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ソードアート・オンライン~風の名を持つ者~

作者:勇者
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73層

 
前書き
原作と同じく飛ぶぜ! 

 
「ホーリー・ストーム!」

片手剣上位スキルで切り裂く。ホーリー・ストームは一撃の強さが半端なく強いSTRに振りまくった俺が繰り出したら最強の一撃だ

スカル・フィアーなるボスのHPゲージが一段階下がった。が、スカル・フィアーの武器である太刀が俺に振られていた。それをガードして一旦離れ、凄まじい速さで接近する

「バーチカル・スクエア」

今度は四連撃の技だ。スカル・フィアーの弱点である頭に当たりスカル・フィアーのHPがなくなり消えた

「久し振りにやってしまった……これでまた噂がたつな……」

剣を納めながら呟く。目撃者はいないのだが、ここに俺がいるというのは知り合いには言っておいた。だが来るのが遅すぎたのだ。また一人でやってしまった……ボス狩りを………こんなの45層以来だな……

「まあいっか、また消えよっと……」

そう言って次の層、74層へ足を運ぼうとしたその時

「フウリ!大丈夫か!?って………お前まさか……一人で……」

はい来た、俺の知り合いCことボン クライン。こいつはギルド、風林火山のリーダーでアホで、腐れ縁だ。やつは一人では来ず、ギルドメンバーを連れてきている

「お前やKobやキリトが遅いから勝手にやらせてもらったよ。まあ無傷だから許してくれ。レアアイテムはやらんがな」

「そんなもんいらねぇよ!45層で死にそうだった時に言ったよな!もう二度と一人でボスと戦わないと!俺やキリトとの約束だろ!やっと一人で戦わなくなったと思ったのによ!死んだらどうすんだよ!」

クラインは俺を心配してくれているんだな……こんな俺を…キリトもクラインより早く来たらこんなこと言ってたんだろうな

「すまなかった。31~45層での嫌な癖が出ちまった……またしばらく前線には出ないよ。……ちゃんと罰は受ける」

クラインのいる73層の方へ歩いていく

「あの、クラインさん、あいつ誰ですか?」

風林火山のギルメンが俺を指差して言う

「『風』の二つ名を持つ最前線を駆ける俺の知る限り最強のプレイヤーだよ。だがまだ何か隠してそうなとこがあんだよなぁ。お前も聞いたことあるだろ?『風』」

「あんなめちゃくちゃ子供っぽいやつがあの『風』!?」

おい聞こえているぞ

「俺はきっと16になったとこだ!子供なんて言うな!」

あれがレッドプレイヤーなら殺していたのに

「今のは禁句だぞ。あれ言ったレッドプレイヤーは瞬殺されている。オレンジプレイヤーもたまに殺されるぞ。そんだけ自分の容姿を気にしてるんだよ。俺なんて初めは女と思ったし」

クライン…お前の目は節穴だったのか……

「すいませんでした!」

俺なんかに土下座してきた。こういう素直なやつは嫌いじゃない

「別にいいよ。あ、俺が一人で倒したなんてことは口外禁止な。噂がたつのはあまり好きじゃない」

「一人で倒した罰だ。噂を流す」

クラインめ、罰は受けると言ったが面倒なことに……

「フウリ!」

お、知り合いA……キリトが来た

「久し振り、キリト」

俺は右の拳を出した

「久し振り、フウリ……あれ、ボスは?」

キリトは俺の拳と自分の拳をあわせた後、辺りを見渡した

「えーと……クライン、任せた!」

ダッシュで73層の扉へ向かった

「キャッ」

扉を出る時に人とぶつかった

「ごめん!ってアスナ!?ダメだ……Kobまで来た……やっぱり逃げるしかない」

知り合いBのアスナが倒れているうちに『風』の二つ名にふさわしい速度で逃げていった









まあ結局捕まってしまった……今は俺の前にアスナ、キリト、クラインと五人しかいない知り合いのうち三人がいる

「あの……31~45層の悪い癖がですねぇ」

さっきも31~45層と言ったが31~45層のボスは俺一人で倒したのだ。まあ45層は瀕死だったが、俺が倒したというのを知っているのは知り合い五人しかいない。ヒースクリフがやったと噂を流したのだ。ヒースクリフというのは俺の結構好きではない、おっさんだ。ユニークスキルを持っているらしいがどーでもいい

「ちょっと、みんなは本部に報告しに行ってきて。今日はお疲れ様」

アスナが人払いをした……これ、めちゃくちゃ怒られるな

「あのですねアスナさん、悪いとは思っているんでレイピアを抜くのは勘弁していただけたらなぁと……」

にこやかな顔には怒りが見える…怖い!キリト!お前が抱きつけば顔が真っ赤になって動きが止まる!抱きつけ!とキリトの方を見ると呆れた目で見てくる。キリトも少し怒っているようだ

「一つだけなんでも答えるから!頼む!許して!」

あ、言ってしまった………ミステリアスキャラが崩れちまうかも

「言ったわね。キリト君、ついにあれを聞けるときがきたわ」

「そうだな。クライン。あれを聞けるぞ」

「とうとう聞けるのか………」

「な、何を聞く気だ……」

「「「どうやってボスを一人で倒したの(んだ)?」」」

………答えたくないな……これを言うと………今まで隠していたことが…………

「そ、それは……………すまない。これは言いたくないんだ………」

「卑怯よ」

アスナ……あまり言いたくない…キリト以上のチート技だから………

「そう、俺は卑怯者だ。だから言えない。言ったらよけい卑怯者になってしまう」

「少なくとも俺やクラインやアスナはそうは思わないよ。言ってくれよ。フウリには俺がなぜ盾を装備していないか言っただろ?」

キリト………別にキリトにだったら言ってもいい。俺の記憶の中で最も最悪な時に修得したユニークスキルを

「アスナとクラインには聞かれたくないんだけど……もういいや、どうせいつかボロが出るし」

ため息を吐いて続ける

「俺にはユニークスキルがある。だけどそのユニークスキルがチートっぽいんだ……」

「どんなユニークスキルなんだ? 」

キリトが聞いてくる

「飛ぶ剣と書いて飛剣。斬撃を飛ばすんだ。どんなボスでもダメージ食らわず倒せる」

「でも45層の時に死にかけてたじゃない」

「……その時は敵が槍を使っていたから突かれたんだよ」

「修得方法は?」

「俺の場合は75人いるギルドのギルメン全員でボス戦をして俺以外全滅して倒したら修得した。多分このスキルは多くの犠牲者が必要だ」

俺はあれ以来パーティーにもギルドにも所属しなくなった。また全滅するのを恐れて………

「75………ギルド一つでそんなに死んだってことは28層ね。確か名前は……」

「鳳凰騎士団…………まだ完全には立ち直れていないからこれ以上は……」

その時から俺は一人でボスと戦うようになった……そして45層で死にかけてキリト達と出会った

「とりあえずホームに戻るよ。キリトの言う通りソロプレイには限界があったよ。これが限界だと思う。だからしばらくは前線にでないかもしれない」

手を振りながら歩いていく

「何にもとらわれない『風』か………過去にとらわれているのにな…」

呟いてあの時のことを思い出す。飛剣を修得したあの時のことを……


 
 

 
後書き
神谷風璃(フウリ)

容姿:アッシュグレイのセミロングに童顔。よく女の子と間違えられる
備考:この物語の主人公。斬撃を繰り出す飛剣の使い手。レベルはこの時点で98でクラインの言う通り最強のレベル
好き:飯、ゲーム、睡眠、友達
嫌い:↑を邪魔するやつ、両親、自分の容姿 
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