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デジモンアドベンチャー Miracle Light

作者:setuna
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第64話:完全体

 
前書き
原作ではここら辺からアーマー体の限界が見えてきた所ですかね 

 
大輔は現在、ヒカリと共にデジタルワールドの都市をライドラモンに乗りながら走り回っていた。

「ライドラモン!!」

「サンダーボルト!!」

後ろから迫るミサイルをライドラモンが電撃を放出して迎撃する。

そのまま放った電撃を精密なコントロールで操作し、ミサイルを放ったガードロモンの輪を破壊した。

何故大輔達がこのような状況に陥っているのかと言うと、少し前にドーム状の建物の中に出来た機械の都市のような場所に大輔達は来ていた。

砂漠の中に出来た不思議な場所にもダークタワーがあり、ダークタワーを破壊するために中に入ったのは良いものの、ガードロモン達が現れ、迎撃したのだがあまりの数に劣勢を強いられてしまう。

一度退避することになったのだが、広範囲の攻撃を得意とするライドラモンがいる関係上、殿を務めてヒカリは後ろの方にいたためにテレビを破壊された際に残る羽目に。

「何とかして外に出て、テレビを見つけるか、ダークタワーを破壊するか…」

「ごめんなさい、大輔君。足引っ張って…」

「別に良いよ。悪くないのに謝らなくて良い。すぐ謝るのヒカリちゃんの悪い癖だぞ」

「そうだな、謝らなくて良い時は謝らなくてよろしい」

「ヒカリはあんたと違って良い子なのよ…わっ!?」

ライドラモンはテイルモンをガードロモンの密集地帯に弾き飛ばした。

「乗せて貰っている身分の癖に偉そうに言うな。ボコられて反省しろ。それじゃあ、ガードロモン!そこの不衛生ネズミを頼んだぜ☆」

「「酷…」」

数分間走り回って物陰に隠れると…。

「待ちなさい、あんたー!!」

「チッ、毛は焦げているけど無傷みたいなもんか。ガードロモンに徹底的にボコボコにされれば良かったのに」

「ぜえ!!ぜえ!!あんたよくも私をあんな死地に弾き飛ばしたわね!!死ぬかと思ったわよ!!」

所々の体の毛が焦げていることからミサイルを何発か放たれたのだろう。

「いっそボコボコにされてデジタマに戻って転生してマシな性格になって生まれ変われば良かったのにな」

「何ですって!?」

「「…ぷ…ふふふふ」」

「「?」」

突如笑い出した大輔とヒカリにライドラモンとテイルモンは疑問符を浮かべる。

結構絶望的な状況なのに余裕な態度はかなり頼もしかった。

「ヒカリちゃん、諦めるわけにはいかないな」

「うん」

「じゃあ、戦う前にうちのパンケーキ食っとくか?旦那に姐さん」

「「へ…?」」

立ち上がった際に聞き覚えのある声に慌てて振り返る大輔達。

「「「「ハニービーモン!?」」」」

「よう、久しぶり」

「久しぶり…じゃねえ!!何でお前がここにいるんだ!?」

「ここで店してるから」

「「「「あ、そうですか…」」」」

大輔の問いに対してのハニービーモンの簡潔すぎる答えに脱力する大輔達。

「まあ、立ち話もあれだし中に入ってくれ」

「「「「し、失礼します…」」」」

中に入ると甘い香りが鼻腔を擽る。

何故か中ではチャックモンとパンプモンとゴツモンが店員をしていた。

「まあ、適当に座ってくれ。厳選した蜂蜜を使ったパンケーキとハニー珈琲の味を楽しんでくれ」

「敵地でなけりゃあな」

「あんたと意見が合うとは珍しいわね、敵地で悠長にパンケーキと珈琲なんか楽しめるわけないでしょ!!」

「まあまあ、取り敢えずこれとこいつを飲み食いしてから言ってくれ。ミルクは?追加の蜂蜜は?」

「えっと…じゃあ珈琲にミルク追加で」

少し飲んでミルクの追加を頼むと、温くしないようにミルクパンで温めたミルクを注ぐ。

ヒカリやブイモン、テイルモンのにも同様に。

「あ、美味しい!!」

ヒカリはハニーミルク珈琲を飲んで表情を輝かせた。

ブイモンとテイルモンはパンケーキにナイフとフォークを刺し込む。

「ふ…ふわふわ過ぎる…」

抵抗がまるでかからずケーキが切れたことにテイルモンは驚愕する。

「うーむ、さっくりふんわりな食感、見た目は厚みのある感じなのになあ…」

