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オズのエリカ

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第九幕その九

「それが心配だけれど」
「ううん、どうでしょうか」
「エリカは大丈夫って言ってますけれど」
「それでもですよ」
「一番の問題ですよね」
「そこが」
「あの、エリカ本当に大丈夫なの?」
 アンはまたエリカに言いました。
「国民の人達は来るの?」
「皆のその気持ちは杞憂よ」
 エリカだけは後ろ足で耳の後ろで掻きながら述べました。
「すぐにその杞憂は晴れるわ」
「貴女のその楽天さがわからないわ」
「わかるわよ、すぐに」
「杞憂っていうの」
「そう、杞憂でね」
 まさにというのでした。
「それがすぐにわかるわ」
「じゃあこれからどうするの?」
「決まってるじゃない、宣伝してね」
「国が出来たって」
「それで国民を集めるのよ」
 そうするというのです。
「市民って言うかも知れないけれど」
「この場合は臣民じゃないかしら」 
 アンはここで言ったのでした。
「王国よね」
「私が女王でね」
「それじゃあね」
「それならなの」
「臣民になるわね、国民だったらどの国でも通用するけれど」
「王国だと臣民かしら」
 エリカはこのことについては首を傾げさせて思うのでした。
「それで市民は何なの?」
「共和国の場合?」
「大統領がいる場合なの」
「オズの国は共和国もあるけれど」
 オズの国の中にはそうした国もあります、王国も共和国もあってそしてオズの君全体をオズマが治めているのです。
「その国は市民でね」
「それでなのね」
「貴女の国は王国になるから」
 それでというのです。
「だからね」
「それでなの」
「臣民かしら、国民でもいいけれど」
「呼び名なんてどうでもいいじゃない」
「いいの?」
「私は国民でも臣民でもね」
 まさにというのです。
「いいわ、ただ市民はね」
「王国だとっていうのね」
「確かにあまりしっくりこないわね」
 こうアンに答えました。
「だからいいわ」
「そうなのね」
「そう、まあ国民か臣民ね」
 このどちらかというのです。
「呼び名は」
「どっちかでいくのね」
「ええ、それでね」
「後はよね」
「国民の人達を呼ぶな」
 まさにと言うのでした、そしてです。
 皆でそうしてです、是非でした。
 エリカはあらためてです、皆に言いました。
「じゃあ今度はね」
「ええ、宣伝よね」
「一旦エメラルドの都に戻りましょう」
 そこにというのです。
「そうしましょう」
「戻るの」
「ええ、戻ってね」
 そうしてというのです。 
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