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戦国異伝供書

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第十八話 道を走りその四

「伊達家との戦も考えておくことじゃ」
「そして、ですか」
「伊達家との戦になれば」
「その時はですな」
「奥羽もじゃ」
 この地域もというのだ。
「織田家のものになるやもな」
「それではですな」
「伊達家との戦になれば」
「奥羽も手に入れ」
「治めますか」
「そうする、ただあの場所はすぐに冷害になる」
 信長は奥羽のことのことについても話した。
「だからな」
「それで、ですな」
「政を他の場所よりも確かに治めていく」
「そうしますか」
「米の他にも作らせる」
 食えるもの、主食となるそれをというのだ。
「麦や蕎麦をな」
「そうしてですか」
「あの場所の民達を餓えや貧しさから救う」
「そうしますか」
「そうせねばならん」
 何があろうともとだ、信長は家臣達に話した。
「だからな」
「それで、ですな」
「奥羽も豊かにしますか」
「他の場所の様に」
「そうしていきますか」
「そうする、そしてじゃ」
 さらに言うのだった。
「やがては蝦夷もな」
「蝦夷もですか」
「あの国もですか」
「治めますか」
「やがては」
「うむ、今すぐではない」
 奥羽を手に入れてもというのだ。
「蝦夷には松前氏がいるがな」
「あの家については」
「どうにも縁がありませぬな」
「話もあまり聞きませぬ」
「どうにも」
「わしもよく知らぬ、しかしじゃ」
 さらに言うのだった。
「蝦夷も本朝の国じゃ」
「ならばですな」
「あの国も手に入れて治める」
「そうしますか」
「そうする、必ずな」
 これも信長の考えだった。
「先のことにしてもな」
「蝦夷は寒いと聞いております」
 明智が考える顔になり言ってきた。
「そして松前氏が治めるのは蝦夷の少しばかりで」
「蝦夷がどういった場所かはじゃな」
「まだわかっておりませぬ」
「その様じゃな」
「しかしその蝦夷も」
「治める、徐々にでもじゃ」
「その蝦夷を北に進みますか」
 明智は信長にさらに問うた。
「そうしてあの地を詳しく知りますか」
「そういえば蝦夷の地は」
 その蝦夷地のことについてだ、小西も述べた。
「まだその全てがわかっていませんな」
「そうじゃ、どの様な場所かな」
 まさにと言うのだった。
「殆どわかっておらぬな」
「松前家の治める場所はわかっていますが」
「しかしじゃな」
「そこから北はわかっていませぬ」
「だからじゃ」
 それでと言うのだった。 
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