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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE146 燃え盛る不死鳥、マキシマム・ザ・フェニックス

須郷(すごう)――オベイロンによって呼び出されたガチャモンとモックは、オズマの排除のために自分達とオズマを分断し、因縁の対決……そして、ガチャモンとモックの召喚魔法によって召喚されたのは、現時点での実装は時期尚早として見送られているボスモンスターのマキシマム・ザ・フェニックス!燃え盛る紅蓮に身を宿した不死鳥がオズマに襲い掛かる! by立木ナレ


ガチャモン「さあ、ついに始まりました。ALOガチンコボスバトル!対戦カードはSAO生還者にして、元攻略組のオズマ君と現時点のALOでは実装は時期尚早と判断されているほどのスペックを誇るマキシマム・ザ・フェニックスです!実況はこの僕、ガチャモンでお送りしま~す」

モック「ぐほほッ!解説はこの私、モックですぞ―――!!」

まるでスポーツ中継でもするかのようにガチャモンとモックはフェニックスの後ろ側でSAO次代にもよくやっていたふざけたコントを始めていた。
出来ればワープビジョンで奴らの元にまで瞬間移動して、そのまま攻撃を加えたいのだが、まるでそれを阻む様にフェニックスの巨体と大きく広げた翼がガチャモンとモックの姿を隠していた。更に奴らは俺を警戒しているのかワープビジョンの移動距離では及ばないほどの距離からマイクで喋っているだけなので、奴らに元に辿り着いて直接攻撃を下すのは難しい。

フェニックス「キィアァァァァ!!」

フェニックスが甲高い鳴き声をあげると、大きく広げた燃え盛る翼を豪快に羽ばたかせると、強力、凄まじい熱風が俺を襲ってきた。

俺「あ、あっちっ……!!」

俺は熱風の直撃を避ける為に即座に身を屈めていた。この時点でHPバーはこれだけで数パーセントほどが減少している。今の熱風を至近距離から直撃で食らいでもしたら、どれだけのダメージを被るか分かったもんじゃない。

ガチャモン「おおーっと!フェニックスの熱風攻撃によってオズマ君は迂闊に動けないみたいです!これは早速大ピーンチ!解説のモック、これはどうでしょうか?」

モック「え~、我々サイドとしましてわ~、ボスことオベイロン氏から早急にオズマさんを排除する事を命じられておりますので、このままオズマさんがフェニックスによってさっさと灰にされて頂けると非常に助かるですな~」

ガチャモン「なるほど~、まさに試合観戦を楽しむこと以上にボスの命令の実行の優先ってわけですね!」

俺「……くっ……ふざけろよ、お前ら……!」

こっちにはせっかくアイツらを制圧する手立てがあるんだ、ここで不死鳥だか何だか知らねぇが、灰にされちゃ元も子もないだろ。
やがて、フェニックスの熱風攻撃は勢いを落としていた。
長時間続けていると威力が劣る仕様なのだろう、今なら奴に接近することも何とか可能かもしれない。

俺は屈んだ状態から足に力を込めて、地を蹴り飛ばし駆け出す。熱風攻撃の威力が衰えているとはいえ、流石に接近すると相当な暑さが全身を駆け巡るが、俺は一瞬の辛抱と割り切り、フェニックスに一気に接近する。
するとフェニックスは熱風攻撃をピタリと止めたかと思うと、今度はくちばしを大きく開けると、強大な火炎ブレスを噴き出していた。

俺「当るか……!」

目の前に迫る火炎ブレスを俺はワープビジョンで回避、移動先は既にフェニックスの眼前だった。

俺「ぐっ―――――!」

あ、熱いっ!分かってはいたがフェニックスの至近距離に来た途端に、とてつもない熱が俺を襲った。あまり長い時間はフェニックスの至近距離にいられない――俺はとにかくフェニックスにダメージを与えるべく、フェニックスに左払いからの右切り上げの二連撃攻撃を加えた直後、ワープビジョンのクールタイムが終わっていると確信し、再度の瞬間移動でその場から瞬時に離れた。

