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ドリトル先生と日本の鉄道

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第一幕その二

「大阪の環状線よりもね」
「そうだったんだね」
「そう、そしてね」
「東京は地上の路線もなんだ」
「環状線を中心として私鉄も多くて」
「かなり複雑なんだ」
「東京は道路は狭いと言われるけれど」
 それでもというのです。
「路線はかなり広いと言えるね」
「そんな場所なんだ」
「うん、人口が多いだけにね」
「世界一の大都市と言われるだけあって」
「凄い路線の数だよ」
「そしてその状況を築いたのが」
「日本という国なんだ。ちなみに今東京の道路は狭いって話をしたけれど」
 そちらのお話も忘れない先生です。
「実は敷かれた当時は規格外に広かったんだ」
「そうだったんだ」
「今の時点ではそうだけれど」
「敷かれた頃はなんだね」
「山縣有朋って人がどうしてもって言ってね」
 道路を広くすべきとです。
「それで広かったんだ」
「そうだったんだ」
「実はね」
「そんなこともあったんだね」
「それで鉄道の話に戻すけれど」
 またこちらのお話をする先生でした、冷たい麦茶を飲みながら。
「日本はね」
「うん、鉄道大国で」
「何かと充実しているよ」
「日本は鉄道好きな人も多いしね」
「所謂鉄っちゃんだね」
「ああした人達の知識って凄いね」
「鉄道を心から愛している人達だからね」
 それだけにというのです。
「もうその知識たるやね」
「先生以上かな」
「マニアの人は時として学者以上に学者になるんだ」
 先生は王子にこの言葉を出しました。
「それでなんだ」
「それで?」
「そう、それでね」 
 まさにというのです。
「僕よりもね」
「先生以上ってのも凄いね」
「僕も彼等に学ぶところが多いんだ」
 マニアの人達からというのです。
「彼等の知識からね」
「成程ね」
「そして自分の学問を高めていこうと努力しているつもりだよ」
 マニアの人達の知識そして情熱にです。
「鉄道についてもね」
「そう、先生って鉄道の論文も書いたことあるよね」
「あるよ。今も学んでいるよ」
 鉄道のこともというのです。
「科学の一環としてね」
「そうだよね」
「鉄道が充実しているとね」
 それでというのです。
「移動も輸送もとても楽だから」
「今の日本みたいにね」
「ドイツでもね」
「あっ、ドイツの鉄道っていうと」
 この国についてはこう言った王子でした。
「戦争でもね」
「使っていたね」
「プロイセンだった時だよね」
「そう、鉄道を充実させてね」
 まさにこれをというのです。
「そうしてね」
「兵隊さんやものを素早く戦場に送ったんだね」
「何しろ歩くよりずっと速く沢山運べるから」
 鉄道を使えばです。 
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