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ヴァンガードG ネクステージジェネレーション degrade

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Turn:04 堕ちた天使

 
前書き
新たな目標に沸き立つミライたち
だがそんな彼女たちに迫る黒い影
撮影の帰り道にミツキに襲い掛かってきた
その圧倒的な力は光さえも飲みこんでいく 

 
ミライたち3人はトコハが差し出したモノを見て目を輝かせていた
「ねえ、お母さんこれって!」
「そう、サーキットの招待状よ………貴方たち宛て」
その言葉を聞いて3人は喜びの声を上げた

Turn:04 堕ちた天使

馴染みの撮影所で仕事をするミツキ
撮影の傍らサーキットの招待状が届いたことを伝えると賞賛の声が上がった
「よかったじゃないか」
「えへへ、でもサーキットの期間中はここに来れなくなっちゃうのが残念です」
「いいよいいよ、バッチリ活躍してくれれば、オジサンたちも応援してるからさ」
「ありがとうございます」

舞い上がった気持ちのまま帰り道を歩くミツキ
「ミーツキちゃん」
「うひゃ!?」
そんな中後ろから声をかけられて驚いたミツキは思わず声を上げた
「どうしたの?なんだか嬉しそうだったけど」
「コユキちゃん………驚かせないでよ」
声をかけたのは彼女のクラスメイトで親友の飛鳥コユキだった
勉強カバンを持っていることに気付いたミツキが塾の帰りかと問いかければ彼女も頷いた

「へえ、すごいね、世界中の強い人とファイト出来るんでしょ」
「うん、ミライさんたちと頑張っていきたいなって」
「そういえば、タイガさんたちにも招待状来てたって」
「本当に!?じゃあお兄ちゃんとも戦える機会があるんだ!これは頑張らないと」
「家でもファイト出来るでしょ?」
「大会で戦うのはまた別なの!あ、コユキちゃんは最近どう?」
「ふふっ、実はデッキを改良して………ん?」
楽しそうに話していた二人だったがただならぬ気配を感じ立ち止まった
見ると道の真ん中に立ってこちらを見るシェンメイの姿が
「シェンメイさん?」
「知り合い?」
「最近2号店に来始めた人で………でも、なんか様子が………」
「………我と戦ってもらおう、宝石騎士の先導者よ」
強烈な殺気を放ちながら鋭い目でこちらを見るシェンメイ
様子がおかしいことに気付きながらもミツキは鞄からデッキを取り出した
「ミツキちゃん………」
「大丈夫、見ていてコユキちゃん」

ファイトのできる広い場所に移動してシェンメイとミツキが対峙する
「「スタンドアップ!」」
「エンド」
「「ヴァンガード!」」
暗雲に包まれた荒野で二人のファイターが降り立って対峙する
「青雲の宝石騎士 ヘロイーズ!」
「黒衣の燭光 アズライール」
ミツキはカードをドローするとファイトテーブル上のアズライールのカードを見つめた
「(エンジェルフェザー相手に長期戦は禁物、得意の速攻で一気に決める!)ライド!呼声の宝石騎士 クリスティーン!」
ファイトに臨むミツキの背中を見ながらコユキは心配そうに手を握った
「ミツキちゃん………大丈夫だよね」

「ライド、黒衣の才腕 ライーラ」
シェンメイがライドしたのは細長い刀身のメスを持った少女の天使
その姿を見たミツキは驚き声を上げた
「ライーラ!?私の知ってるデッキじゃない!?」
シェンメイがカードキャピタル2号店に通うようになってから彼女とミライのファイトを何度も見てきた
だがこのユニットをミツキは初めて見る
「アズライールを移動、ドクトロイド・リフロスをコール、リフロスのブーストしたアズライールでクリスティーンにアタック」
アズライールが持っていた燭台に息を吹きかけると火の手が上がりクリスティーンに襲い掛かった
炎に焼かれ苦しむクリスティーン
同時にミツキも全身が焼かれるような痛みを感じ身を庇うかのように蹲った
【宝石騎士 そーどみー】トリガーなし
「なんなの………今の痛みは」
「ライーラでヴァンガードにアタック」
「くっ、ラシェルでガード!」
ライーラが振り下ろしたメスがラシェルの体を切り裂いた
傷ついてその場に倒れたラシェルの姿を目を見開いて見るクリスティーン
「ドライブチェック」
【黒衣の稲妻 ムンカル】クリティカルトリガー

