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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第百五十一話

11:48

『あ、いっ君? そろそろお昼ご飯だけど?』

ウィンドウが開き、束から通信が入った。

「はいはーい。すぐ行くよー。
おい箒。嬉しいのはわかったから分身やめろ」

「うむ、そうだな」

『分身!? 箒ちゃんに何があったの!?』

「姉さんにも後で見せよう」

箒が一夏の頭の上に胸を載せ、ウィンドウを閉じた。

四人は各々着替える。

といってもISの機能を使ったので一瞬だが。

箒はジャージからピッチリしたシャツとホットパンツに。

オータムはムーバルスーツからメンズ系スタイルに。

スコールは同じくムーバルスーツから黒のレディーススーツに。

「坊や、貴方は着替えなくていいの?」

「なんで? 着替える必要性皆無でしょ」

一夏は戦闘中もずっと半袖のシャツとデニム生地の半ズボンだった。

四人は地上へのエレベーターに乗り込む。

「オータム、阿頼耶識は馴染んだか?」

「多少はな…」

「なら良し。束さんと改良に勤しんだ甲斐があったって物だ」

「改良? オリジナルがあるのか?」

「ああ。オリジナルの場合は脊髄にインターフェースをインプラントする必要があってな。
手術に失敗すれば全身付不随に陥るような代物さ」

「大丈夫なんだろうな」

「何の為にノンインターフェースタイプにしたと思ってやがる。
改良型阿頼耶識はパイロットからISへの一方通行だ。ISをオリジナル阿頼耶識で動かそうとすればパイロットが持たん」

