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星河の覇皇

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第六十九部第二章 軍と警察その十三

「私はそう思いますが」
「それは買い被りでは」
「いえ、連合軍はです」
「私でないとですか」
「ここまで円滑に運営出来なかったと思います」
「今の予算では」
「今回の作戦にマウリア、サハラとの国境警備の充実」
 この二つにだった。
「今度は百個艦隊を率いる超々巨大戦艦の開発、建造」
「そのこともあり」
「はい、全て実行されるのは」
「出来なかったというのですね」
「そうだったと思います」
 まさにというのだ。
「長官でなければ」
「そこでぎりぎりでしたが」
「予算の」
「はい、あの戦艦の開発、建造で」
 そこまで、でというのだ。
「予算は限界です」
「それでもです」
「だといいですが」
「あの戦艦はです」
 ディカプリオはまた言った。
「開発は順調でしたね」
「はい、かなり」
「それでは」
「建造もです」
「暫くすればですか」
「はじめられます」
「そうですか」
 ここでだ、こうも言ったディカプリオだった。
「では」
「今回の作戦にですね」
「間に合えば」
「軍としてはですね」
「戦場に出したいですね」
「実戦に使うのではないですか」
「使いたいですがそれ以上に」
 さらにというのだ。
「資料で見た巨体ならば」
「それを海賊達に見せれば」
「ティアマト級以上の衝撃になります」
 この巨大戦艦よりもさらにというのだ。
「ですから」
「是非ですね」
「出したいです」
 戦場にというのだ。
「それも前線に」
「威圧の効果も狙って」
「海賊達の船は旧式なものばかりですが」
「その彼等にですね」
「あの戦艦を見せれば」
「それだけで、ですね」
「戦意を削ぐことが出来ます」
 それが確実だからというのだ。
「ティアマト級以上に」
「ティアマト級でも」
「はい、彼等はそもそも戦艦クラスの船すら滅多にありません」
 これは連合軍設立以前の戦艦という意味である、即ち各国のそれぞれの戦艦だ。かつては各国がそれぞれの艦艇を保有していたのが連合なのだ。
「しかしです」
「その彼等にティアマト級を向ける」
「それだけでも効果がありますが」
「それ以上にですね」
「あの戦艦を向ければ」
 ティアマト級よりも遥かに巨大なそれをというのだ。
「かなり期待出来るので」
「だからですね」
「出したいです」
「そうですか」
「実戦での戦力も確かめられますし」
「そのことも期待出来ますね」
「尚更いいです」
 このことも考慮すればというのだ。 
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