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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE137 キリト再来!無謀なグランド・クエスト

急展開……!倉崎が自作したのはALOで使用可能となる対ステルスウィルスアイテム。すなわち、ガチャモンとモックへの対抗策となり得る物であった!―――そしてオズマ、再びALOにフルダイブ! by立木ナレ



デレック「あ、オズマ遅ーい!」

俺「何だよ急に……」

再びALO(アルヴヘイム・オンライン)にフルダイブして早々に、デレックが耳元で大きめの声をあげていた。

デレック「聞いてよオズマ!さっきね、オズマがログイン初日にデュエルでフルボコにしたリーファがアルンに来たんだよ!」

俺「それがなんだってんだよ、アイツもALOのプレイヤーなんだから別におかしくねぇだろ?――てか、別にフルボコって程まで圧勝してねぇよ」

リーファの事は無論今も覚えているが、そのリーファがアルンを訪れたからと言って別に何でデレックは騒ぐんだ?意味が分からん―――だが、デレックは尚も嬉々とした様子で騒ぎ続けていた。

デレック「それがね、今までシルフ族のプレイヤーとつるんでたリーファなんだけどさ、どう言うわけかスプリガンのプレイヤーと二人で一緒に来たみたいなんだよね。」

俺「それって、そんな珍しいか?」

デレックは楽しそうに騒いでいるが、俺はそれがそんなに衝撃的な事実だと言う実感が湧かずに今一つ、デレックの様に騒ぐ気になれなかった。

デレック「んでさ、その後が超傑作なんだよ!その同行してたスプリガンなんだけどさ……急に世界樹の樹の枝に向かって飛んでったんだよ!もしかしてオズマがやったみたいに空から直接オベイロンに会いに行ったのかもだけどさ、どーせ障壁に阻まれるのが分かり切ってるのにねぇ~」

俺「そりゃ、確かに酔狂なスプリガンだな……俺達は5人がかりでも一本目の樹の枝の付近まで辿り着くのが精一杯だったんだから障壁があろうがなかろうが無駄だろうけどな」

デレック「もしかしたら初心者でそんな事情を知らないってのもあるとは思うけどね……リーファは大慌てでそのスプリガンを追いかけて飛んでっちゃったよ。初心者のナビゲートは楽じゃないけど、その点オズマはまだ、ほんの多少は手間が掛からない方だったのかもね~」

要するに大差と言いたいんだな。そんな事を俺が思っていた時だった―――

デレック「あ、ほら……さっき飛んでったスプリガンが戻って来たみたいだよ。ようやく諦めたみたいだね」

と、デレックが言いながら上空を指差すと、確かにものすごい勢いで急降下してくる一人のプレイヤーと思わしきシルエットがこちらに接近していた。
丁度この場所――世界樹の最下部を目指して急落下しているようだった。

俺「何を焦ってんだろうな、あのスプリガンは―――」

ふと気になっていた。徐々にはっきりと姿が見えてくると、そのスプリガンは黒尽くめの軽装の衣装を身に纏っていた、それはSAO時代の二刀流使いに似た姿―――

俺「まさか……」

俺がまさかと思っていると、そのスプリガンはあっという間に地上に急接近し、その段階でようやく減速しつつ両足を下に突き出した状態で着地していた。
そのスプリガンが石畳に接した途端に、かなりの衝撃音が周囲に響き渡り、一番近く……そのスプリガンと精々10メートルも離れていない距離で断っていた俺とデレックはおろか、テラスからの眺望を満喫してたプレイヤー達も驚いた表情でスプリガンの方を見ていた。

俺「アイツか……」

デレック「うん、またリーファを置いてきちゃったみたいだね」

そのスプリガンは肩に僅かに視線を向けながらボソボソと独り言を呟いているようだった。一体何がいるんだと思い索敵スキルを発動してみると、そのスプリガンの型には小さな少女―――ピクシーとでも言うべき妖精が立っていた。

俺「なんだ……あのちっこいの?」

デレック「多分あれは、プライベートピクシーだと思うよ」

俺「プライベートピクシーって前に聞いたナビゲーションピクシーとは違うのか?」

俺が以前デレックから聞いたことのある、ナビゲーションピクシーと言うのはゲームに関する基本的な質問に普通のNPCのような、プログラムされた応答をしてくれるだけの存在だと言う事は聞いた。なんでも追加の課金料金を支払う事で得る事が出来ると。

