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オズのエリカ

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第十一幕その一

               第十一幕  寝て待つだけで
 エリカはアン達を宮殿の地下のフロアに案内しました。そこはとても奇麗な部屋が揃っていました。
 白い大理石できらきらしています、そして黒檀のテーブルも見事でソファーもベッドもふかふかです。
 そこを案内してです、エリカはアンに尋ねました。
「どうかしら」
「ええ、これならね」
 アンはエリカに満足している顔で答えました。
「充分過ぎるわ」
「そうでしょ、お風呂もあるし」
「お風呂凄いね」
 ジョージが言ってきました。
「水風呂もあって」
「サウナもあるわね」
 ナターシャはそちらのお風呂を確認しました。
「ここで思いきり汗もかけるわね」
「湯舟が幾つもあるから」
 神宝はそこに注目しています。
「普通のお湯のお風呂に薬膳湯も入られるね」
「まさかこんなに充実してるなんて」
 カルロスも予想外でした。
「凄いね」
「まさかこんなにいい場所を考えているなんて」
 恵梨香も驚いています。
「凄いわね」
「ええ、凄いでしょ」
 エリカはジョージ達五人に胸を張って応えました。
「これもね」
「全部なんだ」
「そうよ、私が考えたものよ」
 まさにとです、エリカはジョージに答えました。
「まさにね」
「そうなんだね」
「ええ、それとね」
「それと?」
「ここはね」
 さらに言うエリカでした。
「ちょっと違うのよ」
「違うっていうと」
「そう、よく見るのよ」
 こう言ってです、エリカはジョージ達に今自分達がいるバスルームの中の大理石の像を指し示しました。見ればここにも猫の像があります。
「この像を」
「あれっ、この像って」
「そう、ここには私の像を置いたのよ」
 見ればエリカは座っている像です、そのエリカも胸を張っています。
「つまり私がお風呂に入っている皆を見守っているのよ」
「そうなんだ」
「そう、だから安心して入られるのよ」
「それが違うんだ」
「普通のお風呂とね」
「君が見ているからだね」
「そうよ、凄いでしょ」
 ジョージに胸を張って言うのでした。
「だから安心して入るのよ」
「そうすればいいんだね」
「今日から入られるから」
 このお風呂にというのです。
「安心してね」
「それじゃあね」
「そしてね」 
 さらに言うエリカでした。
「まだシェフは決めていないけれど」
「人のお料理もだね」
「出せる様にするわ」
 今後そうしたこともするというのです。
「ちゃんとね」
「じゃあ今はね」
 アンがエリカの今の言葉に応えて言いました。
「私がテーブル掛けで出すわね」
「これまで通りそうしてくれるのね」
「任せてね。それで貴女は」
「もう猫用の料理を出してくれるシェフは決めたから」
 その猫はというのです。
「だからね」
「そちらのお料理を食べるのね」
「そうするわ、傍のお池でお魚を獲って」
 そしてというのです。 
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