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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦士ガンダム
  2230話

「……は? それ、本当か?」
「ええ、そうですわ。政治班に入ってきた情報によると、間違いないかと。恐らく、数日中に連邦軍の方から発表があると思いますわ」
「いや……それは……」

 あやかからの報告に、俺はただ驚く事しか出来なかった。
 その内容は、連邦軍のマゼラン級とセイバーフィッシュがサイド3に強行偵察を行い、それなりに損害を出しながらも無事に任務を完了してルナツーへの帰還に成功したというものだった。
 本来なら、偵察に成功した程度で連邦軍が大々的に発表をしたりといった真似は普通ならしない。
 だが、今のUC世界……それも宇宙においては、事情が違う。
 ジオン公国の独立戦争が始まってすぐの1週間戦争やルウム戦役。それが終わった後でも、それらより規模は小さいものの、遭遇戦まで含めると数え切れない程の戦闘がジオン軍と連邦軍の間で起こっている。
 だが、そのほぼ全てにおいて連邦軍は負け続けているのだ。
 地球ではホームグラウンドであるという事や、MSが3次元的な動きを宇宙程に出来ないといった事から、連邦軍もそれなりに勝利を重ねてはいるが……宇宙においては、それこそ連敗している。
 直近で言えば、サイド6の近くで奇襲をしたに関わらず、連邦軍が負けていた。
 その辺りの事情を考えれば、強行偵察とはいえ無事に任務を達成したというのは、連邦軍にとっては絶対に広めたい話だろう。
 問題なのは、この強行偵察が誰によって行われたか、か。

「あやか、この強行偵察を実行させたのは、強硬派か? それとも穏健派か?」
「いえ、残念ながらそこまではまだ。ただ……政治班の分析では、恐らく強硬派かと」
「……だろうな」

 穏健派というのは、連邦軍が攻勢に転じるまでは基本的に戦力を温存するという派閥だ。
 勿論、この強行偵察がもたらした情報の価値や勝利した……任務を無事に達成したというプロバガンダ的な意味では大きい。
 だが、それと引き換えに、結局はある程度ルナツーの戦力は消耗しているというのも事実なのだ。
 費用対効果的には……正直、どうなんだろうな。
 ともあれ、現在のルナツーの懐事情を考えると、穏健派がこのような真似をする必要はない。そうなると……

「これで、連邦軍の強硬派が勢いづくと思うか?」
「そうですわね。これまでかなり負けているから、この一件だけで精力的に穏健派よりも優位に立てるとは思いませんが……それでも、間違いなく影響力は増したでしょう」

 あやかの言葉は、俺の予想通りでもあった。

「そうなると、またルナツーで強硬派の勢いが増すか。……俺達にとっても、それは嬉しい事じゃないな」
「そうですわね。強硬派の中には、クレイドルを攻めると主張している者もいるようですし」

 そうなんだよな。あやかの言う通り、現在ルナツーにいる連邦軍の兵士の中には、クレイドルを攻めると主張している者が一定数いる。
 この情報は、以前連邦からクレイドルに派遣されてきた使節団を率いていた人物からもたらされたものだ。
 本人はそこまで無能という訳でもなかったのに、まさか部下がコバッタを盗もうなどとするとは……まぁ、そのおかげで向こうも非公式とはいえルナ・ジオンとの……ひいてはシャドウミラーとも繋がりを得たのだから、決して悪い事だけじゃないと思うんだが。
 ともあれ、そちらからルナ・ジオン経由で政治班に上がってきた情報の1つが、その件だった。
 話によれば、魔法などというものを使うシャドウミラーや、ジオン・ズム・ダイクンの娘という危険分子が手を組んだルナ・ジオンは許されるべき存在ではなく、今のうちに倒してしまった方がよいと、そういう事らしい。
 ……ジオン公国を相手にしても連敗を続けていた連邦軍が何を言うのかと思うが、向こうにしてみれば、シャドウミラーの有しているPTを始めとした機体の情報が欲しいというのが本音なのだろう。
 もっとも、ルナ・ジオン……というか、月はバルジ、リーブラ、ニヴルヘイムのような機動要塞群によって守られている以上、クレイドルを攻撃しようとしても月に上陸すら出来ないのだが。
 月に攻めるのは上陸って表現でいいのか?

