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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE157 SAOサバイバーバトル開始!

ついに……SAOサバイバーバトル大会本番……!だが、参加者のSAO生還者たちの前に薄気味悪歌と共に現れたのは教祖を名乗る男であった……賞金の200万円の権利を救済と称し、そして大会を儀式と称するなどかつて20世紀末の日本の世を震撼させた某教団の尊師を思わせるその男は、優勝賞金の支払い方法の変更を要求した3人のプレイヤーをポア――その場からHPを0にし強制ログアウトさせたのであった!! by立木ナレ


今回のバトル大会の参加者は29人のはずだったが、その内の三人が教祖と名乗る男によって強制ログアウトによってこの場から排除されてしまった。
本番が始まる前からその場からはじき出されてしまったプレイヤー達が消えた場所を俺達は唖然と注視していたが、教祖はそんな事はもう終わった事として気にするそぶりも見せずに淡々と話を再開する。

教祖「皆さん、救済は円滑に、滞りなく進めなくてはなりません。ですので……それを阻害するような行動を取る場合はこの通りポアさせて頂きますので、心に刻み込んで下さい」

クライン「い、幾らなんでも容赦ねぇんじゃねぇかな……そりゃよ、全員の我侭や要求を聞いてたら何時まで経っても進まねぇのは分かるけどよ……」

教祖の容赦のないポア――強制ログアウトに対して、クラインが俺に耳打ちするように呟いたのだったが……教祖の視線がこちらに向けられたのはその直後だった。

教祖「何か……おっしゃいましたか?……そちらの刀使いのサラマンダーさん?」

クライン「いえ!教祖様のお言葉のおっしゃる通りだと申しました!他には何も言う事などありません!」

目敏くクラインの小声の不満に反応した教祖に対してクラインは必至な形相で遜り、何とかポアされないように取り繕っていた。

教祖「ではこの場に集まった29人による……いえ、26人による救済の儀式の説明を開始させて頂きます……」


そして教祖の説明はこうであった。儀式――もとい大会は予選と本戦トーナメントに分けられており、まずは予選によって本戦トーナメントに出場できる8人のプレイヤーを決めるところから始まる!
予選ではこの地化エリア―――教祖曰く『サティアン』と呼ばれるエリアをバトルフィールドとて行われる事となる! by立木ナレ


教祖「では、こちらを皆さんへ……」

教祖が左手を広げた状態で前に突き出すと、俺達の両手の甲にBFと書かれた紋章が刻まれていた。

教祖「これは、バトルフィールドを展開する魔方陣を展開する紋章です。皆さんは『バトルフィールド展開』と発声する事で、自身の周囲から半径5メートル一帯に魔方陣を展開し……その魔方陣の中に納まった他のプレイヤーを一人選択し、一対一のデュエルを申し込む事が出来ます」

教祖は分かり易く説明する為か、自分の両手の甲にも同じようにBFの紋章が刻まれている事を見せると、相変わらず覇気のない声で『バトルフィールド展開』と発声した。すると本当に奴の周囲一帯、半径5メートルほどを範囲に魔方陣が展開されていた。

クライン「ようするに、デュエルしたきゃあの魔方陣で他のプレイヤーを捕まえりゃいいって事なんだな」

教祖「この魔方陣の展開は一度展開した場合、次に展開できるのは最後に展開してから30秒後となりますのでご注意ください」

その制限がある為、むやみやたらと魔方陣を乱発してデュエルを仕掛ける事は出来ない事になる。確実にターゲットに接近して、時には不意打ちする事も考慮しておいた方が良いだろう。

教祖「次は皆さんにこれを……」

すると今度は、俺達の目の前にオブジェクト化されたのは2枚の金貨だった。黄金に輝くその金貨は見るからに高価そうな、神々しさを放っているが――

俺「台無しだなこりゃ……」

金貨に刻まれているのは相変わらずの微笑み面の教祖だった。それだけで見るからに高価そうな金貨は忌々しい金貨に成り下がっているように思えてならない。

教祖「デュエルではこちらの金貨を掛けてもらいます。手持ちの金貨が6枚に達すれば勝ち抜け……0枚となれば脱落となります」

今この場に集まっているプレイヤーは26人で、一人につき2枚の金貨があると言う事は全て合わせて52枚。8人のプレイヤーが6枚ずつ集めるとなると48枚なので僅かばかり余る事になる。

教祖「一度デュエルで掛ける事が出来る金貨の枚数は2枚までで、掛ける枚数を決める権利はデュエルを申請された側のプレイヤーにします。そしてこれを繰り返し最終的に8人の予選通過者を決定させます。まず最初の10分間はデュエル禁止時間とし、各自自由に移動を開始してください」

ようするにその10分間の間に慎重な行動を優先する者は徹底的に他のプレイヤーの目の届かぬところに移動し、積極的に他のプレイヤーを探して動き回れと言う事か。
そして、一次予選に関する大まかなルール説明はこれにて終了となったが、教祖はデュエル開始前にプレイヤー達に対してとある言葉を残すのだった。

教祖「先程も申しました通り、儀式は円滑に進めなくてはなりません。それを阻害する方は先の3名と同様にポアさせて頂きますので、どうかそのおつもりで……」

それだけ言い残した教祖は宙に浮遊したまま、座禅を組んでいるような姿勢のままフッと姿を消したのだった。
その直後、俺の視界の左上には戦闘開始までの猶予時間であろうタイマーが10:00の状態で表示されてカウントダウンが始まった。

