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薬屋の忍者

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第三章

「運動がええんです」
「お散歩とか」
「肩は特に」
「特に?」
「ストレッチがいいです」
 これがというのだ。
「身体全体を寝る前とかにしたら」
「いいの?」
「はい、身体があったまってよく寝られますし」
 この効果もあってというのだ。
「ほんまにです」
「ストレッチもいいのね」
「とにかく身体をあっためましたら」
「冷え性にも肩凝りにも」
「かなりちゃいます」
 女性客にこうアドバイスをするのだった、薬を調合して売るだけでなくそうしたアドバイスもだった。
 好評で店も良佳も評判がよかった、それでだ。
 店長もだ、良佳に言うのだった。
「良佳ちゃんがいてくれて」
「それで、ですか」
「凄くね」
 笑顔での言葉だった。
「お店の評判もいいし薬も売れて」
「商売繁盛ですか」
「そうなってるからね」
 だからだというのだ。
「店としてもね」
「嬉しいですか」
「だからね」
 店長は良佳にあらためて話した。
「これからもね」
「この店で働かせてくれますか」
「是非にだよ」
 まさにというのだ。
「宜しく頼むよ」
「わかりました、ほな」
「これからも頼むよ」
「そうさせてもらいます」
 笑顔で話してだ、そのうえでった。
 良佳は店で忍者兼店員として頑張っていた、彼女は仕事に励んでいたが忍術の修行も欠かしておらず。
 毎朝のランニングとサーキットトレーニングは欠かさない、それで足も速く身体のバネも柔軟さも併せ持っていて。
 店長にだ、このことについても言われるのだった。
「やっぱり今朝もだよね」
「はい、朝早く起きて」
 実際にとだ、良佳は笑顔で話した。
「準備体操の後はです」
「走ってだね」
「サーキットトレーニングしてです」 
 そのうえでというのだ。
「シャワー浴びて来ました」
「そうだね」
「いい汗かいてきてますから」
 それ故にというのだ。
「今日も気分爽快です」
「それで身体もだね」
「健康です、若し何かあっても」
 身体の調子が悪くなってもというのだ。
「薬造って」
「それを飲んでだね」
「治しますさかい」
「忍者は健康にいいんだね」
「はい、身体動かして薬造って飲めますさかい」
「そう思うといいね」
「特に薬屋さんになるには」
 まさにというのだ。
「天職やと思います」
「そうだね、じゃあ修行は続けてね」
 薬屋の仕事と共にとだ、店長は良佳にこのことも話した。そうして元気に働く彼女を見て自分元思い仕事に励むのだった。


薬屋の忍者   完


                  2018・10・27 
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