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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE118 親善試合?オズマいきなり受難!

 
前書き
前日は色々忙しくて更新できずに申し訳ありません 

 
インプ領の領主、ディオに会ったオズマ…ディオの話によるとALO(アルヴヘイム・オンライン)SAO(ソードアート・オンライン)のサーバーを丸ごとコピーして作られている噂があるとの事で、オズマのスキルステータスや容姿…更にはマネーストレージが引き継がれているのはそれに起因しているのではないかという推測が為された。

そして、ディオの提案でアイテムストレージも確認したオズマが目の当たりにしたのは……by立木ナレ



俺「なんだ……これ?」

デレック「あらら、文字化けしちゃってるみたいだね~」

アイテム欄を開くと、そこに現れたのは、完全に文字化けした数十行の文字列だった。意味不明の漢字、数字、英単語がごっちゃに混じった状態で到底読めるわけが無く、どれが元のアイテムだったのかまるで見当が付かない。

ディオ「SAO時代のアイテムも残されてるんじゃねぇかと思ったが、まさか文字化けしちまってやがるとはな」

俺はアイテム欄をじっと見ながら、画面をスクロールし続ける。やはりどのアイテムも文字化けしていて、どれがなんなのか全く分からない。

だが、アイテム欄を下へ下へとスクロールし続けていった先に、たった一つだけハッキリと読む事が出来る名称のアイテムがあった。

《ふしぎな飴》

デレック「あ、これだけは文字化けしてないんじゃない?これってSAOではどんなアイテムだったのさ?」

俺「コイツは、SAOでは使っただけでレベルを一つ上げられる効果を持ったアイテムだよ。一つのレベルアップに何日も……一週間とか掛かっちまう高レベルプレイヤーにとっちゃその手間を一瞬で済ませられるって言うからかなりの高値で取引された貴重品だよ」

だが、このアイテムだけ何故文字化けしないで残ったのかがまるで見当が付かない。そもそも……レベルをアップさせるアイテムなんてこのALOでは共有しようがないはずだ――

デレック「レベルをアップさせるアイテム……ああ~、SAOはALOと違ってレベル式のゲームだったんだよね?」

今デレックが言った通りだった。このALOはSAOと違い完全なスキル制なのでレベルと言うのは存在せず、SAO時代にレベルをアップさせる効果のアイテムをこのALOで共有できるとは考え難かった。
ひとまず俺はアイテムらの中で唯一文字化けしていないその名前に触れて、アイテムの詳しい詳細を説明してくれるヘルプをタッチした。

『このアイテムを央都アルンにて使用する事でスキルを一つ修得します。習得スキルはこのアイテムを使用したプレイヤーの種族により異なります』

俺「SAOの頃とは全く違う効果になってやがるな」

だが、ALOにレベル制が存在しない以上はSAOと全く同じ効果ではないのは当たり前だろう。しかしこうなるとますます意味が分からない、何故このふしぎの飴だけ文字化けする事なく、効果そのものがまるっきり変わった状態で残っていたのか。

俺「このふしぎな飴なんだけど、ALOでも普通に手に入るアイテムなのか?」

デレック「どうだっけっ?少なくとも俺は知らないし見た事もないねそんなアイテムは」

ディオ「俺も知らね――と言うか、もしかしたらデータ上はALOに存在はしてるけど、実際には実装には踏み切ってねぇアイテムとかなんじゃねーか?」

デレックはよく考える様子も無く、スパッと知らない、見た事ないと言い放つが、ディオの意見は考えられなくもない話だった。
データ上はゲーム内に存在するアイテムではあるが、現状正規のゲームプレイで入手する手段は存在せず、何かしらのバグやチート行為によってその存在が明るみになるアイテム――この場合は元SAOプレイヤーがSAO時代のデータが入ったメモリーをそのまま使ったアミュスフィアでALOにログインした事でそのアイテムが出現すると言うバグに当たるだろう。

しばらく、俺たち三人は揃ってそのアイテムをボーっと眺めていたが、やがてディオがこの状況を動かすように声を発生した。

ディオ「取りあえず、文字化けしてるアイテムは念のために全部捨てちまった方が良いんじゃねーか?このままだとエラー検証プログラムに引っ掛かって色々と面倒になりかねねぇからな」

俺「やっぱりそうするしかねーか……どっちにしろふしぎな飴以外はオブジェクト化も出来なくなっちまってるしな」

アイテムストレージの中に入っているアイテムの中には、他にも幾つか希少なアイテムも少なくはないはずだが、使えないとあっては持っていても仕方がないしそれ以前にスキルや金が引き継がれているだけでも破格の待遇と言えるだろう。

ディオ「スキルや金がSAOから引き継がれちまってる事に関しては―――ま、これはどっちかって言うと運営側の不手際だからな、システム的には問題ね―だろうし、バレたからって何かしらの処罰対象になるとは思えねーから安心しな」

俺「アドバイスどうもありがとな」

最初に出会って早々にブリッジオナニーに勤しんでいた姿を見た時は、不安と不信感しか感じられなかったが、領主を勤めているだけあってゲームシステムの事に関して詳しいばかりか、本当にゲームの仕組みと言うか、プログラムに関しても精通しているので、相談相手としては正解なのは確かだったようだ。
ともかく俺はふしぎな飴だけにチェックマーカーを付けて、それ以外のアイテムを全てデリートした。そうなると残ったのはふしぎな飴と正規の初期装備だけとなった。

デレック「そんで、オズマはゲームを始めたばっかりだけどこれからどうしたいのさ?」

俺「そうだな、やっぱりこのふしぎな飴の効果を試してみてーよぉ」

ディオの言葉によると、システム上は存在するアイテムだが、現状ではゲーム内では正規の入手方法が存在しないと言うふしぎな飴を使い修得できるスキルが何なのかに俺は興味を持っていた。
そしてそれには、央都のアルンとやらに行かなくちゃならないらしい。

