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デジモンアドベンチャー Miracle Light

作者:setuna
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第86話:デーモン撃破

 
前書き
デーモンさえ倒せば後は消化試合のベリアルヴァンデモンのみ 

 
突如目の前に現れたデジモン…デーモンに全員が警戒した。

デーモンが放つ威圧感から、経験上究極体だと判断したデュナスモン、バンチョースティングモン、メタルガルルモン、ウォーグレイモン、ラジエルモンが前に出た。

「ふっ、見ただけで相手の実力を判断出来るとはな。だが、私が用があるのはお前達ではない。一乗寺治と暗黒の種を奴に植え付けられた子供達だ」

「暗黒の種?何だそれは?」

デュナスモンの問いにデーモンは少しの間を置いて説明した。

「………暗黒の種とは闇の力を凝縮した物で目標を内部から闇に染める暗黒球を改良した物だ。様々な可能性を秘めた混沌の結晶とも言える代物で、あらゆる物理法則、常識を超えた結果を生み出すのだ。デジモンに用いた場合、巨大化等の強化、次の世代への進化。人間に用いても深い知識を持ち、身体能力が上がると言う潜在的可能性を引き出す力を発揮する。その代わり人格などが変化するがな」

「それでどうして一乗寺治さんを……まさか…」

何かに気付いた光子郎が顔色を変えた。

「正解だ。一乗寺治は暗黒の種の製作に成功し、それを暗黒面を抱える子供達に植え付けている。お前達が世界中を飛び回っている間にな」

それを聞いた子供達が愕然となる。

「なっ…あ、あの野郎…世界中にダークタワーを建てたのは子供達に暗黒の種を植え付けるためだったのか…!!」

大輔は自分達が治の掌の上で踊らされていたことに歯軋りする。

「どうやらあいつは徹底的に叩き潰す必要がありそうだな…因みに聞くけど暗黒の種を植え付けられた子供達を手に入れてどうするつもりだ?」

デュナスモンが尋ねるとデーモンは嘲笑うように言う。

「子供達に植え付けられた暗黒の種が開花した暗黒の花を手に入れ、更なる力を得ることだ」

「そうか…なら、お前をこのままにはしておけないな!!お前はここで倒す!!」

デーモンの力は現時点でもかなりの物だ。

その暗黒の花とやらを手に入れてパワーアップされては手に負えなくなる可能性がある。

大輔も多少のリスクを負ってでもここでデーモンを倒すと決めた。

「ふん、まあいいだろう。お前達を消せば私の邪魔をする者はいなくなるのだからな」

「俺達を舐めていると痛い目に遭うぞ!!ドラゴンズロア!!」

「ケイオスフレイム!!」

デュナスモンの放ったエネルギー弾をデーモンは口から放った業火で相殺した。

「ガイアフォース!!」

「コキュートスブレス!!」

「爆雷天!!」

「フレイムインフェルノ!!」

デーモンの必殺技が3体の必殺技を相殺する。

得意技の時点でデュナスモンの必殺技を相殺出来たのだからこうなるのは予測出来た。

「ノウレッジストリーム!!」

必殺技を放った直後の硬直を突いてラジエルモンの必殺技がデーモンに炸裂した。

「やった…あ!?」

「闇の頂点に立つデジモンの1体である私をこの程度の光で倒せると思っているのか?」

デーモンのローブが少し焦げたくらいで全くダメージを受けていない。

「フレイムインフェルノ!!」

「ああああ!?」

ラジエルモンにデーモンの業火が炸裂し、一撃でメイクーモンに退化してしまう。

「そんな!?ラジエルモンがたったの一撃で!?」

「愚かな、闇がただ光に弱いだけの存在だと思っているのか?光が闇に影響を与えるように、闇もまた光に影響を与えるのだ!!」

ラジエルモンが一撃で戦闘不能にされたことに全員に緊張が走る。

「(確実に奴を倒すにはドラゴンコライダーを当てるしかないか…でも、こんな街中でぶっ放したら…)デュナスモン、X進化だ!!」

