| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

デジモンアドベンチャー Miracle Light

作者:setuna
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第92話:主人公は敵側からすればラスボス

 
前書き
タケル視点

前話の粗筋

とうとうマグナモンの変態仮面への怒りが爆発し、拷問レベルの攻撃をしかけ、おまけにオメガモンまで降臨する始末。

ベリアルヴァンデモンには希望はあるのか?

お願い、死なないでベリアルヴァンデモン(棒読み)

ここを乗り越えれば、マグナモン達に勝てるんだから(更に棒読み)

では…ベリアルヴァンデモン 死す!!(気合い入りまくり)をお楽しみ下さい 

 
皆さん、僕は高石タケルです。

ただいまマグナモンとオメガモンのベリアルヴァンデモンとの戦いを見ています。

結果は…やっぱりベリアルヴァンデモンは真ラスボスのマグナモン達には勝てなかったよ…。

何せ相手は聖なる力を使うマグナモンとディアボロモンとの戦いで驚異的な力を発揮したオメガモンのタッグ。

ベリアルヴァンデモンが必死に攻撃してもあっさりかわされるか防御されて逆に手痛い反撃を受けてしまうし。

「これで終わりだエクストリーム・ジハード!!」

「ガルルキャノン!!」

マグナモンとオメガモンの同時攻撃が炸裂して、ベリアルヴァンデモンが吹き飛んだ。

それは空間の境目すら吹き飛ばす程で、追いかけた僕達が向かった先にはデジタルワールドの大地が広がっていた。

そして何故か世界中の選ばれし子供達と大人である故に入れないはずの及川さんまでデジタルワールドに。

「おじさん!?どうしてデジタルワールドに!?」

「特例さ。今回だけ大人の俺もデジタルワールドに行くことが出来るようになった。封鎖していたゲートをゲンナイさんとの共同作業で開いたのさ」

「凄えや…」

世界中の選ばれし子供達が全員集まるのは確かに大輔君の言う通り壮観だよ。

「ぐっ!!しかし、デジタルワールドに来れさえすればこちらの物!!闇の力も思いのまま!!俺は現実世界とデジタルワールドを闇の世界に統一させ、両世界を統べる王となるために復活した!!このまま一方的にやられて終わりなど認められる物か!!」

「まだ諦めていなかったのか」

「3年前の時と同じだわ」

大輔君とヒカリちゃんは嫌悪感を滲ませている。

当然だ、ウィザーモンの魂は奇跡のデジメンタルの中にいるとは言え肉体を滅ぼしたのは他でもないあいつだ。

大切な物を失ったその怒りは簡単に拭い去れる物じゃないことを僕は知っている。

ベリアルヴァンデモンの体から闇が放たれ、世界を闇に染めようとするがマグナモンの聖なる光がそれを阻む。

ぼんやりとだけど、もしかしたら幻かもしれないけど、ウィザーモンも僕達と一緒に戦ってくれているような気がした。

「ぐおおおおおお!?お、己、ならば…ガキ共!!選ばれし子供達を憎め!!妬め!!お前達は選ばれなかった…その恨み辛みを解放しろ!!」

まだ足掻くのか?

しかも今度は子供達を利用して?

僕の怒りがどんどん膨れ上がっていく感覚がする。

「そうだ…選ばれし子供達は特別なんだ。私達とは違う」

後方からの吐き捨てるような女の子の言葉に僕達は思わず空間の裂け目の方を振り返った。

「何を言ってるの?」

「私達には、パートナーデジモンなんていないもの」

「戦う力も無いし、暗黒の種を取り出す事も出来ない」

「このまま、何も変わらないんだ…ずっと、重苦しい日々が続くんだ」

1人が女の子に賛同すれば、他の子供達も引き摺られてずるずると闇に引き戻される。

虚無感と絶望感はそのままベリアルヴァンデモンの糧となるためにデジタルワールドへと漂い始めた。

でも僕達は忘れていない。

心の闇さえ照らしてくれる太陽が目の前にいることを。

「X進化だ!!」

「マグナモンX進化、マグナモンX!!」

マグナモンが更なる進化をして輝きが更に増す。

子供達の心の闇…ベリアルヴァンデモンに向かうはずの闇を掻き消してしまった。

世界中の選ばれし子供達のうち、何人かはマグナモンXを見て目を輝かせた。

世界を危機から救った1体の雄姿は今でも残っているんだと。

後ろの子供達は苦しそうに顔を庇った。

まるであまりにも眩しくて、優しすぎて、手を伸ばしても、届かない光だと言うかのように。

「ベリアルヴァンデモン…お前の正真正銘最期の時だ。今度こそ覚悟するんだな!!」

「ぐぐぐ…何てガキ共なんだ…だが、これくらいでやられる俺じゃあねえ……!俺はやっとの思いで復活したんだ……ここでお前ら如きにやられてたまるか!!」

最後の足掻きとばかりにベリアルヴァンデモンはマグナモンXに突撃した。

でも接近戦が得意なマグナモンXにそれは失敗だったことは結果を見るまでもなかった。

マグナモンXはベリアルヴァンデモンの腕をかわすと目で捉えることさえ困難なパンチとキックの連続攻撃を浴びせた。

攻撃した時間はもしかしたら10秒にも満たないかもしれない。

それでもベリアルヴァンデモンの全身がボロ雑巾のようになっていたから数秒間の間にどれだけ殴られ、蹴られたのか分からない。

「シャイニングゴールドソーラーストーム!!」

本来なら広範囲に放射する技なんだけどエクストリーム・ジハードのようにある程度の指向性を持たせることは出来るらしい。

一直線に向かってくるレーザー光を受けたベリアルヴァンデモンは一体化を維持出来なくなったのか、一乗寺治との一体化が解除され、黒い靄のような物になった。

「みんな、あいつを倒すためにみんなの力を貸してくれ!!」

マグナモンXの言葉にみんながデジヴァイスとD-3をマグナモンXに翳した。

デジヴァイスとD-3の聖なる力はマグナモンXに吸収され、輝きは更に強くなる。

「奇跡のデジメンタル、最大出力!!みんなも技を放てえ!!」

マグナモンXの言葉が分からない人もいるはずだ。

でも多分みんながそれに応えられたのはみんなと僕達の心が1つになったからだと思う。

世界中のパートナーデジモン達が技を放って、マグナモンXの放った光に吸い込まれ、光の奔流の規模が凄まじい物になっていく。

「これが、俺達選ばれし子供達とパートナーデジモンの絆の一撃…エンド・オブ・シャインだ!!!!」

終焉の光と名付けられた一撃は見事にヴァンデモンに直撃した。

そして今、デジタルワールドと現実世界の2つの世界を美しい金色の光が照らした…何故か僕はそんな気がした。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