「ルナツーの連中にとって、今まで強硬派は厄介な存在であっても、ある程度封じ込める事が出来ていた。だが、今回の一件で影響力が増すとなると……向こうも大変だな」

 今までも、強硬派によってルナツーの戦力は多くの被害を出してきた。
 穏健派がある程度抑えている状況であってもそうだったのだから、今以上に強硬派の影響力が増えると、どうなるか……
 それこそ、本気でクレイドルに……いや、月に攻めてくるという可能性も否定は出来ない。
 もっとも、そうなって困るのはシャドウミラーやルナ・ジオンじゃなく、ルナツーにいる連邦軍の面々だ。
 一体どうやって機動要塞群の絶対防衛線を突破してくるつもりなのかは分からないが、それでも確実に連邦軍の被害は大きくなるだろう。
 そうなれば、いざMSの開発に成功してジオン軍との大規模決戦に挑もうとしても、戦力が足りなくて苦戦する……という可能性は決して否定出来ない。
 そもそも連邦軍は質より量を重視しており、その量が月に攻撃をする事で減ってしまえば、質で勝るジオン軍に勝つのは難しくなる。
 特に補給を主な仕事としているゴップにしてみれば、強硬派によって引き起こされた様々な戦いは頭の痛い問題だろう。
 ……ジオン公国よりは連邦を友好的な勢力にしようとしているセイラ達にとっても、強硬派というのは厄介な存在であるのは間違いない。

「取りあえず、今回の一件で何か動かした方がいいんですの?」
「あー……どうだろうな。取りあえず俺達が動くよりも前に、ルナ・ジオンの方に……セイラに任せた方がいいかもしれないな。こっちが勝手に動くのは、ルナ・ジオンにとっては厄介な出来事になりかねないし」
「分かりましたわ。それと、ジオニック社の方からシャドウミラーと接触したいという知らせが来てますが、どうします?」
「ジオニック社から?」

 あやかの言葉に、疑問を持つ。
 ジオニック社は、現在のルナ・ジオンの中では一番影響力の少ない兵器メーカーだ。
 MIP社はルナ・ジオン建国前から接触しており、人員も結構大々的に受け入れている。
 ツィマッド社は、ヅダがルナ・ジオン軍の主力量産機となった事で、影響力は高い。
 だが……ジオニック社は、ある程度の技術者が送られてきてはいるし、カーウィン家やゲラートの繋がりもあって、ある程度友好的な存在ではあるが、言ってみればその程度でしかない。
 ああ、だからこそ今こうして接触してきて、繋がりを深めようとしてるのか?

「こっちに損がないなら、特に接触しても問題ないだろ。出来れば、技術者をもっと取り込みたいところだけど」
「それは……ちょっと難しいのでは? 無理に人材を引き抜こうとすれば、それこそ向こうにとってはスパイを送ってくる可能性もあるかもしれませんもの」
「そんな馬鹿な事はしないと思うんだが……まぁ、その辺は実際に接してみないと分からないか。ジオニック社との接触は任せてもいいか?」

 ジオニック社が何を考えてこっちに接触してきたのかは分からないが、それでも何らかの意図はある筈だろう。
 ……普通に考えれば、ルナ・ジオンではなく俺達シャドウミラーと接触をするというのだから、その技術が目的な可能性も高いが。
 そんな感じである以上、接触させるのは政治班に任せた方がいい。
 でないと、妙な約束をしたりする可能性もあるし。

「そうですわね。でしたら、技術班の方から何人か人を寄越して貰えますか? 向こうと話すにも、その辺りの専門家は必要でしょうし」
「分かった。その辺はレモンに言っておく。……にしても、正直なところ宇宙で連邦軍が勝利するとは思わなかったな」

 正確には、別に連邦軍が強行偵察で戦った相手に勝った訳でない。
 だが、強行偵察を成功させ、その上で被害を出しはしたものの、撃墜されないで脱出し、無事にルナツーまで帰還したのだ。
 これは、連邦軍の勝利と言っても間違いはないだろう。

