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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE133 倉崎と言うクズ

エルダがオズマに見せるのは茅場晶彦の大学時代に関係のあった者達。大学の教授、研究者、科学者など、オズマにとっては到底縁のない世界、職業に就いている者達ばかり……だが、そんな中で最後の一人はオズマにとって圧倒的身近……!と言うか隣人の倉崎であった! by立木ナレ


エルダ「オズマ君、この倉崎って人を知ってるの?」

俺「俺の家の隣人だよ――まあ、隣人と言っても部屋の名義は神田川(かんだわが)っていう認知症気味の生活保護受給者の爺さんでな……倉崎はその神田川っていう爺さんの借りてるアパートの一室に相手が認知症なのを良いことに遠い親戚だとかなんだのと言い包めて居座って、認知症の年寄りの世話係を自称しながら神田川爺さんの生活保護費を搾取して無職の居候生活を謳歌してる奴だよ」

そしてそれ故に、ウチの爺さんは倉崎を罵る時に『寄生虫』と呼ぶわけだった。エルダも流石に倉崎のそんな現状までは知らなかったようで、俺以上の嫌悪感を感じたのか、汚物を見るような目付きをスマホの倉崎に向けていた。

エルダ「ま……取りあえず彼は茅場先生の大学の同級生だったのよ」

俺「前にも何度か自分で『俺は東都大学出身だ』とか言ってやがったけど、奴が茅場の同級生だってのは初耳だな」

エルダ「倉崎さんも茅場先生の事は嫌ってたみたいだからかしらね?基本的に倉崎さんは大学在学中は講義も研究にも不真面目で、後輩の須郷さんを毎日のようにイビッて楽しんでたみたいだけど―――唯一、一部の教授たちから目を向けられたことがあるのが隠密性に特化したウィルスの研究だったわね」

俺「隠密性に特化したウィルスね……」

奴も曲りなりに研究者の端くれだったと言うわけだろうか、研究してるのは聞く限りじゃロクでも無さそうなもんだが。

エルダ「なんでもありとあらゆるセキュリティやロックに感知されずにコンピューターやサーバー内に侵入する事に特化してるみたいだったけど、そのウィルスはおむつが足りないって言うか……ウィルスとしての役目を果たす為のプログラムが不安定だったらしくて倉崎さん自身もそのウィルスに適合した高度なAIの作成を試みてたみたいだけど、結局上手く行かなかったみたいね」

俺「上手くいかなくてむしろ良かったじゃねーか。あのロクでなしのゲス男がそんなウィルスを完成させちまったら何仕出かすか分かったもんじゃねぇよ」

エルダ「オズマ君も大概だけど……あの倉崎って人がそんなのを完成させなくてよかったのは確かに全く持ってその通りだわ」

倉崎と比較されるのは癪だが、ひと先ずエルダから茅場の大学時代の関係者に関する話はこんなところと言ったようだった。
ひとまず倉崎本人に何か聞けることは聞くべきかもしれないしな。


※ ※ ※


西暦2010年代後半……東都工業大学にて! by立木ナレ


倉崎「あーあ、研究つまらねー!教授共も毎日毎日、茅場は立派だとか、茅場は将来有望だとか何べん同じ事ほざいてんだよ!」

東都工業大学の重村ラボにて、当時在校生であった倉崎は大声で喚き続けていた。東都大学の歴代の学生たちの中でも指折りの天才と称されている同級生の茅場晶彦は周囲からの期待、羨望、それらを一身に集める存在であったが、倉崎のような品性下劣にして屈折した男はそれが圧倒的に気に食わないのであった。

倉崎はラボで研究のレポート作成に勤しんでいる一人の眼鏡を掛けた学生を背後から見据えると、見ている方が不快感を感じるような笑みを浮かべて駆け寄った。太り気味の体形ゆえに腹が揺れ、腹をだらしなく揺らしながら倉崎はレポート作成に勤しんでいる後輩の学生の背後から右腕でチョークスリーパーを掛けるのであった。

須郷「ぐぅ……っ!く、倉崎先輩……!」

倉崎「ひゃはははははっ!油断してんじゃねーぞ須郷ちゃんよぉ!この俺が同じラボにいる限り――オメーに平穏なキャンパス生活なんてありゃしねーんだからよぉ!」

倉崎の後輩の須郷は背後から不意打ちのチョークスリーパーを掛けられて、自分の首を締める倉崎の右腕を自身の右手で必死に叩き手抵抗し、倉崎を睨み付けていた。
そんな須郷と倉崎のやり取りはまるで小学生か中学生!少なくとも名門と言われる大学とは思えぬ低レベルで幼稚な光景!―――だが、これは最早この重村ラボでは日常でもあり、周囲の学生たちは常日頃から傍若無人に騒々しく振舞う倉崎に対して嫌悪や侮蔑の視線を向けながらも、誰一人として声を掛ける事は無かった。

