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オズのエリカ

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第十一幕その九

「私の想像を補ってくれてまさに理想の国を築いてくれるなんて」
「そうでしょ、それで私達が見て回っている間にも」
「猫が来たでしょ」
「ええ、来ているわ」
「そうなのね、今日はね」
 エリカはお茶を飲みつつ考える顔になって言いました。
「五百人位になればね」
「いいと思っているのね」
「ええ、それで宣伝して十日後にはね」
 その頃にはというのです。
「三千人位になればね」
「いいのね」
「ええ、そう思っているわ」
 こうドロシーに答えました。
「私はね」
「そうなのね」
「それからも増えて」 
 そしてというのです。
「順調に国が発展出来ればね」
「いいのね」
「そうよ、どんな場所でも一日で成らないでしょ」
 ここでこの言葉を出したエリカでした。
「そうでしょ」
「ローマは一日にして成らずだね」 
 ジョージが言ってきました、ドーナツを食べながら。
「そういうことだね」
「ローマ?」
「外の世界にある古い街なんだ」
 ジョージはこうエリカに説明しました。
「長い歴史を経て造られていったから」
「私の国も同じってことね」
「何かが出来るまでにはね」
 まさにというのです。
「本当にね」
「時間がかかるってことね」
「そうだよ、だからエリカの国もだね」
「そうよ、すぐにはね」
「出来ないから」
「焦らないのよ」
 エリカはジョージにこうも言いました。
「絶対にね」
「そういうことだね」
「十日経ってもそしてね」
「それからもだね」
「私はじっくりとね」
「この国を治めていくんだね」
「その通りよ」
 王宮の一室で、です。エリカはジョージだけでなく皆に対して胸を張ってそのうえで答えたのでした。
「これからもね」
「そうなんだね」
「だからゆっくりと寝たりもするし」
「さっきまで寝ていたしね」
「これからもそうしていくわ」
「そこがどうかって思ったけれど」
「そうよね」
 ドロシーもアンも言います。
「それでもね」
「今はそれはエリカだって思ったから」
「それでいいってなったわ」
「逆にそうじゃないと貴女でもないし」
「そうでしょ、私は私で」
 そしてとです、エリカは二人の王女にもお話しました。
「じっくりと治めていくの」
「決断と思考はすぐで」
「間違ったら訂正していって」
「そしてよね」
「この国を治めていくのね」
「そうよ、だからね」
 さらに言うエリカでした。 
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