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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE129 現実世界での相談・・・写真の正体は?

多段式ロケット方式などと言う型破りかつ非常識な手段でオズマは一人のプレイヤーを世界樹の樹の枝付近にまで送り届ける事に成功!
ギリギリで距離が足らずに世界樹の樹の上の城までの到達は敵わなかった者の、証拠写真を数枚撮影し、その中の一枚にSAO時代に攻略の鬼として知られた血盟騎士団の副団長、アスナそっくりの少女が写った写真を見たオズマは詳細を確認すべく一旦ALOからログアウトしたのだった……果たして、この少女は本当にアスナか……悪魔のデスゲームSAO事件は未だに終わっていないのだろうか!? by立木ナレ



俺「アイツ、まだ入院中だったんだな……」

アスナそっくりな写真を見た俺が真っ先に電話をしたのはアスナとどうせ付き合ってたであろうキリトだったが奴は未だに病院でリハビリ生活の身の上らしく、恐らくその関係で携帯を契約してないのか今すぐにの連絡は難しそうだった。
病院に連絡してキリトに出てもらうと言う方法も考えたが、今は既に夜の11時を過ぎており、入院患者に取り次いでくれるとは思えない。
そこで俺はSAO時代の知り合いの中で、現時点で一番簡単に、尚且つ話しやすい相手に連絡が取れる相手を訪ねる事にした。

俺「親父、原付借りる」

時生「お~う、警察には気を付けやがれよ~」

未成年の息子が深夜近い時間帯に急に行き先を伝える事も無く出かける事に対しても、免許を持たずに原付に乗ることに対しても、今更とやかく言ってくる親父ではないのでこういう時はありがたい親父だった。
原付に乗り込んだ俺が向かった先は同じ台東区で御徒町(おかちまち)にダイシーカフェと言うカフェだった。
夜はバーとして営業している店らしく、12時近くまでは営業しているようで、店の扉の前には『open』とっ掛かれた看板が置かれていた。

カラン、という音のベルを響かせてドアを開けると、カウンターの向こうではSAO時代に見知った巨漢のスキンヘッドの男が、俺の顔を見るなりニヤッと笑いを浮かべていた。
他にも数名ほどの客がたむろしており、酒を飲んで談笑中の様子だった。

エギル「なんだ~?未成年がこんな時間に夜遊びしてやがんのか?しかも、バイクの音が聞こえたみてぇだが、免許は持ってんのか?」

俺「夜遊びも原付の方もちゃんと親父の許可取ってるからなんの問題もね~よ」

エギルは一瞬唖然とした表情を浮かべた後、額に手を当ててため息を付いていた。

エギル「お前んとこの親父と爺さんには前に病院で一度会ったが、ホントに未成年の保護者とは思えねぇ程にクレイジーな中高年だな……頭のネジが何本か飛んでるんじゃねぇか?」

俺「頭のネジが飛んでるのは否定できねーけど、しつけだの教育だのと口やかましくウダウダ言ってくる親よりかはマシだよ」

この店にSAO時代に斧使いで商人だったエギルがいるのは客ではなく、エギル……本名『アンドリュー・ギルバート・ミルズ』が現実世界でもこの店を経営しているマスターだからだった。
見ての通り生粋の黒人、アフリカ系アメリカ人とか言う奴らしいが親の代からの江戸っ子らしく、住み慣れた御徒町に喫茶店兼バーであるこの店を開き、結婚模した矢先に不運にもSAO事件に巻き込まれてしまい、二年後に帰還した直後の時は流石に店の事は諦めつつあったようだが、その店は結婚したばかりだった奥さんが守り抜いたと言う。

俺とエギルがSAO帰還後に最初に会ったのは、目を覚ましてすぐ、同じ病院の同じ病室で隣のベットで、一足先に目を覚ましていたエギルが俺に声を掛けており、俺の二年ぶりの目覚めはマッチョのデカい黒人男の顔面ドアップと言う衝撃的かつトラウマになりかねない目覚めとなってしまったのだった。
本の直前までレイナを抱きしめていたと言う事も有り、流石にあの時ばかりはSAOに戻りたいと思ってしまうほどだった。