汗を流しながらパンケーキを頬張るブイモン。

「作り方にも拘っているが、ふわふわな食感にするのに一役買ってるのはやはりマヨネーズだな」

「「「「マヨネーズ!?」」」」

予想外の工夫に大輔達は驚愕する。

「マヨネーズの原材料の酢と油がパンケーキが膨らむのを助けてくれる。現実世界で家事手伝いをしていた時に蜂蜜を使う菓子を及川のパソコンで調べてみたらマヨネーズの偉大さを知ったのさ」

何でもパンケーキを普通に焼いてふんわりとならないのは、小麦粉のグルテンが固く結合してしまうかららしい。

生地にマヨネーズを大さじ1位の量を混ぜて焼くと、乳化された植物油や酢がグルテンの形成に影響を与え、生地が膨らみやすくなるだけでなく柔らかくなる。

それだけでなく更に表面はサクッとした食感になる。

因みに裏面を焼く時は蓋をして焼くと、よりふんわりと出来上がる。

「マヨネーズ…凄え…!!」

「ええ、マヨネーズ…侮れないわ…!!」

驚愕する2体。

菓子作りにも使用可能な万能調味料・マヨネーズの偉大さに震えるしかなかった。

「それにしても良く輪に操られなかったなお前。」

「あんな遅い輪なんかに引っ掛からねえよ。爪で弾いてやったぜ」

「…あんた、輪に操られていたデジモン達を敵に回すわよ」

「それにしてもありがとう、助かったよハニービーモン」

「ああ、旦那と姐さん達がまたデジタルワールドに積極的に来られたことを考えれば嬉しいが、原因があのクソガキであることを考えれば人間の立場は悪くなってるかな?」

「「クソガキ?」」

「カイザーなんかただのクソガキだろ。自分の要求が何でも通ると勘違いしたまま図体だけ無駄にデカくなっただけの我が儘なクソガキだ…と、珈琲のお代わり要るか?」

「あ、もういいや。御馳走様」

「御馳走様…私達お金…」

「良いんだよ、昔姐さん達には世話になったからなあ。お代は要らねえよ。」

太っ腹なハニービーモン。

何やかんやでエネルギー補充出来たし、有り難いのは確かだった。

「じゃあな、賢に伝えとくよ」

「おう、喫茶店・MITSUBACHIをこれからも夜露死苦」

「美味しいパンケーキと珈琲でお出迎えするからね」

ハニービーモンとチャックモンに見送られて、去っていく大輔達。

途中で後ろから凍結音が聞こえたり後ろから紫の鱗粉が舞い上がったりしたのを見ないふり聞こえないふりした。

「それにしてもあいつら喫茶店してたんだなあ」

「意外ねえ、てっきり不良に戻ってるかと思ったんだけど」

「さて、ハニービーモン達も手伝ってくれていることだし。俺達も何とかダークタワーを壊そう。今なら何とかなりそうだ…デジメンタルアップ!!」

「ブイモンアーマー進化、ライドラモン!!」

ライドラモンに進化し、後方に電撃を放射しながら駆け抜ける。

すると前方からもガードロモンの大軍が現れる。

「邪魔だああああ!!ブルーサンダー!!」

電撃弾が前方のガードロモンを薙ぎ払う。

そして一直線に突き進んで周囲の建物を破壊してガードロモン達の進行を妨害。

目指すのは言うまでもなくダークタワー。

「よし、到着だ」

ダークタワーの近くまで近付くことが出来た。

後はこれを破壊すれば…。

「ガードロモン達が来る前に早く壊さなきゃ…」

「よし、ライドラモン。頼む」

「おう、ライトニングブレード!!」

ダークタワーに向けて振り下ろされる電撃刃。

しかし真横から放たれたエネルギー刃がそれを砕いた。

「くっ、誰だ!?」

エネルギー刃が飛んできた方向を見遣るとそこには懐かしい存在がいた。

「「アンドロモン!?」」

喜色を浮かべる大輔達だったが、アンドロモンに填められている輪を見て表情を歪める。

「アンドロモンもあの輪に操られちまってるのか…」

「そんな…」

「仕方ないさ、ミミの知り合い達でさえあの輪に操られたら襲ってきたんだ。」

ピクニックの際に知り合いのゲコモンやオタマモン達と遭遇したらしいが、輪によって操られ、襲いかかってきたらしい。

「操られてるなら、ショックを与えて叩き直してやるさ」

「でも、アンドロモンは私達の…」

「ヒカリ、お前は今のアンドロモンの姿を見て思うことはないのかよ?仲間があんなのの良いように操られて…俺がアンドロモンの立場なら倒してでも止めて欲しいと思うね…行くぞアンドロモン!!ライトニングブレード!!」