「うーん、でも戦争でしょう? なら、何らかの理由で連邦軍が勝つ事があってもおかしくないのでは?」
「そう言われると、そうなんだけどな」

 戦争というのは、基本的には勝ったり負けたりを繰り返すような代物だ。
 それこそ、一方的に勝利だけを続けるというのは、相手との圧倒的な戦力差が必要となる。……まぁ、シャドウミラーは今までそんな戦いを多く繰り返してきたのだが。
 ともあれ、あやかの言う事も分かるんだが……俺にとって不安なのは、もしかしてこれは俺が原作に介入した結果ではないのかという事だ。
 一応この世界の原作は、アムロがMSに乗ったという感じで始まると予想してるので、それがまだである以上、これは原作開始前の話なのは多分間違いない。
 しかし、これまで連戦連勝だったジオン軍の敗北というのは、気になる。
 もしかして、本来ならラルやシーマ、ガトー、黒い三連星、ケン、ゲラートといった面々が強行偵察をしてきたマゼランを撃破していたのに、俺がそれを出来ないようにしたのではないか。
 そんな風に思わないでもないのだが、その辺を今更気にしてもしょうがないか。
 ただ、今回の一件で連邦軍の方に妙な悪影響が出ないといいんだが。
 ああ、でも現在の状況でも既にルナツーの中では強硬派の動きが活発になっているのか。

「連邦軍の方はともかくとして、ジオン軍の方に新たな動きは?」
「そちらは、今のところ特にありませんわ。それにしても、ジオン軍……いえ、ジオン公国にとっては弱り目に祟り目といったところですわね」
「フラナガン機関の研究所の暴露、完成したばかりの高機動型ザクとヅダの模擬戦で負けた件、そして今回の連邦軍の強行偵察部隊の取り逃がし、か」

 勿論、世の中の全てがジオン公国にとって悪い方に進んでいる訳ではない。
 ア・バオア・クーの完成や、サイド6近辺で奇襲してきた連邦軍の撃破、ヅダに負けたとはいえ、一矢報いた高機動型ザク……R型でいいか。そのR型の完成といった風に、良いニュースもあるのだから。

「そうですわね。……もっとも、連邦軍の方でも後ろ暗い事がないかと言えば、そのような訳でもないのですが」
「だろうな。強硬派ってのは、大抵そういう後ろ暗い事があったりするし」

 あやかの言葉に、そう告げる。
 ともあれ、今回の一件で戦力バランスそのものが大きく連邦軍に傾く……といった事はないと思う。
 だが、それはあくまでも大きくであって、小さくという意味でなら連邦軍に傾いたのは間違いない。
 このまま、一気に連邦軍が勝利を得る……という事には、ならないといいんだが。

「ああ、それと……グワジン級でしたかしら。それが近いうちにクレイドルに運ばれてくるらしいですわよ」
「グワジン級が? また、随分と早いな」

 ドロス級とグワジン級をそれぞれ1隻ずつルナ・ジオンに譲渡する。
 それは元々約束されていた内容ではあったが、それでもちょっと予想外に早い。
 ……となると、恐らくこのグワジン級は交渉が終わった後で建造されたのではなく、元々作っていた艦をこちらに回したといったところか?

「ドロス級の方については何かあるか?」
「いえ、そちらはまだのようです」
「……だろうな」

 ドロス級は、それこそ機動要塞と呼ぶに相応しいくらいの巨大な空母だ。
 グワジン級も勿論強力な軍艦だが、ドロス級はそのグワジン級をも上回る。
 ……もっとも、空母というだけあって、やはりMSの搭載が前提となっているのだが。
 とはいえ、ヅダの正式量産が決まった以上、そちらに回すというのは十分に可能だ。
 いやまぁ、ヅダの生産ラインは量産型W、バッタ、コバッタといった面々が文字通りの意味で24時間体制で建設中なのだが。
 それが完成すれば、ヅダの量産も上手くいくだろう。

「グワジン級は、かなりの戦力になる。……当然こっちからも人をやって、妙な仕掛けがないか……そして機体性能の解析をするように技術班に言っておく」
「その方がよろしいですわね。乗っている時に、いきなり爆発したなんて事になったら目も当てられませんもの」

 あやかが俺の言葉に頷く。
 どうやらあやかにとっては罠の類が仕掛けられていないのかをチェックする方が優先らしい。
 この辺、俺が混沌精霊だから危機感が足りないのか?
 そう思わないでもないが……ともあれ、グワジン級が来るということで、クレイドルではまた色々と大きな騒ぎになるのは間違いなかった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1435 
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