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ベル・クラネルが魔剣使いなのは間違っているだろうか

作者:黄泉姫
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10話

ベルは狐面を被り、人気のない通路に入る。

解放(アンロック)青紅倚天(セイコウイテン)

喚び出したのはかつてここではない世界の双子の王子が覇権を巡って争ったときに使われた宝剣。片方は赤いオーラを、もう片方は青いオーラを纏っている。

「誰かが傷付かないうちに」

片付ける。そう口にして一気に走り出す。

「落ち着いて、案内のもと避難してください」
「エイナ、こっちの方はある程度終わったよ」
「分かったわ。ミーシャも避難して」
「私もギルドに所属してる職員だよ?エイナと一緒に避難の誘導を続ける」
「はぁ、分かったわ」

エイナと同僚のミィシャはガネーシャ・ファミリアの一人からモンスターの逃走が入り、急いで誘導していた。

「こちらに落ち着いて今のうちに避難してください」
「こっちです!慌てずに」
「今、冒険者の方々がモンスターの対処に当たっています。ですから、落ち着いて」
「エイナ!後ろ!」
「え?」

後ろを振り向くと三体のモンスターがこちらに向かっていた。

「急いで!」

避難しているものたちは更に混乱し、悲鳴を上げながら走り出す。

「エイナも早く!」
「分かって…!?」
「お母さーん!お父さーん!」

エイナの目に写ったのは先程の避難の際に両親とはぐれたのであろう幼い女の子が泣いている姿。そして、その女の子を標的にした三体のモンスターの姿だった。

「危ない!」
「ちょっ、エイナ!」

エイナは走り出す。そして少女のもとにたどり着く。だが、モンスターは一メートルも無い場所にいたのだ。

「いやー!エイナ!」

ミィシャの叫び声が響き渡る。そして、モンスターはエイナと女の子に腕を降り下ろそうとする。

「そのヒトたちに触れるなぁぁぁ!」
「グギャアアアアァァァァァ」

降り下ろされるはずだった腕は誰かに斬り落とされる。

「ベル…、くん?」
「今のうちに早く!」
「う、うん。分かったよ!」

エイナはそのまま女の子を抱き抱えながら走りその場から離れる。

「終わりだ!」

ベルは体を回転させ魔剣で一気に三体のモンスターの首を撥ね飛ばした。

「ベ」
「向こうに行きます。皆さんは早く逃げてください!」

ベルはそのままその場を離れていった。

「エイナ、大丈夫!?」
「え、あ。うん…君も大丈夫?」
「うん、でも。お母さんとお父さんとはぐれちゃった」
「大丈夫、私たちも君のお母さんとお父さんを探してあげるから」

エイナはそのまま女の子を連れてその場を離れる。

「どうか、無事でいてね」
「ん?何か言った?」
「ううん。なんでもない」

小さい声でエイナはベルの無事を祈るかのような言葉を口にしたのであった。

「粗方、片付いている?」

ベルはその事に気付き、誰か他の冒険者が倒したのだ理解し、他にモンスターがいないか辺りの気配を探る。

「おーい!闘技場の方で変なモンスターとロキ・ファミリアの冒険者と戦っているぞ!それに苦戦しているみたいだぞ!」

ベルはそんな言葉を聞いて急いでそこに向かう。

「ロキ・ファミリアのメンバーが苦戦する?それにこの気配…まさか…」

ベルは一抹の不安と焦りを抱きながら急いで向かったのであった。 
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