そしてそんな倉崎から特にほぼ毎日のように嫌がらせ同然に絡まれ、いびり倒されるのは後輩の須郷伸之(すごうのぶゆき)であった。
倉崎は苦しそうに悶える須郷の姿を見て上機嫌に下品で喧しい笑い声を捲き散らし、ようやく須郷を解放するのだった。
毎日のように上級生の立場を良いことに自分に絡んでくる倉崎に対して須郷は首を抑えて『ぜぇぜぇ』と息を整えながら、憎悪の入り混じった視線を向ける。
が、その時すでに倉崎は須郷から視線を放し、丁度ラボに入ってきた一人の女学生の方に目を向けていた。

倉崎「お、見ろよ!オメーの大好きな神代が来たじゃねーか!」

須郷「な、なにを―――適当な事を言わないで下さい倉崎先輩!」

ラボを訪れたのは同じく重村ラボに籍を置く女学生で須郷の同級生の神代凛子(こうじろりんこ)であった。
彼女が入って来ると同時に倉崎はニタニタと笑みを浮かべながら、そんな言葉を掛けると、須郷は顔を赤くして必死に否定するがその表情はむしろ図星である事を認めているも同然で、それにより倉崎は更に須郷を弄り倒すのだった。

倉崎「おいおいおーい!」

須郷「っつ!」

倉崎は大声を出しながら須郷の背中を強く叩き、そして腕を首に回し顔を近づけてくるのだった。その過剰で乱暴な接し方に須郷は日々ウンザリするのであった。

倉崎「それで誤魔化してるつもりかよ須郷ちゃんよぉ~?バレバレなんだよ、オメーが神代に惚れ込んでる事も、毎晩ズリネタにしてやがる事もよぉ~」

須郷「いい加減にして下さい……!なぜ僕が彼女の事を……」

と、須郷はこの期に及んでも口では否定するがその視線は常に神代凛子の方に向けられ、先程のよりもその顔は赤く染まり、当然それを倉崎が逃すはずがなかった。

倉崎「ぎゃははははっ!なーに赤くなってんだ須郷ちゃんよぉ!つーかもう勃ってるだろ?勃ってんじゃねーかよ!?」

須郷「声が大きいですよ倉崎せんぱ―――ぐぅっ!」

大声で下品かつ卑猥な言動を繰り広げる倉崎に対して須郷が制止の声をあげようとしたが、すぐに倉崎の左手が須郷の股間を鷲掴みにし、須郷は苦悩の表情を浮かべる。
そんなやり取りに周囲の学生――特に女学生たちの殆どは倉崎に対して嫌悪感を露にする表情を浮かべ、中には須郷に対しても倉崎と同列と見なている者すらいる状態であり、まさに須郷からしてみれば巻き添えの風評被害であった!

倉崎「けどよぉ須郷ちゃんよぉ~。残念だったよなぁ~」

そして倉崎は不快な笑みを浮かべたまま須郷にそう囁く。

倉崎「オメーが狙ってた神代の奴は大天才の茅場のヤローの女になっちまったときたもんだ―――あの脳味噌ん中が計算式で埋まってそうな茅場のヤローが女作りやがるたぁ、どー言う風の吹き回しか知らねぇが、相手があの大天才様じゃ~、神代がオメェの女になる事はあり得ねーよなぁ?―――なんたってオメェは茅場に一度も勝った事ねぇモンな須郷ちゃんよぉ―――!!ぎゃははははははっ!!」

須郷「ぐっ――――!!」

須郷にとって茅場と比較される事は東都大学入学以来、常に彼のプライドを傷つける最大の屈辱であり、須郷にとって茅場の存在そのものが憎悪の対象ゆえに、それを嘲笑う倉崎に対して須郷は殺意すら感じされる形相で睨みつけるのだった。
そして、倉崎の言う通り神代凛子が茅場晶彦と交際している以上―――自分に付け入る隙などもはやない事を須郷自身が自覚しているが故にその屈折した憎悪は更に増すのである!

