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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE123 襲撃!サラマンダーの一団

ルグルー回廊の出入り口からケットシーの領主のアリシャ・ルーが率いる一団がオズマらに気が付く事無く出ていった……by立木ナレ


デレック「やっぱりあの噂って本当だった……」

デレックが飛び去って行くケットシーの一団を遠い目で見送りながらそうぼやいていた。

俺「噂ってなんだ?」

デレック「シルフとケットシーが同盟を組んで世界樹攻略に挑戦するって噂だよ。さっきのケットシー領の領主のアリシャ・ルーはシルフ族の領主のサクヤと個人的にも親しい間柄らしくてね、その縁もあってシルフとケットシーは種族全体で友好的な関係になってるって感じだね~」

俺「それって、アルフに転生する為のクエストって奴か?」

確か、世界樹があるのは俺達がこれから目指している央都アルンにあるらしく、そこのクエストを達成し妖精王オベイロンに最初に謁見する事で謁見したプレイヤーの種族全員がアルフに転生し、飛行時間の制限から解放されるとか言う内容だったな。

デレック「そ、このALOの現状の最終目標のクエストなんだけど、サービス開始から一年以上たった今でも未だに達成できず仕舞いなんだよね~。空中都市には世界樹の根元にあるドームから入れるんだけど、そこを守ってる守護騎士たちが圧倒的な数で今まで挑んだパーティーは尽く敗退て感じだよ」

俺「けど、妙だな……」

シルフとケットシーは世界樹攻略のために同盟を組むと言っている。だが、それで世界樹攻略を達成したとしてもひとつの問題が起きる事になる。

俺「オベイロンとか言うのに謁見してアルフに転生できるのは一種族だけなんじゃないのか?仮にそのやり方で世界樹を攻略できたとしても、どっちが謁見するかで揉めるんじゃないのか?」

俺の指摘に対してデレックはそれもそうだと言った感じで感心したような様子で首を縦に振っていた。

デレック「そこはなんて言うか、お互いに何かしらの線引きって言うか妙案があるんじゃないの?そもそもシルフとケットシーが同盟組んで世界樹攻略に挑むって言う情報自体が噂の域を出てないからね」

俺「ようするに、世界樹を攻略した後の方針は両陣営のトップだけが知ってる内密って事か……」


ともかく、俺達はルグルー回廊を通り抜けなくてはならなかった。ルグルー回廊にはこうもり系のモンスターなど暗視に長けたモンスターが何体か出現したがそいつらの撃退は特に苦も無く行われた。
だが、異変が起こったのはサラマンダーと言う、火属性妖精のプレイヤーの一団を発見した事だった。


俺「別に他のプレイヤーがいたとしても不思議も何もないんだけど、積極的にモンスターと戦ったりアイテムを探してるって感じでも無さそうだな」

サラマンダーの連中は洞窟内の一本道の通りを陣取って、まるでそこを通りかかるプレイヤーを狙っているかのような様子だった。

デレック「もしかして、またシルフ狩りでもやるつもりなんじゃないかな?」

俺「なんだよ、シルフ狩りって?」

デレック「シルフ族とサラマンダーって狩場が近場にあるとかいろんな理由で結構険悪な関係でさ、ALOは基本的にPK推奨のゲームなわけだけど、サラマンダーとシルフの間者それが特に凄くてねぇ~、お互いに戦うメリットとか理由が無くたって、安全圏外で見つけたらとにかく戦闘に発展するのが当たり前って感じなんだよ……今のところはどちらかよ言うと、シルフの方が勢力的にサラマンダーの後塵を拝してるって感じらしいね~」

俺「中々、殺伐としたゲームになってるんだな……選んだ種族でそう言う派閥争いに巻き込まれるのは面倒なゲーム環境になっちまってるもんだ」

デレック「そうだね~、今のところインプは他の種族と表立って大きな対立とかに発展には至ってないからまだマシだけどね」

あんな為体な領主でも、意外とその辺りは上手くやってやがるのかもしれないな。或いは、あんな為体だから覇権争いとかには興味が無いのかもしれないが。

俺「そんじゃ、さっさと素通りしちまうとするか。どうせ奴らの狙いはシルフなんだろうしな」

デレック「オッケー、派閥争いの蚊帳の外にいると、こういう時に楽が出来て便利だねぇ~」

俺達はさっさとルグルー回廊を抜けるべく、特に何の警戒もしないまま目をぎらぎらと周囲を見渡しているサラマンダーたちに近づいていった。
連中は俺達インプと違い、暗闇では目があまり見えないのか、6人組のプレイヤーの内の二人がランタンで周囲を照らしながら周囲を散策している様子だった。

