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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE139 倉崎と言うクズ その四+オリジナルキャラクター紹介

 
前書き
早い所、本編の続きを書きたいのは山々ですが今回はまたしても倉崎の大学時代の話です。これはこれで書いていて自分では中々笑える話ですので。 

 
西暦2010年代後半……東都工業大学、重村ラボにて! by立木ナレ



須郷「や、やった……やったぞ……よ、ようやくここまで……ここまでの精度にまで仕上げたんだ……!!」

東都大学重村ラボの学生である須郷は一枚のマイクロSDを血走った不気味な眼光で見ながら、息絶え絶えと言った様子の声でそう呟いていた。

比嘉「あ、須郷せんぱ~い。そいつの開発ってまだ続けてたんっすねぇ~」

不気味で近寄りがたい雰囲気すら放っている須郷に飄々とした口調と声色で声を掛けたのは、東都大学の一年生で後輩の比嘉タケルであった。彼は一年生ながらIQ140と称されるその卓越した頭脳を見込まれ、名門の重村ラボの一員となり、大天才と称される茅場晶彦、大きな格差こそあり、本人は良く思っていないものの、永遠の№2須郷に次ぐ逸材として見られる程であった!

須郷「クク……クク……クキキキキキ」

須郷は血走った眼を比嘉の方に向ける。その目は既に焦点が定まっておらず、尋常ではない精神状態である事が目に見えて分かるほどで、比嘉は表面上は平静とした態度で接しているが、内心では須郷の事を危険な薬に手を出した異常者なのではないかと思わざるを得ないほどであった。

須郷「まだ続けてた……だって?クク……ククククク……むしろさぁ比嘉くぅ~ん。続けない理由が何一つないじゃなぁいかぁ~。何せこれは僕が茅場先輩を超える事を証明する為の切り札なんだからさぁ~」

比嘉「あ~、はいはい。よ~く分かってるっすよ……人間の脳に移植可能で記憶に干渉する事が出来るんすよね?―――完成したらの話っすけど」

須郷が心血を注いで研究に打ち込んでいるマイクロSDの正体はまさに前代未聞!マイクロSDでありながら人間の脳内に移植を可能とし、移植された人間の記憶のコピー……更にはマイクロSDに保存されている記憶データ、知識データを、人間の脳にインプットさせる事すら可能という構想で開発されていると言う、一見するとそんな事が出来るはずなどあるか!と思われる代物であった―――

須郷「ククク……クククク……今に見てろよ茅場晶彦!こ、これが完成さえすれば僕は名実ともにアイツを―――あの男を超えた事になるんだ……!!そ、そうすれば……これまで奴一人に注がれていた地位も期待もす、全て――全て僕の物!そ、そして……か、彼女も僕の物にぃ~」

比嘉「自分の物になると良いっすねぇ~、神代先輩が……」

茅場の開発の一端を見聞きしたことのある比嘉は、ハッキリ言って須郷がこのマイクロSDを完成にまでこぎ着けたところで茅場を超えた事になるとは到底思えないのだが、茅場晶彦の恋人、神代凛子に想いを寄せていると言う点では同じであり、彼女が自分の元には――という想像をした事が無かったわけではないのは事実であった。

そして比嘉は、まるで子供の頃に見た事のあるアニメの如何にもなマッドサイエンティストのような笑みを浮かべる須郷を遠い目で眺めていた時だった――

倉崎「あぁ~……あったまイテェなクソがぁ~……」

比嘉「あ、倉崎先輩」

倉崎だった。東都大学の学生とは思えぬほどに知性や品性の欠片も感じられぬ品性下劣な男にして、須郷と比嘉にとってはありがたくない事に先輩である男であった!
倉崎はフラフラとした足取りで、ヨレヨレの汚らしい服装でラボの中をフラフラと歩き比嘉の隣で立ち止まった。
その口からは瞬時にわかるほどのアルコール臭が漂ってくる。