「…スパイラルソード」

ライドラモンの電撃刃とアンドロモンのエネルギー刃が激突するが成熟期と完全体の力の差は覆せず、ライドラモンはエネルギー刃を浴びて吹き飛ぶ。

「くっ!!」

電撃刃との激突で威力が低下していたので退化はしなかったが、鎧に罅が入る。

「流石に完全体は強いな…これならあれに進化しても大丈夫そうだな。」

「アーマーチェンジ!!」

「アーマーチェンジ、サジタリモン!!」

ライドラモンからサジタリモンにチェンジしてアンドロモンを見据える。

サジタリモンは通常のデジメンタルを使用してのアーマー体の中では完全体級の強さのアーマー体だ。

選ばれし子供のパートナーデジモンの完全体の中でも上位に位置するサジタリモンならアンドロモンにも有効なダメージを与えられるだろう。

「…行くぜ」

「スパイラルソード」

アンドロモンがエネルギー刃を繰り出すが、サジタリモンは横に移動してかわし、アンドロモンとの距離を詰めた。

「はあ!!」

アンドロモンの腹部に連続打撃を叩き込む。

流石のアンドロモンもこれには表情を歪めて胸部ハッチを開いてミサイルを放とうとするが、一瞬で背後に回り、後ろ足による蹴りでアンドロモンを吹き飛ばし、建物に激突させた。