ガチャモン「ああーっと!なんとオズマ君、せっかくフェニックスに近づいたのに自分から離れちゃいました!一体何をやっているぅ―――!?」

モック「いやはや、ペインアブソーバが切られている以上、フェニックスに接近すればその高温に燃え盛る炎の身体の熱を現実と同様の感覚で実感する事になってしまいますからなぁ~。あまりの熱さに長時間フェニックスへ至近距離からの攻撃はやってられないのでしょうな~。しかし、攻撃魔法を現時点で一切修得していないオズマさんは接近での攻撃以外の攻撃手段を持ち得ないわけでありまして――これは非常に不利な状況下と言わざるを得ませんですな~」

ウ、ウゼェ……!こんなウザい実況と解説は初めてだ……!言ってる事自体はあながち的外れと言うわけでもないんだけど、それがガチャモンとモックの台詞ってだけでここまでウザく感じるとはな……とにかくもう一分一秒でも早く連中にこの強制プログラムが発動する剣を食らわせてやりてぇ!

俺「それにはひとまず、この目の前の鬱陶しい不死鳥をどうやって料理してやるかだな……」

俺はもう一度、今度は自力でフェニックスに急接近する。ワープビジョンで接近する方が遥かに楽なのだが、それをやると攻撃を食らわせた直後にワープビジョンで高熱を放ち続けるフェニックスから離れる事が出来ない。
全くクールタイムってのは厄介なもんだな……補足転移と違いタゲを取る事無くワープできるのは便利だが、補足転移とはやはり一長一短と言ったところか。

ガチャモン「おおっと!オズマ君無謀にもダッシュで急接近!けどけど、そうや問屋が許さない!フェニックスの火炎ブレスがオズマ君を襲うぞぉ―――!」

俺「一々喧しいな……言われなくても分かるっての!」

俺の接近を許すまいと言わんばかりにフェニックスは嘴の奥の口の中から再び燃え盛る火炎のブレスを吐き出していた。
それが俺に迫り、俺は垂直横方向に飛び跳ね、火炎ブレスを回避する。飛び跳ねた勢いで横方向に身体を一回転させて、そのまますぐに立ち上がることにはフェニックスは次の火炎ブレス攻撃に備えて口の中に赤い光るエフェクトを吸い込み始めていた。

俺「もうやらせるかぁぁ!!」

次で攻撃を決めるつもりで俺は猛ダッシュでフェニックスに接近する。既に目の前のフェニックスの口からは灼熱の炎が吐き出されて俺に迫っていた。俺は炎の軌道に目を向けて、右手の剣を構える。

ガチャモン「迫る火炎ブレス!圧倒的窮地!オズマ君が丸焼けになるぞぉ――――!!」

俺「なってたまるかぁぁぁぁ!!」

俺は右手の剣を左からの斬り、続けざまに右からの左斬りの二連撃の振り払いを放つ。SAO時代の片手直剣ソードスキルのホリゾンタル・アークの再現だ。

ガチャモン「ああ――っと!火炎ブレスを剣の二連撃で振り払ったぁ――!!」

モック「あれはソードアート・オンラインで片手直剣ソードスキルのボリゾンタル・アークのようなモーションですが、まさかそれで火炎ブレスを振り払うとは驚きですなぁ~」

俺「相変わらずあっちぃ!」

フェニックスの火炎ブレスを斬り払い除けた俺は、灼熱の炎で燃え盛るフェニックスに自力で眼前まで接近し、今度は真上から斬り下ろし、続けて垂直に斬り上げでV字を描くような軌道の二連撃斬りを放った。
これはソードアート・オンラインで何度も使った片手直剣ソードスキルのバーチカル・アークだ。フェニックスの燃え盛る身体をV字の斬撃が刻まれるが、それでもボスモンスターであるフェニックスのHPは大して減らない。