比嘉「うげっ……倉崎先輩どんだけ飲んだんすっか?アンタまさかその状態で自転車漕いで来たんじゃないっすよねよね……?」

倉崎「うっせぇ……!昨日はま~た、別のラボの女子共が茅場君に声掛けただとか、茅場君の仕事を少し見ちゃっただとか黄色い目障りな声で騒ぎやがってうぜえったらありゃしねぇ……飲まずにやってられるかってんだ!!」

比嘉「ははは、そりゃモテるっすよね~。なんせあの若さで年収は1億だとか言われてる人っすからね~」

倉崎が茅場が女学生たちからの人気の的になっている事に対して嫉妬染みた苛立ちを向けるのは何時もの事……比嘉は適当に話を合わせて相槌を打ちやり過ごす事で、須郷の様に倉崎のイビリの対象になる事をなるべく避けるようにしていたのであった。
そして案の定、倉崎が次に目を付けたのはテーブルの上にぽつんと置かれているマイクロSDを不気味な雰囲気を放ちながらじっと見ている須郷の姿であった。

倉崎「おいおいお~い、須郷ちゃんの奴、マイクロSDなんざジロジロ眺めてなんだありゃ?ますますキモい面になっちまいやがって」

比嘉「まぁ、須郷先輩はあれで茅場先輩を超えるなんて言っちゃってますからね~、あれに対する愛情は我が子同然ってところなんじゃないっすかね?」

倉崎「ったく、餓鬼以前に彼女もいねーような童貞が我が子同然の愛情とかって順序ぶっ飛ばし過ぎじゃねーか……ここは、この俺が先輩として喝を入れてやるっきゃねーな」

倉崎はニタニタと下卑た笑みを浮かべる。それは主に彼が須郷をイビる時に見せる表情であり、比嘉は苦笑いを浮かべながら一言もうす。

比嘉「またっすか……あんまりやり過ぎると、今度は倉崎先輩が須郷先輩の恨みを買って――って、っ聞いてないっすねぇ~……」

倉崎はさっさと下卑た笑みを浮かべたまま、須郷のもとに駆け寄った。太り気味の体形でドタドタと駆ける足音が背後から響き渡ると、それまで嬉々とした不敵な笑みを浮かべていた須郷も、一瞬にして現実に引き戻されたかのように……強張った表情で背後を振り返るとそこには――茅場とは大きく違った意味で天敵ともいうべき上級生の倉崎の顔が迫っていた。

須郷「あ、倉崎せんぱ―――」

倉崎「オーラ!茅場に負けっぱなしの須郷ちゃんよぉ~!今度は何を企んでやがるか知らねぇが、ま~だ性懲りも無く神代を自分の物にしてやろーとか考えてやがんのかぁ~?」

須郷「ぐっ……」

倉崎はいつもの調子で須郷の首根っこにチョークスリーパーを掛けて、須郷は苦しそうに呻き声を挙げる。
そんな見慣れた、まるで男子小中学生のような幼稚なやり取りを比嘉は呆れたように頭を抱えながら呆然と見ていた。
が、倉崎は酒の酔いによって本調子ではない故か、何時もの不快な声に力は籠っておらず、その顔色も普段に比べて息苦しさを感じさせる表情だった。

倉崎「ところで須郷ちゃんよ……うぅっ!!」

そして、その変化は不意に倉崎を襲う!それは吐き気!アルコールが身体を巡り、暴飲暴食の腹は悲鳴を上げ、倉崎に強烈な吐き気を催したのであった!

須郷「げほっ……げほっ……」

倉崎「うぅ……ううっ!」

須郷「く、倉崎先輩……ま、まさか……まさか……!?」

倉崎のチョークスリーパーから解放された須郷ではあったがすぐに倉崎の異変に気が付き、次に目の前で起こり得るであろう光景を想像し、その頭の中をとてつもない悪魔のような悪寒が襲った!

倉崎「うげおえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

須郷「止めろおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

その場で嘔吐した倉崎の呻き声と、それを目の当たりにした須郷の絶叫が同時に木霊した瞬間であった……よりにもよって倉崎の嘔吐はテーブルの上……すなわち、須郷が心血を注いで開発しているマイクロSD目掛けて吐き出されていたのであった!