「危なかった、ラシェルのシールド10000がなかったらこのターンミツキちゃんは一気に3ダメージ貰っちゃうところだった」
始まったばかりで大ダメージを受けずに済んで安堵するコユキ
それでも油断できないことに変わりはない
「ライド!涼風の宝石騎士 アルトガロ!トレーシーをコールして、アルトガロでヴァンガードにアタック!」
「ノーガード」
「「えっ!?」」
このファイトミツキはヘロイーズを斜めに下げている
先ほどドライブチェックでめくったムンカルを使えばガードできるはずだが
「ドライブチェック」
【炎玉の宝石騎士 ラシェル】クリティカルトリガー
「パワーはトレーシー、クリティカルはアルトガロに」
アルトガロが振るった剣がライーラを斬りつける
更に勢いをそのままに追撃をかけライーラの小さな体は勢いよく地面にたたきつけられた
【黒衣の救済 アラトロン】トリガーなし
【ハイトレブル・エンジェル】スタンドトリガー
「アズライールをスタンド、パワー+5000」
「(リアガードを守ってる………いや、敢えてダメージを受けてる)」
エンジェルフェザーに取ってダメージは生命線
あえて受けることで潤沢になるのを待っている
「でも………私だって!」
倒れていたライーラにトレーシーの斧が振り下ろされる
【黒衣の爆撃 マーリク】トリガーなし
「っ!?」
ライーラは自らに振り下ろされていたトレーシーの斧を手で払いゆっくりと立ち上がった
まるで痛みなど感じていないように
「ライド、黒衣の快刀 イゼゼエル、リフロスのブースト、アズライールでアタック」
再びアズライールの炎が放たれアルトガロの身を焼いていく
【友愛の宝石騎士 トレーシー】トリガーなし
「ぐっ」
再び痛みで蹲るミツキ
そんな彼女の様子を気にも止めずイゼゼエルが襲い掛かる
「ガード!」
蹲っていたアルトガロの前に立つラシェル
イゼゼエルはそんなラシェルに刃を振り下ろしよろめいた体を蹴り飛ばした
倒れたラシェルの体がアルトガロに衝突する
力なく倒れながら消滅していくラシェルを見るアルトガロ
「ここまでのターンでは同じことの繰り返し………私のダメージは2………でも、2枚あれば十分よ!」
意を決してカードを引いたミツキは手の中にあるシンベリンのカードを見て笑みを零した
「ライド!導きの宝石騎士 サロメ!更にリアガードにサロメをコール!エスペシャルカウンターブラスト!ヴァンガードの後ろにさばるみーをコール!手札からシンベリンをコール!シンベリンのスキルでヴァンガードのサロメにパワー+10000!」
リアガードのサロメがイゼゼエルに向かっていく
「ノーガード」
サロメの振り下ろした剣がイゼゼエルを直撃する
【黒衣の戦慄 ガウリール】トリガーなし
「さばるみーのブースト!ヴァンガードのサロメでアタック!」
「手札のイゼゼエルをコストに、黒衣の配列 アラキーバで完全ガード」
サロメの攻撃をアラキーバが受け止める
完全ガードされた以上この攻撃は通らない
「まだよ!ツインドライブ」
【宝石騎士 そーどみー】トリガーなし
【純真の宝石騎士 アシュレイ】トリガーなし
「くっ、ターンエンド」
ミツキはダメージゾーンのカードを見た
手札は3枚と少ないうえシールドも心許ない
だがダメージはまだ2枚
このターンを耐えきれば勝機はある
「次のターンなどない」
「なっ………」
「ライド、黒衣の震撼 ガウリール・プリム」
白い翼を広げたシェンメイのキーユニット
だが、細かな部分に違いがある
「黒衣の戦慄じゃない………このユニットは」
「ストライドジェネレーション、愛黒熾天使 ガウリール・エデン、ストライドスキル、手札のムンカルをダメージゾーンに置き、ダメージゾーンのハイトレブル・エンジェルを手札へ、レスキューチェック」
【黒衣の通告 ナキール】トリガーなし
「一体………シェンメイさんに何があったの………」
「アズライールのスキル、カウンターブラスト、自身をソウルに置き、山札の上から1枚をダメージゾーンに」
山札の上から置かれたカードは黒衣の爆撃 マーリク
既にダメージゾーンにあるのと同じカード
「そして先にダメージに置かれていたマーリクをスペリオルコール、更に手札からアラトロンをコール」
これで2列がヴァンガードに攻撃を通せる体制、だがこれだけでファイトが決まるとは思えない