そして、奴らは俺達の接近に気が付くと同時に、一斉にこちらを振り向き、後方の魔法使い(メイジ)プレイヤーと思わしき二人が魔法の詠唱を始めていたのだった。
だが、そのスペルを聞いても俺はそれが何の魔法なのか分からず、後ろのデレックの特に焦りや緊張感のない声が告げたのだった。

デレック「あ、オズマ~」

俺「あ、どうした一体?」

デレック「火属性の攻撃魔法が来るよ~」

俺「は……?」

そして俺が抜けた返事を返した直後に、魔法の呪文(スペル)を詠唱していた二人のメイジの目の前に巨大な火球が出現し――――こちらに向かって…と言うか俺に向かって飛んできたのだった。

俺「――――っ!!」

俺は大慌てで右方向に飛び跳ねるように移動し、辛うじて一発目の火球の直撃を回避したが、二発目の火球を避け切れず、火球の直撃によって盛大に吹き飛ばされたのだった。

デレック「もしも~し、大丈夫かなオズマ~?」

俺「警告するのが遅いんだよ!それともっと緊張感のある態度で言え!」

相変わらずまったく緊張感も焦りも全く見せないデレックに対して俺は文句を言い放つが、そんな言い争いをしている場合ではない。

俺「アイツら、攻撃してきやがったじゃねーか!」

デレック「うん、PK推奨のALOだからね……別にありだよ」

俺「連中の狙いはシルフじゃなかったのかよ……とにかく応戦だ!魔法の援護頼むぞ!」

デレック「りょうか~い」

まさか俺達をシルフと見間違えたわけじゃあるまい――何故攻撃を仕掛けられたか知らないが、ここでHPが0になったらまたインプのホームタウンに逆戻りになっちまう。それは余りにも面倒被る話だ……

既に二人のメイジは再び先程と同じ呪文の詠唱を開始していた、俺は現状大した攻撃魔法は使えそうにないので、魔法を使った後方支援はデレックに任せて俺は必然的に前線担当になる。
幸いにもデレックは攻撃魔法も支援系魔法もそこそこ修得しているようなので、メイジ役としても悪くはない。

早速デレックが俺に攻撃のステータスが上昇する支援系魔法を掛けていた。そして向こう側からは剣と盾を装備した戦士系のサラマンダーと大きな斧を構えた重戦士系のサラマンダーが俺を迎え討ちに接近してきた。

早速戦士系のサラマンダーが縦を前に構えた状態で剣を突き出してきていた。だが俺にとってその攻撃は容易に対処できる動きだった。
SAO時代から培った敏捷性ステータスで俺はダッシュからのジャンプで高く飛び上がる。

「なんだそりゃ……っ!?」

俺「こーいうことだっ!」

丁度頭上から俺は長剣を戦士系サラマンダーの頭を一発で切り落としてやった。斧を持った重戦士タイプのサラマンダーも物の数秒で仲間が一撃で倒されて目を大きく見開いて硬直していた。
一方で後方のメイジはそれでも詠唱を止める事無く、再び二つの巨大な火球が俺に向かって飛んでくる。

メイジ「「フレイム・ブラスト!!」」

デレック「ヴォイド・ディストレーション!」

サラマンダー隊のメイジたちとデレックが魔法名を叫んだのはほぼ同時だった。デレックが発動した闇系の魔法は大きな闇のエネルギー魂となり、二つの火球の内の一つに直撃、相殺し打ち消し合っていた。
もう一つの火球はデレックの魔法では打ち消される事なく、俺を目掛けて飛んできて、俺は敢えてそこから一歩も動く事無く剣を構えて―――直撃寸前の距離に迫った火球をその軌道に沿う様に振り払った。