デレック「プライベートピクシーってのはゲームに関する簡単な質問に応答するだけのナビゲーションピクシーと違ってね、プレオープンの際に抽選配布された超レア物なんだよ。ナビゲーション・ピクシーに比べて柔軟な応答や受け答えが出来るんだよね。俺も実際にプライベート・ピクシーを持ってる奴は初めてだよ」

俺「プレオープンの時に抽選配布って事は――アイツは古参のプレイヤーって事じゃねぇか?」

デレック「ああ、そう言う事になるみたいだね~」

古参のプレイヤーにしては、既に世界樹の樹の上に障壁が貼られて飛んで行けるわけがない事を失念しているなどこのALOの常識は事情に関してやや疎そうな気がするのは気のせいだろうか?
そこで、スプリガンは目の前の階段を目指して歩きだし、幅の広い階段を登り詰める。

最も底を登り詰めたところで単なる湾曲した替えが見えるだけだ。その壁の一部に、プレイヤーの十倍ほどはあろうかという身の丈の妖精の騎士を模した彫像が二体並んでいる場所があり、象の間には派手な装飾が施された石造りの扉がそびえ立っていて、それがグランド・クエストの開始地点となっている。

デレック「うげっ!あのスプリガン――ソロで扉の中に入ってるよ!何考えてんのアイツ!?――自殺志願者!?数秒でDeadされてスプリガンの領地に戻ろうって事!?」

俺「グランド・クエストの開始地点なのに他のプレイヤーが誰もいねぇって事は……とっくに突破不可能って話が広まって誰もやる気すら起きなくなっちまってるんだろうな」

そんな無謀極まりない難易度のグランド・クエストにたった一人で挑むスプリガンは確かに酔狂なんてもんじゃない。
自滅行為だ、いったいどれほどの実力があるのか知らないが、今まで数多の大パーティーが挑んで尽く返り討ちに遭っているのだから、あのスプリガンがソロでグランド・クエストを攻略など不可能に決まっている。
だが、俺達に背中を見せているスプリガンは背中の大剣を抜き放つ頃、分厚い石の扉は完全に開き切り、スプリガンは足を踏み入れていた。

俺「あれ、扉が閉まらねぇぞ」

デレック「クエストが成功するか失敗するか――そのどっちかで終わるまでは扉は開いたままだよ。つまり、途中参加もありって事だね~」

俺「それでも未だに誰も突破できねぇとは―――一体あの中にはどんな化け物の群れが待ち受けてやがるなろうな」

そしてあのスプリガンは今頃たった一人でそんな化け物の群れに飛び込んで、恐らくそろそろ返り討ちにされている頃なんだろう。


そして、オズマとデレックはほんの一時の時間をその場で適当に過ごしていた。それは単なる惰性……何もせずにただ突っ立っているだけ!
だが、オズマは何となくもし仮に――万が一、あのスプリガンが何かしらの、何かを成し遂げるようなことがあったとしたら?
そんな期待も僅かながら脳裏を浮かんだオズマであったが、すぐにそんなのは夢想、あり得ぬ事だと考えた時だった!! by立木ナレ


リーファ「あ、貴方達……さっきのスプリガンの人はもしかしてこの中なの!?」

デレック「うん、君の連れのスプリガンなら一人っきりで入って行っちゃったよ~」

本当にリーファだった。俺とのデュエルの時に対戦相手となったシルフの少女プレイヤーのリーファの表情は今にも泣きそうに目から涙が微かに零れており、まるで大切な、掛け替えのない想い人を失いかけているかのような鬼気迫る雰囲気で、久々に俺達と再会している事に何かしらの驚きは反応を示している余裕はなさそうだった。

リーファ「二人ともお願い―――さっきのスプリガンの彼を……キリト君を助けるのを手伝って!!」

デレック「だってさぁ~、どうするのオズマ?」

俺「キリト……だと?」

デレックが如何にもやる気の無さそうな、ダルそうな表情で覇気のない声で尋ねてくるが、俺はリーファからキリトと言う名前を聞いた途端に、さっきのスプリガンの只ならぬ、ヒシヒシと感じられる意思の強さの正体に気が付く。