俺「クソ……キリがねぇじゃねぇか!」

そして、それ以上は高熱を放つフェニックスの間近にいる事は困難で俺は溜まらずワープビジョンで再びフェニックスの後方にワープして距離をとる。

ガチャモン「いやぁ~、中々のファインプレーだったけど、これじゃマキシマム・ザ・フェニックスを倒すのは何時になるやらねぇ~」

モック「いやはや、これぞまさにリアルの戦い!ペインアブソーバがちゃんと機能していれば、接近してから更に攻撃を加えられるのですが、実際に高熱を体感していると、あまりの熱さに耐えきれず、そうはいかないと言うわけですな~」

全く持って余計な事をしてくれてやがる……ペインアブソーバがまともに機能し、痛覚を感じる制限が働いていれば、敵に接近してからの攻撃はあの程度で済まさずに済んだはずだってのに。

俺が心の中でそんな不平不満を吐露していると、距離を置いた場所で羽を広げているフェニックスの全身を黄金の輝きが身を包んでいた。

俺「今度は何だってんだ……」

何の攻撃モーションなのかは分からないが、とてつもない悪寒……攻撃の予感が俺の脳裏に浮かぶ。

ガチャモン「おっとっと~、ついにフェニックス選手、あれを発動するみたいだねぇ~」

モック「本来に仕様に比べて発動が早急ではありますが、正式実装前ですので、不問としましょう」

不問も何も、お前らが取り仕切ってるも同然の戦いに違反も何もあったもんじゃねぇだろうが……苛立ちを感じている俺を他所に、フェニックスの全身が黄金の衣とでも言うべきオーラに包まれ、それを纏った状態で高く急上昇する。

ガチャモン「キタぁぁぁぁ!ゴッドフェニックスはつどぉ――――!!」

俺「―――――ッ!!」

急上昇からの俺を目掛けての、凄まじい黄金のオーラを纏った急降下の接近攻撃を仕掛けてきた。俺は咄嗟にあの攻撃はヤバい!そう判断し瞬時にワープビジョンで攻撃の軌道から外れた方角に瞬間移動し回避した。

だが――

ガチャモン「安心するのは早いぞ!ゴッドフェニックスは回避されても軌道修正からの追尾攻撃が可能だぁ――――!!」

俺「な……んだ……と……!」

ガチャモンがそんな実況をしていた頃には、既に進行方向を急旋回からの瞬時の飛行での接近攻撃で俺の全身を貫いていた。
ペインアブソーバ加護の働かない状況下では文字通り、自分よりも圧倒的に巨体な鳥に勢いよく衝突された衝撃が俺を襲う。

モック「え~、あの攻撃はプレイヤーの防御数値、攻撃側の攻撃数値などに関係なく、攻撃を受けたプレイヤーの最大HPの50%のダメージを与える技ですぞ~」

凄まじい衝撃に言葉を発する事の出来ない俺の状況をモックが淡々と解説で説明する。奴の言う通り、今の一撃で俺が食らったダメージは丁度俺の最大HPの内の半分ほどのダメージだった。
すなわち、あのゴッドフェニックスを食らえば、俺の残りのHPはそれで確実に0となる。

俺「俺の残りHPは100%中の50%以下で、フェニックスの方は100%中のだいたい90%ってところか……圧倒的に負けてるじゃねぇかよ俺……」

この時点で俺は最早このまま戦い続けたところでフェニックスを倒せる勝算など何一つ無く、どう戦ったところで、俺がフェニックスを倒すイメージなど全く思い浮かばなかった。

ガチャモン「くすす、どうやらオズマ君が灰と化し、綺麗に消えるのも時間の問題みたいだね~」

モック「ああ、ソードアート・オンラインでは黒の剣士と双璧を為す実力の補足転移使いのオズマさんが今負けようとしている……我々は衝撃的な瞬間に立ち会う事になりそうですな~」

勝手に実況解説を続けるガチャモンとモックの鬱陶しい声が否応に耳に届き、俺は奴らに対する無駄な抵抗のつもりで言い返す。

俺「何言ってやがる……お前らこそ、何時までも楽し気に実況解説なんてやってられると思ってんじゃねぇだろうな……?」


オズマ、フェニックスを前に勝算を見いだせず、自ら倒すのは不可能と判断しつつも、未だにガチャモンとモックを斬る事を諦める様子なし……一体どうこの窮地を乗り切る! by立木ナレ 
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