そして空中にいるアンドロモンに弓矢を構え、放った。

「ジャッジメントアロー!!」

必殺技のクロンデジゾイド製の矢を放つ。

勿論全力ではなくちゃんと手加減はしている。

ジャッジメントアローはクロンデジゾイドの硬度に発射時の速度も加算されるために殺傷力が高すぎるのだ。

だからサジタリモンが僅かでも加減を誤ればアンドロモンのクロンデジゾイド製の装甲すらぶち抜いてアンドロモンを殺してしまう。

サジタリモンの加減は完璧だった。

アンドロモンの装甲に激突したが、装甲を僅かに抉った程度で済み、アンドロモンはそのまま矢の勢いに押されて建物に激突した。

「ふう…」

警戒しながらアンドロモンに歩み寄るとアンドロモンはよろめきながらも立ち上がる。

目は赤い輝きを放ったままだ。

「…おい、アンドロモン。情けないぞお前。そんなガラクタに操られちまってさ。ダークマスターズと1人で戦い続けていた闘志と根性はどこに行った?」

「ダーク…マスターズ…?」

「一緒に戦って、記念写真も撮ったろ。苦楽を共にした俺達の友情はそんなガラクタに操られちまうくらいに弱いものなのかよ!!」

「一緒…記念…写真…?」

徐々に理性を取り戻していくアンドロモンの目。

サジタリモンは最後の一撃を叩き込む。

「目を覚ませ、アンドロモン!!」

額に拳を叩き込むとそれが気付けとなったのか、アンドロモンの目に理性が戻った。

「ブイモン…?」

今まで錆付いていたアンドロモンのデータが突然クリアになって行く。

3年前の姿。

とても小さく、弱いが強い存在達。

選ばれし子供達。

苦楽を共にした大切な仲間達。

「目、覚めたか?この大馬鹿野郎」

「ああ、面倒をかけた…私はこれで操られていた…」

アンドロモンが輪に手を伸ばし、それを砕いた。

「ダークタワー…よくも私達を…!!ガトリングミサイル!!」

両胸のミサイルハッチから、2発のミサイルが発射され、ダークタワーは破壊された。

途端に、ガードロモンにはまっていた輪が機能を失い、彼らの動きが止まった。

すぐさまアンドロモンは書き換えられていたデータを上書きし、ガードロモンを再起動させる。

「私ハ、もう2度とカイザーの思い通りにさせないよう、この街を守る」

アンドロモンはそう宣言し、大輔達はこの街をアンドロモンに任せる事にして現実世界に戻るために街の外に。

「大輔君!!ヒカリちゃん!!」

「大丈夫だったかい?」

タケルと賢が急いで駆け寄ってくる。

サジタリモンの姿を見てどうやら無事にダークタワーを破壊したようだと悟ったようだ。

こうして現実世界に戻り、心配した家族や仲間に怒られた大輔とヒカリであった。

「(それにしても完全体を出してくるとはなあ…正直今のままじゃヤバいと思うんだよな。だって俺以外完全体への進化出来ないし)」

不完全とは言え完全体を出してきた治にブイモンは少しだけ危機感を抱き始めていた。

そして今回、大輔達はパソコン室ではなく火田家の道場に集まっていた。

「さてと、みんなが集まったから、これからのことについての会議を始めます」

「おう」

大輔が全員を見渡しながら言うと、太一が頷いた。

「えっと、みんなが知っての通り、デジモンカイザーもとい一乗寺治は不完全とは言え完全体を支配し始めています。アンドロモンを出してきたのがその証拠です。」

「そうだな」

大輔の言葉にヤマトが頷いて、話の続きを促す。

「今は不完全だけど完全な支配が出来るようになったら俺達はかなり不利な状況になります。何故ならブイモン以外完全体への進化が出来ないからです」

「そうだよなー。俺達は紋章の力をデジタルワールドに使っちまったから…」

「究極体どころか完全体への進化すらままならない。正直まだあいつが完全体を完全に支配出来ていない今がチャンスなんだけどな」

「一乗寺治さんの行方は未だに不明です。正直どこに彼の拠点があるのか…」

拠点さえ発見出来れば総攻撃を仕掛けて治を現実世界に叩き返すことが出来るのだが、やはり簡単にはいかない。

「そこでだ。俺達もパワーアップしないといけないなと感じてるんだ」

「パワーアップ?」

ブイモンの言葉に丈は疑問符を浮かべた。

「変態仮面の拠点がすぐに見つかればそれでよし。でもそうでない場合、完全体とやり合う確率は凄く高くなる。だからテイルモン達にも完全体のアーマー体に進化出来るようにしたい」

「完全体のアーマー体?サジタリモンみたいな?」

「まあ、そんな感じだ。まあ、サジタリモンの場合はデジメンタルの力を戦闘面に振り分けたから完全体級の力になったわけで例外だなあれは。ブイモン一族とテリアモン一族とロップモン一族以外の古代種がアーマー進化で完全体の力を使うにはメタル属性の…奇跡のデジメンタルが必要なんだ」

「奇跡のデジメンタルって、ブイモンがマグナモンにアーマー進化するために使うあれよね?」

空がブイモンがマグナモンにアーマー進化するために使用する希少なデジメンタルを思い出しながら尋ねる。

「そう、多分これからの戦いを乗り切るには奇跡のデジメンタルの力が必要になると思う。」

「マグナモンに進化出来ればあっさり片付くのにね」

究極体の中でも上位に位置するマグナモンの力ならすぐに治を叩き潰せると言うのに。

「デジタルワールドの安定のために使われてるんだ。すぐには返せないんだってよ」

勿論ブイモンだって分かっている。

マグナモンの力さえあれば治如き一瞬で終わることを。

しかし大輔の奇跡のデジメンタルは特別中の特別で、デジタルワールドの安定のために使われているのだ。

「だから、ゲンナイの爺さんに奇跡のデジメンタルを新しく作れと脅し…ゲフンゲフン。じゃなくて頼んだんだ。メールで」

「今、脅したって言おうとしただぎゃ」

「メーン!!」

「だぎゃああああ!?」

ウパモンの脳天に叩き込まれる竹刀。

ウパモンの意識は深い闇の中。

「とにかく、ゲンナイの爺さんが奇跡のデジメンタルを製作中なんだ。正直どこまでかかるのか…」

高純度クロンデジゾイド、莫大なエネルギーと、どこまでかかるのやら。

因みに無理とかほざいたらミミに頼んでヌメモン軍団を押し寄せさせると念を押したので大丈夫…なはずだ。

「とにかく、それまではブイモン達に踏ん張ってもらうしかないわけだな」

太一が戦力強化が出来るまではサジタリモンに頑張ってもらうしかないということに溜め息を吐いた。

「と言う訳で今日はこれで解散だね」

丈がそう言うと全員が頷いて道場を後にした…。

伊織の母から食事をご馳走になってからだったが。 
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