「………」

「まぁ、束さんは使ってるようだが」

「一夏、お前はどうなんだ?」

「カンヘルは阿頼耶識じゃぁ扱えないよ」

エレベーターが第一層に到達した。

「さっさと帰ってメシにしよう」

一行は戦闘機郡の間を抜け、管理室の前を通り、漸く外へと出る。

「時間無いし、各々ISか魔法で行こう」

一夏と箒が躊躇いなく浮遊する。

「おい! いいのかよ?」

「気にすんな! どうせ見えてねぇよ」

スコールとオータムもガ・ボーとガ・ジャルグを纏い一夏と箒に続く。

GNドライヴのホイール音を響かせながら、オータムとスコールが神社の境内へ向かう。



モノクロームアバターの二人が境内に降りると、一夏がロリsにもみくちゃにされていた。

「なぁ、おい。ホウキ」

「なんだスコール」

「放っといていいのか?」

スコールが指差す先にはロリsに耳を弄られる雇い主の姿があった。

「さして害はあるまい」

そしてあれよあれよという間に担がれて一夏が拉致られた。

「さ、昼食にするぞ」

「あの下り無視なんだな…」


三人が居間に入ると束達が配膳している最中だった。

そして一夏は柳韻と話している。

「一夏君。最近箒が迷惑をかけていないか?」

「いえ、むしろたしゅかっちぇましゅ……。
エレン。いい加減俺の頬をひっぱゆのをやめりょ」

「ふむ………。束も大丈夫か? 私としてもこのじゃじゃ馬娘が迷惑をかけていないかとても心配なんだ」

「束さんには頭が上がりませんよ。俺と箒が学校行ってる間円香達の面倒見てくれてますから。
リム。尻尾ないんだから俺の腰を触るんじゃない」

「それにしても随分モテるようだね。
夜道で刺されないように気を付けた方がいいんじゃないか?」

「いえ、俺不死身ですから。
おい円香やめろ顎は…ごろごろ……やーめーろー!」

ふしゃー! と一夏が威嚇すると三人が飛び退いた。

「失礼するわリューイン」

「お、お邪魔します」

「おお、スコールさん、オータムさん。ゆっくりしていってくれ」

スコールとオータムが座布団の上に座り、柳韻と一夏の会話を見ていた。

「……マスター・リューインのスルースキルやべぇな」

「そうね…」

再び寄ってきたロリsに弄られながら、一夏は柳韻と会話を続ける。

「最近の箒の剣筋は柳韻さんから見て変わってませんか?」

「箒の剣? ふむ……最近になって漸く”静”を身につけたように見えるな」

「つまり悪くなってはいないと?」

「ああ、以前より良くなっている。何故そんな事を聞くんだい?」

「最近、箒が力をもて余しているようでしたので」

「そうなのか箒?」

と柳韻が箒に訪ねる。

「もて余してはいませんが…。普段の制御はできています」

「ふむ…。気功といったか? そこら辺は私の領分ではないからな…」

「そうですよねぇ…」

「しかし、箒の力がどれ程かはわからないが、その膂力の制御に剣の技術が使われているのは確実だろう。
むしろ、力の制御で”静”を覚えたのではないだろうか」

「なるほど」

そこで柳韻はロリsに視線をやった。

「円香ちゃん達にも、私が教えようか?」

「いいんですか?」

「構わないよ…………正直束に任せるのが不安でね…」

「あー…………………そうですね」

「ねぇちょっとひどくない!?」

箒の横に腰をおろした束から声が上がる。

「まー。たしかに”礼”とか教えてないもんな俺ら……」

「円香ちゃんが強くならなければいけない理由は察しているし、それが急ぐべきだと言う事もわかるが、できる事なら”術”だけでなく”道”も学んで欲しい」

「うんうん…ちょうど今日は敬老の日だ。
お前らちょっと柳韻さんから”敬老”を学んで来い。俺を玩具にすんじゃねぇ」

なお今回一夏が言った『老』は中国語で年上を指す『老』だ。

「?」

「?」

「?」

コテン、コテン、コテンと三人が首をかしげる。

「一夏お姉ちゃんは可愛いから可愛がるのは当然だよ?」

「お兄さんは可愛いのでなでなでしたいです」

「お兄ちゃんが可愛いのが悪い」

一夏の頬がひくひくとひきつる。

「ま、まぁ、そこら辺も踏まえて私が教えるから。
な? 一夏君。元気出してくれ」

「…………………はい」

そこで柳韻の妻と姉も席につき、食事となった。

その昼食だが、ロリsがかなり食っている。

気功の全力行使を行っているのだから当たり前だ。

箒も午前に全力行使していたので食事量が増えていた。

「柳韻さん。後で食費払いますね」

「なに、気にしなくていい」

「あ、食材は私が持ち込んだから大丈夫だよいっ君」

「ならいいけど……」

「パントリーから持ってきたけどいいよね?」

「あとで補充しといてくださいね」

「んー……あ。ねぇお父さんソコの山くり貫いて中に畑つくっていい?」

ソレを聞いた柳韻は、疲れた顔で答えた。

「……………………あっちのにしなさい」

「はーい」

作るのはいいのかよっ!? と一夏とオータムが突っ込む。

「や、なんか、もう、うん………諦めたよ」

「何をそんな遠い眼をしてるんですか貴方は」

「やー、魚はトレイターで採れるけど野菜はスペース要るからねー」

「ふーん……え? トレイターでどうやって取るの?」

「ハイパーセンサーでお魚探してからアクティブソナーの出力上げて衝撃波をドンッ! て」

「ダイナマイト漁とか石打漁は違法だよ?」

「うん。知ってる。あと、一回米原潜に見つかった」

「大事件じゃん」

「いやぁ、さすがにあの時はディメンジョン・マスカーで逃げたね」

「あれ意外。束さんなら沈めそうだけども」

「私だってそこまでバカじゃないし、大惨事世界大戦なんて望んでないし」

「ふーん…」

「あ、でもディメンジョン・マスカー使う前にスーパーキャビテーションでおちょくったのは楽しかった」

「……沈めなかっただけ良しとしよう」

「ちなみに武装解除勧告があったからアクティブソナーのモールスでおちょくった」

「内容は?」

「You foooooooooooool !」

「『バカめ』ってか?」

無駄にイイ発音の束に一夏がツッコむ。

「ゆーふーる?」

「円香、それは覚えなくていい」

「ん。わかった」

一方柳韻はといえば…

「聞いているだけで胃が痛い…」

「リュウ? 慣れたんじゃなかったの?」

姉である雪子に突っ込まれていた。

「円香、肉だけじゃなくて野菜も食え」

「ちゃんとたべたよ?」

「もうちょっと食べないとバランスが悪い。
オータムお前もだ。ちゃんとバランス考えて食べないと筋肉達磨になるぞ」

「え…なにそれ。こえぇんだけど」

「気功は勝手にカロリーが燃えるからな。太る事はないが痩せ過ぎたり筋肉が付きすぎたりするぞ」

「箒ちゃんはそこら辺ちゃんと管理してるもんねー」

「ああ。3ヶ月くらい体重と体脂肪率を乱高下させながら調べたぞ」

「え、箒、お前が爆食いしてたのってそれだったの? 言ってくれりゃいろいろ手伝ったのに」

「…………」

箒が無言で爪楊枝を投げる。

一夏は両手が塞がっていたので、仕方なく髪の毛で掴んだ。

「なぁ、別にやるなとは言わんが流石に両手塞がって時はやめれ。
高速術式編纂とか疲れるんだけど」

「平気な顔でよく言うな」

一夏は髪で掴んだ爪楊枝を卓に下ろし、魔法を解いた。

「…………………」

「いや柳韻さん。そんなに見ないでくださいよ。
俺の後頭部に口なんてありませんって」

ぶふっ! と数人が吹き出した。

ごほごほと噎せている。

「なんでスコールまで坪ってんの?」

「ぷく…ぷくくく…坊や、ちょとまっ…ぶふっ…」

最近気功を習い始めた四人が首を傾げる。

(あ、不思議そうに首を傾げるオータム意外と可愛い)

「ふふ…ごめんなさいね坊や。最近色々調べてるのよ。モンスターやヨーカイについてね」

「それまたどうして?」

「貴方みたいな人外に襲われたら一たまりもないじゃない」

「スコール。既に実感してるとおもうけどさ、調べたら調べたで一層怖くなるやつだぞそれ」

スコールはそっぽを向いた。

「まぁ、いいや…。」

「なるほど最近やけにスコールが甘やかしてくれると思ったら自分が怖いのを誤魔化し…ふむぐっ」

「オータムー? ちょーっと黙ってなさい?」

「むーむー!」

スコールがオータムの口をアイアンクローで封じる。

「いやぁ…賑やかでいいなぁ…」

「貴方、年寄り臭いですよ」

「…………」









side in

現在時刻、14:31。

「では、いくぞ」

円香達の前で、箒が残像分身を披露する。

「え!? なにこれすごい! 本当に箒ちゃん分身してる!」

「箒、お前それ宴会芸くらいにしか使い道無いってわかってる?」

ぴたっと箒が停止した。

「………………………………言うなよ」

なんだかんだで締まらねぇ1日だった。 
 

 
後書き
そういえば書き忘れてましたが、一夏達の中学の体育祭は第二日曜と書きましたが、正確には『第三月曜日の前日』です。要するに、体育祭後の月曜火曜が休みです。 
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