ディオ「そんじゃ、せっかく金もSAO時代から引き継がれてるんだからよ――そのしょぼクセー初期装備をどうにかしたらどーだ?そんだけの金がありゃレアな武器や防具品も充分買い揃えられるだろうぜ」

俺「ああ、他に金の使い道も今のところは特にねぇから―――まずは装備だな」

デレック「それじゃ、オークショナーで出品されてる装備を見てみようよ、ここからアクセスできるはずだからさ」

今度はデレックとディオと共に俺はオークショナーを請け負っているNPCの元に案内された。ここではALO中のプレイヤー達が数多のアイテムや武器を売りたい値段で出品しており、その値段でも買いたいと思ったプレイヤーはオークショナーを担当しているNPCを通して何時でも購入する事が出来るようだ。

デレック「オズマはSAO時代はどんな武器でどんな戦闘スタイルだったの?」

俺「メイン武器は片手直剣でサブにソードブレイカー、防具は革製品、基本的に攻撃と手数重視でゴリ押しスタイルだったな」

ほんの一ヶ月と数週間ほど前まで過ごした世界での戦い方は今もこの仮想世界ではしっかりと身に染みていいるつもりだ。

ディオ「片手直剣ならこのALOでもメジャーな武器だから色々と出品されてるだろうよ」

それから俺はデレックとディオの助言も受けながらオークショナーで出品されている武器から俺好みの、俺のスタイルに合った装備を整える事になった。
それだけでマネーストレージの金は半分ほどが消耗されたが、VRMMORPGでは金以上に戦力が必要なのは当然なのでここで出し惜しみなどはしない。


※ ※ ※


俺「取りあえず、今はこんなところか?」

デレック「充分なんじゃないの~?古参のプレイヤーでもこれだけの装備はそう簡単には揃えられないと思うしさ」

ひとまずは、デレックやディオの協力もあって装備も充分そろえる事に成功した。最初にあった時はどちらもおかしな連中で色々と不安もあったがなんだかんだで頼りがいのある奴らで何よりだった―――と、俺はこの時まで思っていたのだった。

ディオ「おし、そんじゃSAOを戦い抜いたその腕前とやらを早速試させてもらうとするか」

デレック「あ、それなら今日のシルフの連中との親善試合でオズマに出てもらうってのはどう?そうしたら面白い事になりそーだし」

ディオとデレックは妙に楽しそうに、俺抜きで俺を何かしら面倒な事に巻き込みかねない話を始めていた。
シルフとの親善試合?―――それに俺を出すだと?

俺「なんだよ……その親善試合ってのは?」

俺が胡散臭い連中を訝しむような目付きと声でそう聞くと、ディオはまさに胡散臭い詐欺師かと思いたくなるようなニタニタとした表情で答える。

ディオ「な~に、親善試合は親善試合だよ。シルフの連中とお互いの実力者のプレイヤー同士を戦わせてだな~」

デレック「ようするに、見栄の張り合いって感じ?」

ディオ「オメ――ぶっちゃけて言いやがるんじゃねーよ!そりゃ確かに自分の選んだ代表が負けた時のシグルドの野郎が見せるしかめっ面は傑作だけどよぉ~」

成程、要するにこいつらは相手のシルフの連中を悔しがらせるために俺に親善試合に出ろと言いたいらしい。

俺「色々と世話になった手前、俺も少しばかしは断りづらいとは思ってるんだがな―――流石に酷じゃねーか?幾ら俺がSAO生還者とは言えログインして一時間も経ってねー初心者にそんな大事な戦いを任せちまうなんて?」

ディオ「んなこと言わねーで頼むよ!最近シルフの連中が毎度の様に代表として出してくる奴には連戦連敗でよぉ……向こうが勝つたびにシグルドの野郎が得意気な面になるのが気に食わねーんだよ!」

俺「思いっきり私情じゃねーか……そんじゃ、その親善試合を引き受けるのに一つ条件を加えさせてもらって良いか?」

俺がそう提案を示唆すると、ディオは指をパチンと鳴らし『そうこなくちゃな』と前置きして――

ディオ「言ってみろよ、領主権限で出来る事ならお安い御用だぜ」

デレック「やだねぇ~、簡単に権力を乱用しまくるリーダーってのはさ~」

得意気な表情で飄々と語るディオに対してデレックが両手を広げて、呆れ面でそう漏らしていた。ともかく俺の要求は一つだった。

俺「俺が親善試合に勝ったら、央都アルンまで道案内できる奴を一人貸してくれ。早いところこの『ふしぎな飴』の効果を確かめるには途中で道に迷わずにアルンに行きたいからな」

ディオ「んな事ならお安い御用だっての!俺に任せとけ!そんじゃ、もうあと30分そこそこでシルフの連中がこっちに飛んできやがる頃だろうからよ、ゆっくりと待ってようじゃねーか」

俺「あと30分だと――――」

このALOには全てのプレイヤーに空を飛ぶ能力が備わっている、すなわち空中戦闘があるはずで、それはこれから行わる親善試合でも同様と思われる。にもかかわらず後30分だと?

俺「今すぐに空の飛び方をレクチャーしろ!親善試合の時間までに出来る限り俺に飛び方を教えるんだ!!」

デレック「うわぁっ!ど、どうしたの急にそんな部下を理不尽に怒鳴りつける上司みたいにデカい声出しちゃって!?」

そりゃそんなデカい声も出したくなる!親善試合まであと30分……それまでに俺はまともな飛行方法を覚えなくちゃならなくなったんだからな…… 
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