倉崎はそんな須郷の心情をいやらしく見抜き、ニタニタと微笑を浮かべたまま――須郷の耳元でささやくのだった。

倉崎「ま、神代がオメェの女にならねーのはこの際仕方ねぇとしてだ……せめて一発くらいやりてぇだろ?」

須郷「やりたいって……何をですか?」

それままるで…悪魔の囁き!倉崎のその囁きは須郷の叶わぬ恋心を逆撫でし、悪意ある行動……破滅への行動へといざなう悪魔の囁きであった!

倉崎「何をですか……じゃねーだろ分かってるくせによぉ!!せめて一発くらい神代を抱きてぇんだろって言ってんだよぉ!ゴム付けずに生でぶち込んでよぉ~、んでもってそのまま暴発させて中でブチまけてぇよな須郷ちゃんよぉ!!」

須郷「いい加減にして下さい倉崎―――先輩!!」

倉崎「ひゃははははっ!!そう恥ずかしがるんじゃねーよ!どーせオメェ、大学生にもなって童貞野郎なんだよなぁ?クセェ童貞チンポブラブラとさせてんだよなぁ!?だったら神代に頼んでみようじゃねぇか……僕の童貞貰ってくださいってよ」

ラボにいる人間全員に聞こえてしまいそうな程の大声で卑猥な言動を繰り返す倉崎―――須郷はそれを止めようとするも倉崎は須郷を愚弄しゲラゲラと笑い続ける。
そして、ねっとりとしたまとわり付くような、見られる者からしてみれば悪寒すら感じずにはいられなくなるような倉崎の視線が向けられた先にいたのは神代凛子であった。

須郷はその倉崎の視線に気が付き、即座に悪感を感じるが須郷の制止は倉崎の行動よりも一歩遅れてしまう。

須郷「な、なにするきですか倉崎せ―――」

倉崎「おーい神代ぉ~、ちょっと良いか~?」

神代「……なんですか倉崎先輩?」

須郷の制止を無視して倉崎は大きな声で神代に声を掛ける。他の女学生たち同様、倉崎に対して悪印象を抱いている神代は冷たい目でそっけない態度で返事をしたが、倉崎は構う事無く喚き散らすのだった。

倉崎「神代知ってるかぁ~?須郷ちゃんってばよぉ、この年でま~だ童貞なんだぜ~!やりたくてもやる相手がいなくって毎日一人でしこってやがんのよ!哀れだと思うだろ~?」

神代「それが……なにか?私に何の関係が?」

あくまで神代は倉崎の話に一切の興味を抱く事無く、冷めた目で淡々と答えるのみであった―――そして、須郷はと言うと。

女学生「須郷君ってそんなムッツリスケベだったの……茅場先輩に次ぐ逸材なんて言われてるけど、中身は茅場先輩と大違いね」

女学生「何か私――倉崎先輩程じゃないけど須郷君が気持ち悪くなってきた。勘違いされてストーカーにでもなられたら困るから、これからは彼と口利かない方が良いかもしれないわね」

女学生「倉崎の言ってる事なんて真面目に聞いてても仕方ないけどさ……本当に須郷君が神代さんのこと考えながら一人でしてるんだとしたらキモすぎるよね……私達の事も頭の中で変な妄想してるんじゃないかしら?」

須郷「くっ……どいつもこいつもっ!!」

須郷……倉崎の言動によりあらぬ誤解を抱く女学生たちの侮蔑と嫌悪の視線に耐えきれずにその場から走り去る…圧倒的逃避!
だが、ここで逃避したところで彼が茅場に劣る事…神代凛子が自分の女性にならぬ事…これからも倉崎によって日々イビリ倒され続ける事に一切の変化はないのであった!!

倉崎「だからよぉ~、分かるだろ神代よぉ!須郷ちゃんの臭せぇ童貞貰ってやれって言ってんだよぉ~、どうせ毎晩茅場とやってんだろぉ?茅場に仕込まれたテクで須郷ちゃんに中出しさせてやれよぉ~」

神代「―――っ!不快な捏造話に付き合うつもりはありません……私は貴方よりは忙しいので失礼します!」

当初は倉崎の卑猥な話を適当にやり過ごしていた神代も茅場との関係を持ち出された途端、顔を真っ赤にして怒りを垣間見せたのであった。
それ故に彼女は倉崎の話を全て彼一人で作り上げた捏造と判断し、須郷が自分に想いを寄せているなどとは気が付く由も無かった…… 
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