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【完結】猫娘と化した緑谷出久

作者:炎の剣製
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猫娘と強化合宿編
  NO.081 暴走する個性と対処法

 
前書き
更新します。 

 



出久は森の中を走りながらも一人色々と思考を巡らせながらも考えていた。
マスキュラーはこう言った。
爆豪が倒されて呆然自失状態であった自身の耳にも届いていた。

『そんじゃつまんねぇ幕切れだが連れ去るぜ?』

と……。
そのすぐ後の記憶が全くないことからここから洸汰の説明通り記憶が飛ぶくらいにがむしゃらになってマスキュラーを倒したのだろうと出久は考えていた。
だが、まさかフォウが代わりになって戦ってマスキュラーを倒していたとは思うまい。

「(やっぱりヴィラン連合の目的は僕を連れ去ること……僕も、相澤先生も考えが甘かったのかもしれない……ヴィランはどこかで雄英の誰かと繋がっているかもしれないって懸念があったけど、本格的にそれが真実味を帯びてきた……どうにかして僕がヴィラン連合に捕まらずに、尚且つみんなを救い出さないと! 僕一人じゃ無理かもしれないけど……でも、みんなが集まって一致団結すればどうにかなるかもしれない!!)」

そう出久は考えて今すぐにでも救いたいという気持ちを昂らせていた。
と、その時だった。


―――ダァンッ!


突如としてなにかの破裂するような音が遠くから響いてきた。
その音をなんなのかを出久はすぐに察した。

「(今のは、もしかして銃声!?)」

それで焦りを感じた出久であったが、また次の瞬間に黒い巨大な手がいきなり襲い掛かってきて咄嗟の行動ができなかった出久はなんとか腕を交差して防ごうとしたが、

「……緑谷。大丈夫か……?」
「障子君……?」

いつの間にか自身のもとへと引っ張っていてくれたのか障子の姿がそこにあった。
だが、見て分かる通りに障子の姿は少々ボロボロでなにかしらの攻撃を受けたのが分かる感じであった。

(飯田)を助けたいが一心に駆けて来たのか……先ほどの相澤先生の言葉もおそらく緑谷がマンダレイに伝えたのだろう?」
「う、うん……」
「やはりか……」
「そ、それより障子君はなんでそんなにボロボロなの!?」
「シッ!……静かに、小さな声で話すんだ……。少しでも物音を大きくすると……、()に気づかれてしまう……」

それですぐに出久も状況を察したのか口を押えながらも障子の見る目線の先を見る。

「今のって……」
「あぁ……ヴィランに奇襲をかけられて俺が庇った(・・・)……だが、それが仇となってしまい奴が必死に抑え込んでいた“個性”のトリガーを外してしまった……ここを通りたいのならまずは奴をどうにかしないといけない……」

それで出久は雄英体育祭の時の()の説明を思い出す。

『俺の個性は闇が深いほど攻撃力が増す、だが同時に獰猛性も増してしまって制御が非常に難しくなる』

……そう、障子と出久の視線の先には黒影(ダークシャドウ)が暴走してしまい暴れまわっている常闇踏陰の姿があったのだ。

「俺から、離れろっ! 死ぬぞっ……!!」

そう言いながらも必死に黒影(ダークシャドウ)を制御しようとする常闇。
そこで障子はなにかに思い至ったのか出久の方へと振り向く。

「緑谷。お前の個性に炎術があったな……? あれでどうにか常闇の個性を弱体化してやれないか……?」
「ッ……!」

障子にそう問いかけられるが、出久は一回手のひらを出して個性を使おうとするが、そこには少々の炎のきらめきしか出せない事を障子に見せる。

「ごめん、障子君……ここに来る前に一回強敵だったヴィランと戦って大猫化を使っちゃったから大体の個性が使用後のデメリットで弱体化しちゃってるの……」
「ッ!?……そうか」

障子も雄英高校の授業で出久の個性のデメリットを知っていたためにそれ以上は追及しなかった。


「しかし、まいったな……見て分かる通り、俺の複製椀がヴィランに切られてしまって、その光景もあいつは見てしまったがために義憤や悔恨などの感情も相まって暴走が激化している……。どうにか抑える手立てがないか……」
「うん……可能性があるとすれば、飯田君と轟君のペアに出会えればいいんだけど……」
「ああ。無難で最適だ。だが、どうする……?」

二人が小さな声で話し合っている間にも常闇と黒影(ダークシャドウ)は森を壊し続けている。
そして障子が小枝を踏んでしまい、『パキッ!』という音を鳴らせてしまう。
すぐさま暴走した黒影(ダークシャドウ)が攻撃をしてくるが、なんとか出久が弱体化しているが使える怪力の力で障子事掴んで横に飛ぶ。