エギル「んで、オメーは何しに来たんだよ?前に俺の店を見た時は、今にも潰れちまいそうだとか、本当に2年もどうやって経営してたんだ、とか色々と言ってくれた後でまさか客として来たわけじゃねぇよな?」

俺「ああ、別にこの店で一杯やりに来たわけじゃねーよ。これを見てどう思うか聞きに来たんだ」

俺は事前にALOで撮影した例の写真はネット上にアップさせておき、スマホでURLで見れるようにはしておいてあるので、俺はURLからアクセスしてアスナらしき人物が映った写真をエギルに見せた。
エギルは黒い表情を一瞬固まらせると、目を大きく見開き、その人物がエギル自身も知っている人物である事に気が付いたようだった。

エギル「オズマ……こりゃ一体どういう事だよ?」

俺「ALOで撮影したんだよ、知ってるか?」

エギル「ALO……それってアルヴヘイム・オンラインの事か?俺等がSAOに捕まってる間に正式サービスが始まったとか言う……」

俺「知ってるなら話ははえーよ。俺はそのALOっていうゲームの中の世界樹の樹のにぶら下がってた鳥籠の中でそいつが入ってたみたいでな、プレイヤーの一人を飛行させて撮影したんだ」

それから俺は、ALOの中での経緯を大まかにエギルに説明し続けた、店の中には数人程度の客がいたのでエギルは客の注文を聞きながら俺の話を聞いていた。
そして、俺の話を一通り聞き終えたエギルは、改まった様子で俺の顔を見据えながら言葉を発する。

エギル「もし本当にこの女がアスナだって言うなら、俺じゃなくてキリトに連絡にした方が良いんじゃねぇのか?」

エギルのその質問は最もで、俺も出来る事ならキリトに伝えるつもりなのは言うまでも無かった。

俺「そりゃそうだろうけどな……キリトとはリアルでは色々あって一度アイツが入院してる病院で会った事はあるんだけどな、アイツはまだ入院中で形態も持ってなく連絡取れねーから……今の時間帯じゃ病院に電話したところで取り次いで貰えねーだろうから、取りあえず手近なSAO時代の知り合いのお前に話に来たわけだよ」

エギル「そっか……思い付きみてぇな行動だけど、少しばかし当たりかもしれねぇぞ」

俺「どういう事だよ?」

大きな黒い顔をニヤッと豪快な笑みを見せつけるエギルの言葉は何処か自信ありげな声に感じてならなかった。

エギルは「実はな、キリトの奴……総務省の役人相手に自分のSAO時代の話をする条件にSAO時代のリアルでの知り合い連中の連絡先を片っ端から聞いてるらしいぜ」

俺「へぇ~、殊勝な事してるんだな。まさか後でSAO時代の知り合い連中を集めて打ち上げでも考えてやがるのか?」

エギル「ははっ、そりゃ色んな思い出話が出来そうじゃねーか!」

俺が冗談で言った事に対してエギルは豪快に笑い飛ばして答えた。俺の連絡先については俺の方から自分のスマホの番号を教えておいたので、何れキリトも新しく携帯を契約し直せば向こうから連絡して、そうすればその履歴からこちらからも連絡を取れるようになる……ま、別にキリトと頻繁に通話やラインのやり取りなどするつもりは毛頭ないのだが。

エギル「OK、キリトの奴のもそろそろ退院だとか前に聞いたからな。そしたらあいつに俺の方からこの件で連絡しといてやる」

俺「そりゃ助かるぜ。正直キリトの奴にあの写真を見せたら、目の色変えて必死な顔してあれこれとし質問責めにしてきてめんどくさそうだからな」

これで面倒な役目はエギルが担ってくれたことになった――そんな俺の魂胆はエギルもやはり気が付いたようで『面倒事をまんまと押し付けてくれやがって』という小言を背中に受けながら俺は店を後にした。
親父の原付を運転しながら自宅アパートに向かう最中、他にこの件で連絡する相手について誰にすべきかを考えていた。
ひとまず思い浮かんだのは茅場からVR技術に関する知識の教えを受けたエルダだったが、奴が俺の連絡に応じるかどうかは大いに疑問が残る。
と言うか、ほんの数時間ほど前の合コンの一件があり俺の方から奴に合うのはかなり気が滅入るんだよな……

