、クラインの余裕勝ちを目の当たりにしたプレイヤー達はクラインにデュエルを仕掛ける事を躊躇――更にはクラインとデュエルしたプレイヤーはクラインに敗北した事により手持ちの全ての金貨2枚を損失し脱落してしまったため、負けた方のプレイヤーにデュエルを仕掛ける事も出来ぬのであった!

「アイツ、見た目に寄らずかなりの腕前だぜ!一体何者なんだ……?」

「俺……俺、知ってる!アイツ……攻略組の主力ギルドの……風林火山のリーダーのクラインだ!」

クラインの名を聞いた途端、その場にいたプレイヤー達の間に戦慄が走った!キリトやオズマやアスナと言った攻略組最強クラスの者達ほどではないものの、攻略組でも主力クラスのプレイヤーとして活躍していたクラインである事を知り、自分達が勝てるようない相手ではないと判断し、その後の行動は無論……

「ダメだ、俺達の勝てる相手じゃねぇ――!」

「もっと他に弱そうなやつを探せぇぇぇ!!」

クライン「おいおい、連れねぇこと言ってねぇでデュエルしやがれこの野郎がっ!」

一斉にクラインから逃げ出すプレイヤー達だったが、当然いち早く金貨を6枚にしたいクラインは背を向けて逃げ出すプレイヤー達を圧倒的追跡!
だが、プレイヤー達が逃げ出した通路は狭い一本道!逃がすはずがなくクラインは時分から逃げ出すプレイヤー達を追いかける。

クライン「ま、敏捷性のステータスでも俺の方が上みてぇだし、すぐのどっちか捕まえてやるとするか」

クラインがこれなら余裕であると確信し、走る速度を上げて曲がり角を曲がり、この先にさっき逃げたプレイヤー達のどちらかがいるであろうと考えて、バトルフィールドを展開しようと考えていた時だった。

クライン「へ……あ、ありゃ……なんだよ……?」

クラインが追跡していたプレイヤーは二人だった―――だが、2人のうち片方は既にその場から姿を消しており、残っているのはもう片方のスプリガンのプレイヤーのみであった。
だが、そのスプリガンのプレイヤーはクラインの目の前で絶体絶命の状態であった!

クラインが目の当たりにしたのは体長が3メートル近くはありそうな巨大な猛獣……獅子であった!(たてがみ)は特に生えていないので、メスのライオンかはたまた虎なのかは分からないが、その巨大な獅子は二足歩行で両手から鋭く長い爪を伸ばしており、その爪にスプリガンのプレイヤーは貫かれて虫の息!

そして―――

スプリガン「ぐわぁぁぁ!」

クライン「く……食らい付きやがった……!!」

見るからに鋭利そうな牙が生え揃った大きな口でスプリガンのプレイヤーに噛みつき、スプリガンのプレイヤーは恐怖で絶叫をあげながらHPを完全に損失、今のデュエルですべての金貨を損失したようでその場から強制転移させられていたのだった。

クライン「あれ……?今のがデュエルって事は、あの猛獣ってプレイヤーなのかよ?」

もしそうだとすればクラインが真っ先に思い当たるのはスプリガンのプレイヤーなどが使う幻影魔法で姿をモンスターなどに変えているケースであったが、そもそも幻影魔法で姿を変えたとしてもそれは見た目を変化させるだけでステータスは一切変化がなく、またクラインが知る限りではスプリガンの幻影魔法で変化出来るモンスターはカエルモンスターなど、今一つパッとしない外見のモンスターが殆どのはずだった。

クライン「つうか、幻影魔法を使うスプリガンはさっき噛み殺されてた方だしよ……」

猛獣「…………」

クライン「こっち見やがった……!」

感情が伺えない白目を向けられたクラインは次は自分があの猛獣の餌食にされてしまうのではないかと想像し冷や汗を掻いて、たじろいでいた。だが―――

教祖「おめでとうございます」

クライン「で、出やがった!」

クラインと猛獣の距離の丁度中央地点の、3メートルほど宙に浮いた状態で姿を現したのは、教祖だった。ある意味猛獣よりも恐怖感を感じさせる紫色の法衣を纏った教祖は薄ら気味の悪い笑みをクラインと猛獣の交互に向ける。そして、猛獣の方をじっと見ながら言った。

教祖「儀式の予選を一番最初に通過された事をご祝福させて頂きます。救済されるのは貴方かもしれませんね」

猛獣「…………」

教祖の言葉に対して猛獣は一切言葉を返すことなく、全く興味なさそうに視線を向ける事すらなかった。

教祖「では、勝ち抜けを果たした方はこの場から解放します。本戦トーナメントでもご健闘なさることを心の底から願っています」

教祖がそう言い、猛獣を指差し、猛獣の身体を白い光が包んだ直後、猛獣はその場から転移されたようでクラインの目の前から姿を消したのだった。

クライン「うへぇ~、た、助かったぁ……」

ひとまず、自分はあの謎の猛獣プレイヤーと戦わずに済んだとクラインは安堵し、冷や汗を掻きながら言葉を漏らしていた。
ついさっきまでは自分が追う側であったにもかかわらず、気が付けば自分がまさに蛇に睨まれた蛙状態と化していたと言う目まぐるしい展開にどっと疲労感が押し寄せていたのだった。

教祖「そこの貴方……」

クライン「な、なんだ――なんですか!?」

唐突に教祖に声を掛けられたクラインは思わず『なんだ』と言ってしまったが、慌てて取り繕う様に敬語に言い直していた。
せっかく金貨が4枚になり、後2枚で予選突破という状態でポアされて脱落などと言う事態は御免被るクラインは遜るしかなかったのであった!

そんな内心ではびくびくとしているクラインの心情など気にする様子も無く、教祖は穏やかな微笑みをクラインに向けたまま言う。

教祖「貴方も――とても健闘なさっているようで何よりです……」

クライン「あ……そりゃ……どもっす」

どう言うわけか教祖に誉め言葉を掛けられたクラインは目を点(・・)にした状態で短い言葉で答える。

教祖「救済される者となれるよう……これからも精進して下さい。貴方のこれからのご健闘を楽しみにしています……」

クライン「あ、あのぉ~……さ、さっきの……体長が3メートルくらいあるデカい猛獣の事なんっすけどぉ~」

クラインはこのタイミングで何か聞き出せないかと、教祖に対して先程の猛獣の話を切り出してみるのだった。
もみ手をしながらサラリーマン生活で培ったお得意先へのゴマすりスキルで何とか話し合いに持ち込もうとしたクラインであったが――

教祖「儀式の進行を、妨げるおつもりは……ありませんよね?」

クライン「無いっす無いっす!そんなつもり無いし、他に用も無いっすから!」

教祖「良いお返事ですね」

この話を続けると教祖にポアされると本能的に察したクラインは全力で戦略的撤退を選択!教祖はクラインに凄まじいプレッシャーを感じさせたままその場から姿を消したのだった。 
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