「バーストモードだ。バンチョースティングモン!!」

「デュナスモンX進化、デュナスモンX!!」

「バンチョースティングモン、バーストモード!!」

デュナスモンとバンチョースティングモンが強化形態となり、デーモンと対峙する。

「よし、行くぞ!!」

「ああ!!」

「フレイムインフェルノ!!」

再び迫るデーモンの業火に対してデュナスモンXは全身からオーラを放出した。

「ブレス・オブ・ワイバーン!!」

巨大な飛竜となってデーモンの業火をぶち破り、バンチョースティングモンBMと2方向から攻める。

「ドラゴンズガスト!!」

「ブラッディーフィニッシュ!!」

「ふん!!」

【何!?】

デュナスモンXとバンチョースティングモンBMの同時攻撃をデーモンは両の片手で防いでみせた。

「中々のパワーだ…だが七大魔王の力を見くびるな!!」

デーモンが掌から衝撃波を放つことでデュナスモンXとバンチョースティングモンBMを吹き飛ばす。

「デュナスモンXとバンチョースティングモンBMの同時攻撃を同時に受け止めた上に弾き飛ばすなんて…」

「でもあいつも無事じゃないみたいだ!!」

よく見るとデーモンの両腕が微かに震えている。

デュナスモンXとバンチョースティングモンBMの攻撃を片手で受け止めるのはデーモンでもかなりの無茶だったようだ。

「なら、あいつを上空に打ち上げる!!皆であいつに一斉攻撃だ!!」

【喰らえ!!】

デュナスモンXの言葉にデュナスモンXとメイクーモンを除いた全員が一斉攻撃。

全ての攻撃が1つになり、強大な一撃となる。

「ぬおっ!?」

流石のデーモンもウォーグレイモン達の一斉攻撃には耐えきれずに上空に打ち上げられた。

「はあああ…!!」

「む?これは…!?」

何時の間にか無数の飛竜のオーラが作り出した渦の中に閉じ込められたデーモン。

即座にデュナスモンXがそのエネルギーを爆発させた。

「ドラゴンコライダー!!!!」

「ぐおおおおお!!?」

瞬間的に恒星の核程の高温に達する渦の大爆発をまともに喰らったデーモン。

しかもX抗体状態での発動であり、これをまともに喰らえばさしものデーモンもこれには耐えられまい。

「やったか…?」

「ふ…ふふふ…今のは少し焦ったぞ」

「何!?」

驚愕するデュナスモンXにローブを失い、正体が露わになったデーモンが笑う。

「この闇の衣が無ければ流石の私も死んでいたかもしれん。」

「そんな、デュナスモンXのドラゴンコライダーに耐えきるなんて…」

「落ち込むことはあるまい、本来なら破壊されることさえ有り得ないはずの闇の衣を消し去ったのだ。充分過ぎる程の力だ」

デュナスモンXの最強の必殺技さえ通用しないことにヒカリは愕然となったが、デーモンは寧ろ闇の衣を吹き飛ばしたデュナスモンXの力に感嘆した。

「くそ、ドラゴンコライ…」

「させん!!スラッシュネイル!!」

再び無数の飛竜のオーラを出そうとしたが、デーモンが鋭い爪でデュナスモンXの翼を引き裂く。

力を抑えるリミッターの役割を持っていた闇の衣を失い、真の力を解放して一方的にデュナスモンXを嬲っていった。

「ケイオスフレイム!!」

「ぐあああああ!?」

零距離で業火を喰らったデュナスモンXはブイモンに退化してしまう。

「まずい!!攻撃を…」

「フレイムインフェルノ!!」

救援に向かおうとしたウォーグレイモン達にデーモンが必殺技を放った。

真の力を解放したデーモンの力は想像を絶する物であり、ウォーグレイモン達を一撃で戦闘不能、バンチョースティングモンBMに大ダメージを与えた。

「ぐっ…」

「真の力を解放した私の前ではお前達の力など無に等しい。」

デーモンの言葉に全員が悔しそうに歯噛みする。

「デュナスモンXやバンチョースティングモンBMでさえ勝てないなんて…どうすれば…!?」

「最強のパワーを持つデュナスモンXさえ勝てないのではもう、今の僕達では…」

「いや…まだだ…」

大輔が前に出て、奇跡のデジメンタルを起動させた。

