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麗しのヴァンパイア

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第九十一話

第九十一話  華奈子の苦手なもの
 華奈子ははっきりとだ、美奈子に言い切った。
「あたし本当にね」
「明るい作品が好きよね」
「さもないとね」 
 それこそというのだ。
「読めないわ」
「バッドエンドとか駄目よね」
「あと悪役が最後高笑いして終わる様な作品も」
「そんな作品あるかしら」
 美奈子は悪役が最後まで笑って終わる様な創作があるのかとだ、首を傾げさせて華奈子に対して言った。
「悪役が最後までって」
「若しあったらよ」
 その時はとだ、華奈子は答えた。
「もうね」
「読めないのね」
「そう、やっぱり最後はヒーローが勝つ」
「そうでないと駄目なのね」
「途中どれだけ苦難があっても」
 それでもというのだ。
「明るくてね」
「それでなのね」
「そう、ハッピーエンド」
「それ言うとああ無情はそうだけれど」
 作風自体は明るくかつハッピーエンドだというのだ。
「けれどね」
「文章が、なのね」
「どうも暗いらしいから」 
 それでというのだ。
「華奈子には合わないかも」
「じゃあ文章が最近の小説みたいに」
 華奈子は自分が読む本の文章から美奈子に話した。
「明るい文章だったら」
「本当に華奈子も読めると思うけれど」
「それでもなのね」
「とにかく文章に問題があるみたいだから」
 とかく暗いというのだ。
「華奈子に絶対に合わない感じで」
「ううん、じゃあああ無情はいいかしら」
「華奈子だったら三銃士かしらね」
「やっぱりそっち?」
「こっちは痛快だから。けれど何と分厚い本で十一冊なのよ」
「三銃士ってそんなに長いの」
 華奈子は美奈子の今の言葉にびっくりして言い返した。
「無茶苦茶長いじゃない」
「三銃士は一部で物語全部だとそうなるのよ」
「そうだったの」
「鉄仮面のお話も入るから」
 そこまで入れての全十一冊だというのだ、美奈子は華奈子に対して三銃士の話もしていくのだった。


第九十一話   完


                  2018・9・26 
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