比嘉「……うわ……こ、これは流石に……見てられねぇっすよ……」

比嘉が思わずそう口漏らし、目を背けるのも無理も無かった。須郷のマイクロSDは倉崎の嘔吐物によって埋め尽くされ、あっという間にその姿かたちは跡形も無く埋もれてしまう。
そんな悪夢のような悍ましい光景を目の当たりにした須郷は力なくその場で膝を付き、一瞬にして放心……!喪失感から大の男の大人でありながら号泣!!

倉崎「うっへぇ~、吐いて散ったぁスカッとしたかもしれねぇけど……ああ~、やっぱりまだ頭が痛みやがるぜ……こりゃ寮に帰って休むか」

にも拘らず、倉崎は自分が仕出かした事の重大さなど全く意に介する事無く、自分の嘔吐物に埋もれたマイクロSDの存在など完全に失念している様子でそう言い、自分の目の前で力無く膝をついて泣き崩れている須郷を見るや否や―――

倉崎「なに泣き呆けてやがるんだっての!!」

彼の頭を力強く平手で叩く!それはまさに……屍に対する非常なる追撃とも言える!

倉崎「俺は寮に戻るからよぉ、後始末頼んだわ須郷ちゃんよぉ――ちゃんと聞いてんのかテメェ?あ~、クソ……頭イテェ~」

悪態をつきながら倉崎はそれ以上須郷に見向きもする事なくそそくさとラボを退室しようとするのであった!

比嘉「倉崎先輩……アンタ結局何しに来たんっすか……?色んな意味でデストロイヤーっすよ……」

比嘉のそんな呟きは倉崎の耳に届かず、須郷の野望、努力、研究を一瞬にして完膚なきまでに破壊した男は一切の罪悪感を抱く事無く去って行ったのであった!己がどれほどの憎悪を浴びせられているのかなど一切感じる事無く……


~オリジナルキャラクター紹介~

ガチャモン
声 - 雨宮〇二子
モックの相棒で体色は右半分が緑色、左半分が灰色で丸い頭、半開きで眠そうな垂れ眼。口元からは前歯が2本飛び出している。自己紹介の決まり文句は「ガチャガチャモンモン、ガチャモンで~す」。
SAO時代はマスコットキャラクターを自称し陽気で人懐っこい振る舞いをしつつも、自らに攻撃をしたプレイヤーに私刑を下したり、現実世界での大金の掛かったリアルマネーゲームを開催し、結果的に多くのプレイヤーを死に追いやった忌むべき存在となった。
その正体は倉崎正司が東都工業大学時代に開発していたステルスウィルスを10万円で買い取った須郷が、ウィルスに適合する高度なAIを組み込んだことによって生まれた存在であり、SAO時代はカーディナルの検知を欺き続けつつ、SAOの内部データの解析・収集を水面下で続けることによってALO誕生に貢献していた。
現在はALOで鳥籠に囚われるアスナの監視に携わり、ボスである須郷のサポートに回っている。

身長は165cm、体重は80kgらしく、年齢は自称永遠の五歳の男の子。


モック
声 - 松〇重治
ガチャモンの相棒で体は毛むくじゃらで体色は右半分が赤色、左半分が灰色で球状の目が飛び出ている。黒目部分は眼球の中に黒い玉が入っている。
ガチャモン共々SAO時代はマスコットキャラクターを自称しガチャモンのバーター的な役割で、時に人使いの荒いガチャモンに対しては不平不満を漏らす事も有った。
その正体は倉崎正司が東都工業大学時代に開発していたステルスウィルスを10万円で買い取った須郷が、ウィルスに適合する高度なAIを組み込んだことによって生まれた存在であり、SAO時代はカーディナルの検知を欺き続けつつ、SAOの内部データの解析・収集を水面下で続けることによってALO誕生に貢献していた。
現在はALOで鳥籠に囚われるアスナの監視に携わり、ボスである須郷のサポートに回っている。

身長は185cm、体重は110kgらしく、年齢は自称永遠の五歳の男の子。 
 

 
後書き
今回紹介したオリジナルキャラクターは、FILE122にも追記します 
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