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原作者

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第三章

「そうなるんじゃないのか」
「そうだよな」
「キャストの一新正解だったのかもな」
「潮時だったのかもな」
 こうした意見も出ていた、そしてこうした意見も出ていた。
「原作者の介入って悪いか?」
「原作者が権利持ってるしな」
「著作権な」
「その作品は原作者のものだしな」
「何て言ってもな」
 作品の権利を何よりも第一に持っていることが話された。
「それだとな」
「声優陣の一新位な」
「当然の権利だよな」
「介入とか言うけれど」
「その人の作品だからな」
「当然の権利だろ」
 原作者ならばというのだ。
「それで介入が悪いとか言うのってな」
「じゃああの作品は誰のものなんだ?」
「原作者がいるなら原作者のものだろ」
 そうなるのが当然というのだ。
「それで介入がどうとか言うのはな」
「変な話だな」
「全くだな」
「そんなに嫌なら観たり読むのを止めた方がいいだろ」
 こう思い言うのだった、そしてこの意見は新キャストの演技力もいいことが影響して次第に支持を得てだった。
 支持されだした、だが原作者はこのことに関して一言も言わず。
 アニメ化を喜びかつ描き続けた、ただそれだけであった。
 しかし次にアニメ化された時主人公が交代していただ前の主人公は最初の声優に戻っていた。このことに喜ぶファンは多かったがそこに原作者の所謂『介入』があったかどうかを言う者は今度は然程いなかった。
 しかしだ、新キャストを支持し原作者の介入があってもそれを当然とするファン達はこの時の騒動を振り返って言うのだった。
「何十年も同じ人だと無理があるぞ」
「あの怪盗の三代目だって声優さん交代していってるんだぞ」
 一度新キャストで作品が製作されたがえらく不評だった。
「声優さんも人間だぞ」
「声も演技も年齢で変わっていくんだぞ」
「五十代の人に十代の役はな」
 幾ら何でもというのだ。
「死ぬことだってあるしな」
「原作者もそうしたこと考えたんだろ」
「実際に前のシリーズで無理が観られたしな」
「それでどうとか言うのは」
「ずっと同じキャストでいろとか原作者の介入が駄目とか」
「ずっと同じ演技は人には出来ない」
 例えそれが声の演技でもというのだ。
「しかも作品は原作者のものだぞ」
「原作者のそうしたことは当然の権利だろ」
「もっと作品に介入する原作者いるぞ」
「キャスティングは自分で決めて脚本まで書く人がな」
「そうした人よりずっとましだろ」
「それで気に入らないであれこれ騒ぐのはどうなんだ」
「声優さんの年齢や演技が変わって原作者の権利はわかっておくべきだろ」
 こう思い書いていくのだった、この件は何かとアニメや原作者のことで議論の対象になったことは事実であった。そして以後も同じ様な騒動が様々な作品で起こったがその都度こうした話になったがその度にこの作品の話が参考として出されたことはいいことであろうか。少なくともアニメのこうした問題のはじまりとなったことは事実だった。


原作者   完


                  2018・8・5 
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