「デジメンタルアップ!!」

「ブイモンアーマー進化、マグナモン!!…X進化、マグナモンX!!」

「ほう、まだそんな進化を残していたとはな…」

思わず冷や汗をかくデーモン。

マグナモンXの総合戦闘力はデュナスモンXと同等で、単純な実力では自分が上だが、デュナスモンXと同等の戦闘力で光の属性を持っているのが問題なのだ。

「さて、デーモン。第2ラウンドだ」

マグナモンXの全身が金色に輝き、最初から絶対防御状態と言う本気中の本気だ。

「ミラクルグリッター!!」

「ケイオスフレイム!!」

マグナモンXの光とデーモンの業火がぶつかり合い、威力は互角、相殺された。

「相性の問題があるとは言え、まさか容易く相殺されるとは…!!むっ!?」

マグナモンXが真っ向からデーモンに殴りかかる。

「馬鹿め、真っ向から攻めるとは!!フレイムインフェルノ!!」

デーモンの必殺技がマグナモンXに直撃し、デーモンが嘲笑うが炎を突き破ってマグナモンXがデーモンの腹に拳をめり込ませた。

「ぐはっ!?き、貴様…ダメージを受けていないだと…!?」

「エクストリーム・ジハード!!」

拳に奇跡のデジメンタルのエネルギーを収束させ、拳にエネルギーを凝縮させたままデーモンを滅多打ちにする。

「ぐ…おおおおお!!」

防御をしても関係ないかのような衝撃が襲う。

それもそのはず、両拳に禁断の技のエネルギーを凝縮させて殴っているのだ。

1発1発がエクストリーム・ジハードと同等かそれ以上の威力に純粋な闇のデジモンであるデーモンのダメージは蓄積し、体力を削られていく。

「ぐっ…まさか…ここまでとは…!!」

「くそ…タフな奴だ…!!何十発も殴ってるのに…!!」

体力を消耗し、余り余裕がないのはマグナモンXも同じだ。

エクストリーム・ジハードはあまりの威力故に使用者への負担は相当な物。

それを放射はせずとも確実にマグナモンXの体力を奪っていく。

受けたダメージと残りの体力を計算し、マグナモンXは少し目を閉じた後、口を開いた。

「…この一撃で終わりにする…!!」

荒い息を吐きながらも、マグナモンXは鋭い眼光をデーモンに浴びせる。

「(あの目…気に食わんな…!!決して諦めようとしない。希望を見失わない目が…)」

純粋な闇の存在であるデーモンからすれば、その目の輝きはとても忌まわしい物だった。

「(ええい、あの目に惑わされるな!見たところ奴の体力は限界に近付いている…!!)私の全身全霊の一撃で終わりにしてくれる…!!」

デーモンが必殺技の体勢に入り、マグナモンXもまた片手をデーモンに向けた。

「(奴を倒すにはエクストリーム・ジハードしかないが、普通に放っても倒せないだろう。なら、エネルギーをいつも以上に凝縮して放つ。)」

「フレイムインフェルノ!!」

今までとは比較にならない程の規模の業火がマグナモンXに迫るが、マグナモンXは指1本にエクストリーム・ジハードのエネルギーを収束させていく。

指先に凝縮されていくエネルギーに空間が歪んだ。

「エクストリーム・ジハード」

指先から細い光線が放たれた。

その光線はデーモンの業火をぶち抜き、そのままデーモンのデジコアを正確に貫いた。

「な……に……?」

「技を少し工夫するだけでこんなにも威力が違うんだぜ。覚えとくんだな」

「光子郎さん!!」

賢はデーモンは現実世界で死なせてはいけないデジモンだと判断し、完全に消え去る前に光子郎のノートパソコンでゲートを開いて崩壊しているデーモンをデジタルワールドに強制送還させた。

こうして七大魔王のデーモンは撃破された。 
 

 
後書き
デーモン撃破。

デーモンを現実世界で倒さなかったのはヴァンデモンが生きている可能性を賢が大輔かテイルモンから聞いていたからという設定です。

デーモン戦が終わったら残りは消化試合のベリアルヴァンデモン戦だけ、普通逆なんだけどね 
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