「すまん……」
「ううん。お互い様だから……」

「俺のッ……事はいい!……ぐっ!! 他と合流し……他を助けだせ!! 鎮まれ……! (ダーク)……(シャドウ)!!」

苦しそうに常闇が頑張っている。
今、助け出さなければいけない。
だが、どうするかが問題だ。

「緑谷……俺はどんなことがあろうとも苦しんでいる友を捨てて置いていく人間にはなりたくはない。お前の事だから飯田を含めて救い出したいという気持ちだろう?」
「うん、当然」
「ならば、お前の知恵でこの状況を打開する手を考えてくれ。お前の個性に対する知識なら俺より役に立つだろうからな」
「障子君……うん、まかせて! 僕もみんなの事を救いたい……常闇君だって救いたい!」

出久はそくざに今現状で使える手を模索する。
自身の個性が弱体化して使い物にならない以上は光物のある場所に誘導する必要がある。
合宿施設はもっとも遠いから除外。
燃えている森に移動するにしても時間がかかる。
一番今の所で成功確率が高いのはやはり……、そして障子の個性である複製椀。
ここから出久は一本の解決策を導き出した。

「障子君……いけるかもしれない」
「聞かせてくれ……その作戦とやらを」

障子も出久の考察には一目置いているためにすぐに反応した。
そして行動を開始する。







違う場所ではB組の鉄哲徹鐵と拳藤一佳がガスを森中に散布している見た目は中学生くらいの制服を着ているヴィランを何とか倒しているところであった。

「俺らのッ……ツハァッ……合宿を滅茶苦茶にした罪、償ってもらうぜガキンチョがぁ……」
「鉄哲……頑張ったね」

大の字で寝っ転がる鉄哲。
八百万から貰ったガスマスクも拳銃で壊されてしまい、息ができない中でも拳藤とともに頑張った結果である。
これでガスの発生源は断つことに成功したのであった。







飯田と轟の二人は防戦一方であった。
ムーンフィッシュの鋭利な刃物の攻撃が幾重にも伸びてきて飯田を中心に襲い掛かる。
おそらく命令通りであろうがそれをさせまいと轟が氷の壁を展開して何とか防いでいる。
だが、いずれは限界も近いであろう。

「はぁはぁ……奴、飯田を特に狙いに着けてやがる……」
「轟君……」
「お前は前に出るなよ? 防ぎきれなくなる……」
「すまない……」

飯田は己の無力感を感じていた。
これでは保須市の時と同じではないか、と……。
そんな事を考えている時だった。
『メキメキメキッ』という破砕音とともに出久と障子が暴走している黒影(ダークシャドウ)からなんとか逃げている光景が映ったのだ。

「いた! 氷だから轟君だ!」
「轟! 頼む、炎を使ってこいつを抑えてくれ!」

ここに来るまで出久達は障子の複製椀を伸ばして囮にしてなんとか轟達の所までやってきていたのだ。
そして運が悪かったのかムーンフィッシュは黒影(ダークシャドウ)によって地面に叩きつけられてしまっていた。

「よし!」

轟が炎を使おうとするが、ふと飯田が腕を出して静止させる。

「飯田……?」
「今は手を出さないほうがいい……あのヴィランの巻き添えになってしまう……」

飯田の言葉通りに黒影(ダークシャドウ)とムーンフィッシュの戦闘にもつれ込んでいて下手に手を出せない状態になっていた。

「横取りするなぁぁぁぁ!!!!」

ムーンフィッシュが必死に叫び攻撃をするが、黒影(ダークシャドウ)はそれを意に介さず、

「強請ルナ、三下ァァ!!」

強烈な反撃によってムーンフィッシュを一瞬にして倒してしまった。

「ア゛ア゛ア゛ア゛、暴れ足リンゾォォア゛ア゛ア゛ア゛!!」
「ッ!」

だが、ヴィランが倒されたことを見逃さなかった轟はすぐさま炎を出して黒影(ダークシャドウ)はすぐさま弱体化して萎んでいった。

「平気か常闇……?」
「ああ……助かった」
「しかし、俺らが苦戦していたヴィランをああも一瞬で……」
「すさまじいな……」

飯田と轟はそれである意味感心していた。
だが常闇は後悔の念が強かったために障子と出久に謝罪の言葉を述べてきた。

「すまなかった……」
「気にしないで」
「ああ。それより飯田とも合流できたのは幸先がいいかもしれないな」
「そうだね」
「それはどういう意味だい? 緑谷君。というか爆豪君はどうしたんだい……?」
「それは……ちゃんと無事に帰れたら説明するよ」
「わかった」

それから気絶していて轟が担がれている円場を数にいれなくとも戦えるメンバーが5人になったために、この調子ならなんとかなるという希望を抱いた一同はどうにか施設まで戻ろうと移動を開始したが、








「(フフフ……あの影の少年もいいねぇ。ですがそれよりも朗報なのはあのマスキュラーを倒した力も今は使えない模様……さすがの俺もあんなのとは戦いたくはないからね……隙を伺おうか)」

仮面を被ったヴィランが今か今かと決行の時を窺っていた。

 
 

 
後書き
かっちゃんと飯田君の違いは純粋に力量の差を見た飯田と倒すのを見たいかっちゃんみたいな感じですかね?



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アニメ映像化おめでとう!! 
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