「ようするに、勝てば良いんじゃない……」

俺のすぐ後ろからそんな冷静と言うか、冷めた声が聞こえて、俺はふと後ろを振り返ると、そこにいたのは小柄で冷静な眼差しのケットシーの少女プレイヤーだった。

俺「…………」

どことなく、見覚えのあるプレイヤーだった。SAO生還者なのでSAO時代に顔を合わせていた可能性も無くはないが、少なくとも攻略組に長期間在籍していたプレイヤーとは思えない。唯でさえ男女比が明確だったSAOだったが、攻略組では特にその差が圧倒的に男が多数を占めており、攻略初期から終盤まで参加していた攻略組の女性プレイヤーと言えば俺が記憶している限りはアスナの他はレイナとエルダくらいで、他はほんの一時的な参加で脱退、死亡で姿を消し、俺の記憶にはっきりと残っている者はあまり多くなかった。

クライン「オズの字よ!」

そんな事を考えていた俺の肩をクラインが声を掛けながら強くバンバンと叩いてきた。クラインは親指を立てて、自身を露にするかのような表情で言った。

クライン「取りあえずよ、お互い予選くらいは突破できるように健闘しようじゃねぇか」

俺「それ位は当然だ……トーナメントでぶつかった時は俺が勝たせてもらうけどな」

俺が挑戦的な意味も込めて言い返すと、クラインは負けじと不敵な笑みを見せて『へっ、今のうちに言ってろ!』と言い残してその場から走り去って行った。
他のプレイヤー達も、積極的に戦うか、消極的に行動するか、各々の方針に沿って行動を開始し始めていた。

俺「俺はどうするかな……?」

さっさと金貨を6枚集めたければ積極的に他の参加者に張り付いて、戦闘可能な時間になると同時にBF(バトルフィールド)を展開して勝ち続ければ良いだけだ。
一度の勝負で二枚掛けて戦い続ければ、最短で二連勝で勝ち抜け出来るのだが、掛ける金貨の枚数は勝負を仕掛けられた側の方に決定権がある。
逆に向こうから勝負を仕掛けてくるのを期待してすぐに見つかるような場所でじっとして待っているべきか……

俺「メンドクセェな……」

が、考えているうちにめんどくさくなった俺は溜息を吐きながらそう呟いていた。そもそも俺は戦略や策略を立てて戦うよりも、基本的には行き当たりばったり、ゴリ押しのワンパターン戦法の方が性に合っているんだ。

俺「来るなら来やがれって話だな……」

つまりだ、向こうからデュエルを仕掛けてくる相手が接近して来たら堂々と受けて立てばいい、逆に俺の接近に気が付かない奴がいたら遠慮なく仕掛けてやればいいんだ。


オズマ……思考を半ば放棄し行き当たりばったりな行動方針に決定!ちなみに、このSAOサバイバーバトル大会の模様はALO内で参加者以外のプレイヤーが観戦している事は勿論の事、現実世界においても某動画サイトで生配信中でその再生回数は既に100万回に達しようとしていた!……普段であればVRゲームに興味を持たない層の者達も、二年間のデスゲームの生還者たちが金を巡って戦うと言うシチュエーションに大いに興味を惹かれ、ある者は冷やかし気分で……ある者はSAO生還者たちを知りたいと言う心情で……ある者はSAO生還者と言うだけで大金を得るチャンスを与えられている事に対する嫉妬心を感じながら観戦! by立木ナレ



※ ※ ※


俺「いよいよ始まったな」

10分が経過して、ここからは誰でもバトルフィールドを展開して、金貨を掛けたデュエルが行えるようになっていた。俺は元居た場所から大して移動する事無く、比較的広い場所で、視界を妨げるような障害物も無い場所のど真ん中で突っ立っていた。
そして……この場所には早くも俺以外のプレイヤーがもう一人、長身の男性ウンディーネのプレイヤーが俺の至近距離でこちらをじっと見ていた。

ウンディーネ「バトルフィールド展開!」

俺「お、早速かよ」

俺がこの場から動かずに待機していた事を特に警戒する事無く、そのウンディーネは早々にバトルフィールドを展開していた。その場にいたのは俺一人だけだったので奴が展開したフィールドに捕まったのも俺だけとなり、必然的に奴は俺に対してデュエルを挑む事になる。
すると、俺の目の前にテキストメッセージが表記される。

『シュレイダーからデュエルを挑まれました、掛ける金貨の枚数を選択してください』

というメッセージの下には1枚or2枚と表記されており、俺は躊躇なく2枚を選択していた。すると相手のウンディーネは少々意外そうに顔を強張らせていた。

シュレイダー「君……いきなり仕掛けられたデュエルだってのに思い切った決断するな……これに負けたら即失格だぜ?」

俺「トーナメントに行けるのは先着で8人だけなんだぜ。だったらモタモタしてたって結局は先を越されて失格になるだけなら、ここで負けて失格になるのと変わらねぇよ」

おそらく典型的なメイジタイプなのだろうウンディーネはスタッフを構えて俺に対する警戒心を今さらながら強めていたようだった。
SAO生還者はソードスキルを使用していた経験から遠距離魔法の戦闘魔法よりも近接戦闘を好む傾向にあるのだが、このウンディーネのシュレイダーは敢えてALO開始当初から親しまれている魔法を選択したようだった。

それに対して俺のスタイルはSAO時代とほとんど変わらない。ワープビジョンを使用するとMPを消費するのでMPも完全に軽視するわけにはいかないが、基本的に魔法使用は度外視しているので俺がこのALOであげているのはSAO時代とほぼ同様に主に敏捷性と筋力ステータス優先だった。


そして、両者の間に『Duel!』という文字が大きな効果音と共に現れると同時に、オズマとシュレイダーが動き出す……オズマ、最初のデュエルで金貨を4枚に達するか……もしくは、早々に脱落してしまうのか……!? by立木ナレ 
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