「ドクトロイド・リフロスのスキル、自身とダメージゾーンのカード2枚、ムンカルとハイトレブルを選択、合計3枚を山札に戻しシャッフル、その後2枚を表向きでダメージゾーンに置き1枚ドロー、黒衣の戦慄 ガウリールと恋の守護者 ノキエルをコール」
3列を揃えて攻撃の態勢を整えるシェンメイ
ミツキと見守っていたコユキは思わず身構える
「ガウリール・エデンの起動効果、ダメージゾーンの黒衣の戦慄を回復しレスキューチェック」
【ハイトレブル・エンジェル】スタンドトリガー
「パワーはアラトロンへ、ノキエルのブースト、ガウリールでサロメにアタック」
「そーどみーでガード!トレーシーでインターセプト!」
そーどみーとトレーシーがガウリールの刃に切り裂かれ消滅する
唇をかみしめながらミツキは次の攻撃を待った
「ガウリール・エデンでアタック、アタック時ダメージゾーンのガウリール・プリムをスペリオルコールしパワー+3,000、もといたガウリールは退却」
ユニットが入れ替わり追加攻撃が可能になった
ミツキは手札を見るがそこにあるのはシールドを持たないアシュレイが2枚
ミツキは一度しかガードできなかったために先ほどパワーの小さいうちにガードした
「トリプルドライブ」
【黒衣の震撼 ガウリール・プリム】トリガーなし
【ナース・オブ・ブロークンハート】トリガーなし
【クリティカルヒット・エンジェル】クリティカルトリガー
「クリティカルはヴァンガード、パワーはガウリール・プリムへ」
ガウリール・エデンが手に持った大ばさみを広げサロメに斬りかかる
左右の刃が交互に振り下ろされサロメを斬りつけた
「キャア!」
その瞬間ミツキの体にも刃で斬られたような痛みが走り悲鳴を上げた
【友愛の宝石騎士 トレーシー】トリガーなし
【閃光の宝石騎士 イゾルデ】トリガーなし
「マーリクのブースト、アラトロンでヴァンガードにアタック」
ブーストを受けたアラトロンがその刃でサロメを再度斬りつけた
【宝石騎士 ノーブル・スティンガー】クリティカルトリガー
「ダメージトリガー………でも」
後ろからファイトを見守りながらミツキの手札を見るコユキ
既にシールドはなくダメージは5枚
サロメのパワーはトリガーが乗っても15000
トリガーが乗ってパワーが19000になったガウリール・プリムのアタックは止められない
「マーリクのスキル、ヴァンガードにアタックしたバトルの終了時、レスキューチェック」
【クリティカルヒット・エンジェル】クリティカルトリガー
「そんなっ」
「アラトロンのスキル、レスキューチェックでドロップゾーンに送られたマーリクをスペリオルコール、そのマーリクでアタック」
「攻撃の通らないマーリクで………もう勝負はついたでしょう!どうしてそこまでするの」
その様子を見たコユキが思わず声を上げる
マーリクがサロメに攻撃を仕掛けるがダメージを与えることは出来ない
「っ!」
それでも攻撃された場所に僅かに痛みが走る
「マーリクのスキルで………レスキューチェック」
【クリティカルヒット・エンジェル】クリティカルトリガー
「そんな………」
パワー24000、クリティカル3となったガウリール・プリムがサロメに襲い掛かる
ミツキは恐怖から身動きが取れないでいた
「それだ、その絶望に満ちた表情が見たかったのだ………」
不気味な笑いを浮かべるシェンメイ
サロメに鋭い刃による一撃が見舞われミツキもその衝撃に声を上げることもなく倒れその場にカードが散らばった
【熱風の宝石騎士 シンベリン】

「ミツキちゃん!しっかりして!ミツキちゃん!」
意識を失ったミツキを抱え上げるコユキ
それでもミツキからの返事はなくその体は黒い靄に包まれていた
「無駄だ、その娘の魂は既に堕ちた」
そう告げながら立ち去っていくシェンメイ
コユキの手の中で動かなかったミツキは靄に包まれゆっくりと消滅していった
「ミツキちゃん!ミツキちゃん!うあぁぁぁん!」
シェンメイも姿をくらまし、悲しみに暮れるコユキの嗚咽だけがその場に鳴り響いた 
 

 
後書き
「ファイターの行方不明事件?」
「そうだ、ここ数日で同じような報告が相次いでいる」
「平和な時代がずっと続いてくれればいいと思っていたんだけど」
「心配か?」

turn:05 タツマの叫び

「実力の方は心配していないさ、ただミライたちはこういった状況になれていない」
「よくない結果に転ばなければいいが」 
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