等と考えてる最中にあっという間に自宅アパートに到着。そしてアパートに近づいた頃から、聞き慣れた声同士の、日常茶飯事な喧嘩のやり取りが聞こえてきた。

倉崎「小田桐のクソ爺よぉ!オメー、俺のインスタにアンチコメしまくってるだろ!この辺の連中しか知らねーはずの俺の事が書き込まれてたんだよ!」

恭史郎「黙れ倉崎!テメーのアンチなんて誰だって書いてるじゃねーか!そもそもテメーのインスタなんてアンチのコメントしかねーだろうが、あーん!?」

俺の祖父、小田桐恭史郎(おだぎりきょうしろう)と隣人の倉崎(くらさき)の不毛な口喧嘩だった。
毎度毎度喧嘩の話題に尽きない奴らは既に深夜の0時を超えている時間帯でもあるにも関わらず近所迷惑などお構いなしの大声でのトークバトルを繰り広げていた。

そして、口やかましいトークバトルによって安眠を妨げられている周辺住人やホームレス達が早速怒りをぶちまけてくる。

「おめーらやかましーんだよ!喧嘩なら交番の前でやりやがれ!そうすりゃテメーら二人揃って留置所行きだな―――!」

「毎晩毎晩いい加減にしな―!アンタらのおかげで寝不足で美容に最悪でお肌の潤いが無くなっちゃったじゃないの――!」

「どっちも生きてる事自体がはた迷惑なクズ共がこれ以上人様に迷惑かけんな―――!」

売り言葉に買い言葉で、周辺住人やホームレス達からの猛抗議を食らった爺さんと倉崎は即座に今度は徒党を組んで口汚い言葉で言い返していた。

爺さんは同じアパートの中年姉妹に対して『テメーらの肌なんてとっくに乾ききってるじゃねーか!』と罵倒して更に怒りをヒートアップさせて―――倉崎はホームレス達に対して『街のゴミ共のテメーらこそゴミ収集車に処理されちまえ!』と罵り合う泥仕合と化していた。

俺「警察に通報されねー程度にしとけよ……身内が逮捕されると俺も面倒事に巻き込まれかねねーからな……」

俺は親父の原付をアパートの駐輪所に停めてから鍵を掛けて自宅アパートに戻るのだった。爺さんは俺には目もくれずに相変わらず大勢の敵を回したトークバトルを続けていたのだった。


そして、オズマがアパートの自室に戻った後も、恭史郎と倉崎を発端にして始まった騒々しいトークバトルは冷める事無く騒々しく続いていくのであった! by立木ナレ


恭史郎「どいつもこいつも汚ねぇ声で喚いてんじゃねー!テメーら公害だ公害!慰謝料払いやがれってんだ畜生が!」

倉崎「ったく面白くもねー!あーあ、大学時代はまだ良かったよなー!イラつく事があってもすぐに須郷ちゃんを弄り倒してストレス発散にゃ困らなかったってのによぉ!この廃れた街には須郷ちゃんみてぇな弄り倒しやすいプライドの塊みてーなインテリ野郎なんてどこにもいやしねー!」

恭史郎「まーたその話かよ!?テメーみてーな寄生虫野郎が東都大学に通ってただ―?んな頭良いのかテメーは!?」

倉崎「だから前にも言っただろうが!入学なんてのは替え玉受験でどうにでもなるってなー!テメーはバカだからそんな簡単な事も思いつかねーんだろうよボケ爺!」

恭史郎「ボケはテメーだ!結局替え玉受験がばれて退学になった大間抜けが!」 
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