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龍馬の言葉

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第五章

「地獄に落ちている」
「それだけ悪いことしてたんじゃな」
「人を騙し貶め殺す」
「まさに悪事じゃな」
「その悪事の為だ」
 まさにというのだ。
「あの者達はな」
「地獄に落ちていっとるか」
「片っ端からな」
「そういえば従軍慰安婦という話もあったのう」
 龍馬は人の世での話もここで思い出した。
「あれも嘘じゃな」
「そうだ、あのことでもだ」
「嘘を言って日本とわし等の子孫を貶めた罪でか」
「地獄に落ちていっている」
 その嘘を吹聴して回った者達はというのだ。
「そうなっている」
「自業自得じゃな」
「そしてその者達にだ」
「わしがか」
「言ってもらいたい」
 地獄まで行ってというのだ。
「これからな」
「わかったぜよ、ただのう」
「ただ。何だ」
「連中は地獄に落ちたんじゃな」
 龍馬は仏にこのことを確認した。
「そうじゃな」
「それがどうしたのか」
「連中は神も仏も信じとらんじゃなかったのか」
 それでどうして地獄に落ちるのかというのだ。
「信じてないところに」
「愚か者が信じていなくともだ」
 仏は龍馬の疑問に即座に答えた。
「神仏はいるものだ」
「連中が勝手にそう信じてるだけでか」
「そうだ、我々は存在しているのだ」
 共産主義者が何と思おうともというのだ。
「しっかりとな」
「それでじゃな」
「あの者達も地獄に落ちたのだ」
「そういうことじゃな」
「納得してくれたな」
「そのことはな、ではな」
「今から行って来るぜよ」
 地獄にとだ、龍馬は仏に応えてだった。
 極楽から六界で最も底にある地獄に向かった。地獄に入ると彼等は普通の地獄にはいなかった。
 地獄の中でもかなり深い場所にいた、それで龍馬は地獄の深い場所に降りてから案内役である牛頭と馬頭の二人の鬼に言った。
「連中はそんなに悪いことをしちょるか」
「うむ、どうもな」
「相当に酷い連中でな」
 鬼達も自分達の後ろにいる龍馬に話す。
「碌でもない国を地上の楽園と嘘を言いそれでその国に行って苦しみ抜いて者もいる」
「共産主義国家の悪事は隠していた」
「悪事を隠す中で他の国や人を罵ったりしていた」
「なかったものをあったと言って自分のいる国や人を貶めた」
「日本を共産主義にする為に不安を煽り嘘を吹聴した」
「テロを起こし人を殺めた者もいる」
 そうした悪事をしてきたというのだ。
「その罪は極めて重いとな」
「十王の方々から判決が出た」
「そうして地獄の深いところに落とされた」
「その悪事あまりに悪辣だとな」
「醜悪極まる」
「そう判決が出てだ」
「成程のう、まあそうなってもじゃ」
 龍馬の彼等の所業を極楽から見て顔を顰めさせていたので言えた。
「仕方ない連中じゃな」
「貴殿もそう思うな」
「ではその連中にだ」
「言ってくれ」
「日本と露西亜の戦争で明治皇后に言った様にな」
「わかったぜよ」
 龍馬は鬼達の言葉に頷いた、そうして彼等がその罪を責められているところに来た。見れば彼等は舌を抜かれ切り刻まれ地獄の虫達に攻撃を受け食われていた。 
 苦しみ抜いて殺されるがすぐに蘇り同じ責め苦を受ける、その繰り返しの中で彼等は必死に助けを求めていた。「助けてくれ!」
「どうして私達が地獄に落ちるの!」
「もう死にたくない!」
「俺達が何か悪いことをしたか!」
「何でこんな目に遭うんだ!」
 彼等は泣き喚き叫んでいた、そうして自分達がしたことを他人のせいにし反省もせず自分達の行動を無理にでも正当化していた。
 
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