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レーヴァティン

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第七十七話 八丈島その十一

「そんなことはな」
「では」
「わかった、それではな」
「襲ってきたならば」
「切り捨てる」
 一言でだ、英雄は言った。そしてだった。
 実際に襲い掛かってきたいつまでをだ、英雄は居合の要領で刀を上に一閃させて倒した。真っ二つになった魔物はすぐに金塊になった。 
 その金塊の量と手応えを見てだ、英雄はこう言った。
「しつこいそうだが」
「それでもでござるか」
「強さ自体はだ」
 こう智に話した。
「特にな」
「強くはなかったですか」
「大した強さではな」
 到底というのだ。
「なかった」
「左様でござるか」
「ではだ」
「これからですね」
「先に進む」
 こう言った、金塊を拾ったうえで。
「山の頂上にな」
「それではでござるな」
「魔物はこうしてだ」
「倒していき」
「先に進む」
 素っ気ない口調で言ってだ、金塊を拾った英雄は前に進んだ。そうして山を頂上へと向かって歩いていくが。
 十度以上の戦いが昼までにあった、それで英雄はこう言った。
「敵がな」
「思ったよりでありますな」
「多いな」
 こう峰夫に述べた。
「この山は」
「確かに」
 峰夫も今倒した野槌が変わった金塊を拾いつつ述べた。
「まだ昼飯の時間でもないというのに」
「次から次にだ」
 まさにというのだ。
「出て来る」
「そうでありますな」
「山、特に木に覆われた山は魔物が多い」
 その森の中に生態系がある、それで魔物も平原よりも多くなるのだ。それに自分達を倒す人間がいつもいる訳ではないからだ。
 それでだ、英雄も言うのだ。
「元々な。しかしな」
「この山は」
「敵が多い」
 まさにというのだ。
「とりわけな」
「それだけ人が入ることが少ないのでしょう」
 峰夫はこう考えて述べた。
「だから魔物も倒されずにであります」
「多いか」
「そうかと」
「そしてこうした山こそ」
「仙人がいるな」
「人がいない、即ち前人未到」
「魔物が多く」
 英雄はその目を鋭くさせて峰夫に応えた。
「そしてな」
「仙人も入るものであります」
「そうだな、仙人は修行をする」
 まず仙人になる為だ、そして仙人になり仙術をより高める為にだ。
「それにはな」
「仙術を高められる場所となり」
「人が来ず自然の空気が強いところだとな」
「仙術の気が集まる」
「それ故にな」
「仙人は深い山に入るでありますが」
「十人目もだな」
 英雄はその自分達の仲間になる彼女のことを話した。 
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