「か、火球の軌道が……」

デレック「あらら、逸れちゃったみたいだね」


オズマの剣技によって軌道が逸れ、結果的にオズマへ直撃しなかった火球を見てサラマンダーのプレイヤー達は一斉に驚嘆の表情に変貌!
リーダー格の男は呆気にとられて指示を出すのが遅れてそこをオズマが逃すはずなど無い!同じく呆然としていた斧使いの重戦士系のサラマンダーに容赦ない剣技の嵐を浴びせ瞬殺……瞬く間に前線の二人のサラマンダーが倒されたのであった! by立木ナレ


「ま、前に出ろ!メイジ隊の詠唱時間を稼げ!」

「りょ、了解!」

リーダー格のサラマンダーが隣で待機していたサラマンダーのプレイヤーに今倒された二人の代わりに前線に出るように命じたのだった。
だが、そのサラマンダーは先ほどの二人に比べると軽装でどちらかというと、ピュアファイターと言うよりは前線と後方支援を半々に熟す魔王戦士タイプのプレイヤーのようだった。
そのサラマンダーは長刀を斜め下に振り下ろすが、その剣技は同じ魔法戦士タイプでもシルフ族のリーファに比べて大きく劣る剣技だと一目で俺は判断した。

俺「おせぇ……」

「うわっ!」

剣が俺に斬りつける前に俺は剣ではなく、単なる蹴りを相手のサラマンダーの鳩尾に食らわせていた、それは体術スキルでも何でもない単なる鳩尾への蹴りに過ぎないのだが、ALOのサラマンダーはそんな攻撃をされた経験など無かったのか、過剰に体勢を崩して大きな隙を作っていた……またしても俺は隙だらけになったサラマンダーの首を一撃で斬り飛ばしてやった。

メイジ「ぜ、前線メンバーが……全滅した」

リーダー「退避だ!ひとまず退避しろ!ルグルー回廊から出るんだ――っ!!」

撤退はあっという間だった。自分達に勝算がないと見た後の行動は迅速で残りの3人はリーダーの指示であっという間に一目散に俺達の目の前から立ち去って行ったのだった。

デレック「どうするオズマ~?俺の索敵スキルで探そうか~?」

デレックが覇気のない声でそう問いかけてくるが、別に俺は一方的に逃げる連中を追い詰めて止めを刺すのにそこまでの楽しみや快感を感じるようなサディストなどではない。

俺「どーでも良いっての、相手して余計に時間取られるのは面倒だ……いったいなんで襲ってきたのはか結局分からず仕舞いだったけどな」

デレック「ホント、なんでなんだろ~ね~?サラマンダーに恨まれるような事はしてないつもりなんだけどね……あれ?」

デレックが何かに気が付いたようにキョトンとした表情でとある一点に視線を向けていた。

俺「どうかしたか?」

デレック「いやね……今索敵スキルでさ、さっきの生き残り3人のサラマンダーたちはもう行ったみたいだけど……もう一人近くにいるみたいなんだよね」

俺は即座に索敵スキルを発動した。SAO時代では割と早い段階で習得していた事も有り、索敵スキルも熟練度がMaxとはいかないまでも900以上の高さにまで達している。
そして俺の索敵スキルでも回廊の脇道の床に一人分のプレイヤーの反応を僅かに示していた。

俺「確かにいやがるな……」

デレック「なんで、姿を隠してるか知らないけど―――さっきの連中の仲間で不意打ち目的で身を潜めてた可能性もあるからさ。俺の魔法攻撃で――――」

デレックが再び闇系の魔法攻撃の呪文を詠唱しようとした直後だった。

「待て!止せ!お、俺は敵じゃない!攻撃を止めろっ!!」

恐らく、隠蔽(ハイド)で姿をくらましていたのだろうそのプレイヤーは大きな声をあげて制止を求めたのだった。
それによってそいつは姿をその場で露わにしたのだったが、その姿は赤い髪と衣装が特徴のサラマンダーではなく、緑色のカラーが特色のシルフ族で、それどころか既に面識のあるプレイヤーだった。

デレック「あれ、シグルドじゃんか~。何時も手下をゾロゾロ連れてる君がボッチでこんなとこでなにしてんのかな~?」


サラマンダーの一団を退けたオズマ達だったが、その近くで身を潜めていたのはシルフ族のシグルドであった!
何故シグルドがここに!?by立木ナレ 
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