俺「マジで来やがったのかよアイツ……」

俺が世界樹の樹の上の鳥籠に捕らわれているアスナの写真を入手して早々にエギルに送り、すぐにそれはキリトにも知らされたわけだが―――まさかこれほど早くキリトがここまで来るとはな……俺はリーファの方を振り向き、ゆっくりと念を押すように声を掛ける。

俺「手を貸すが……別にこのメンツでグランド・クエストをクリアしようなんて無謀な事にまでは付き合えないぞ」

リーファ「分かってる!キリト君を連れ戻すだけで良いからお願い!」

デレック「え……あれ?もしかしてこのままあの扉の中に直行するって言う無茶な展開?」

デレックが少々呆れ気味に言う様に、我ながら何の得にもならない無謀なだけの事を仕出かそうとしているが、キリトがここに来た事と、このままでは犬死するだけだろうと言う状況から俺はリーファに手を貸す決意をあっさりと決めていた。



そして、リーファを筆頭に、オズマとデレックも続きグランド・クエストが行われる扉の中へと直行!そこでオズマらが目撃したのは全身に白銀の鎧をまとった巨躯の騎士!それも一体や二体などではなく、ざっと数百体ほどはいようかという数の守護騎士の群れであった!鏡のようなマスクに覆われて顔は見えず、右手には長大な剣を携えた守護騎士たちがオズマらの侵入と同時に一斉に出現する! by立木ナレ


デレック「あれ……俺等が入った途端にさっきの守護騎士たちがゾロゾロとお出ましって事は――さっきのスプリガンはもうやられちゃってるって事なんじゃないの~?」

リーファ「けどまだ―――Deadしてから一定時間は蘇生可能だから!キリト君がDeadした場所にエンドフレイムが残ってるはずだから!」

俺「あの守護騎士軍団の攻撃を掻い潜りながらキリトの死骸から抜け出た火の玉の回収ってか……キツイ仕事になりそうだな」

だが、既にキリトのエンドフレイムの場所はここからでもハッキリと見えている。メラメラと弱々しく燃え上がるエンドフレイムに目掛けて真っ先にリーファが一直線に突っ込んで飛んで行った。

するとすぐに最前列の守護騎士たちが右手に握った剣を次々と振り下ろして襲い掛かって来ていた。リーファはそれを俊敏な飛行で回避するが、時間差で襲い掛かった剣が身体を掠め、それだけでリーファの身体は大きく跳ね飛ばされていた。

だが、リーファはその勢いを利用してさらに加速していた。俺はリーファを尚も狙い追跡しようとする守護騎士に対して剣を鞘から抜かぬまま、高速飛行からの切り抜けと同時に打撃を見舞い、更に旋回し、すれ違い様に次々と打撃を放ち続ける。

デレックの遠距離攻撃魔法は弱った守護騎士達に対して一体、また一体へと止めを刺していく。俺達が守護騎士たちを可能な限り倒している最中にリーファはついに宙を漂うキリトのエンドフレイムを掴んでいた。

リーファ「――キリト君!!」

その頃リーファはゲートにかなり接近して、騎士たちはこれ以上の上昇を許さないと言わんばかりに上空に密集し、騎士たちによる壁が作り上がっていた。
だが、キリトのエンドフレイムをリーファが掴んだ時点で俺達の目的は取りあえずは為されたので、そんな壁を気にする必要はない。
リーファもそれを分かっている為、キリトのエンドフレイムを確保した途端に急激にターンし、一直線に出口まで目指して飛ぶ。

デレック「おっしゃ!流石リーファじゃん!これで僕らもここから退散できるね!」

俺「ああ、アイツを蘇生魔法で蘇生させたらキッチリと色々と聞かなくちゃならない事も有りそうだからな!」

デレック「あ、そう言えばオズマってあのスプリガンと知り合いだったの?」

俺「後でじっくりと説明してやるから今はとにかく脱出だ!」

リーファからの突然の救援に応じ、俺達はどうにかキリトのエンドフレイムの回収に成功し、ひとまずは脱出する事になった。

俺「蘇生させた途端にまた一人で突っ込まねぇようにマークしねぇとな……」

デレック「いやいや、流石にそんな馬鹿な事はしないんじゃないの?」

キリトなら実際にそれをやりかねないので俺のこの独り言は割と本気でもあった。


 
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