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オズのエリカ

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第六幕その五

「本当にね」
「それが違うなんてね」
「ええ、本当にね」
「意外よ」
「ええ、ただね」
「それはそれでね」
「あるわよね」
 こうしたこともというのです。
「お料理も時代や国で違うから」
「そうよね」
「そう、じゃあね」
「私は私の粋で食べるわ」
「そうするのね」
「そのままね」
「じゃあ僕もね」
 ジョージもこう言いました、
「そうしてね」
「食べるのね」
「そうするよ」
「じゃあ僕もだよ」
「僕もそうするよ」
 腹ペコタイガーと臆病ライオンも言いました。
「そしてね」
「美味しく食べるよ」
「じゃあ僕もね」
「僕もそうするよ」
「私もね」
「それじゃあ私も」
 ジョージ以外の四人の子供達も言いました、そしてです。
 皆で楽しくお寿司を食べました、そのうえでこの日も身体を奇麗にしてからゆっくりと休みました。
 それで次の日も冒険をするのですが。
 その時にです、一行の周りに一匹のミツバチが飛び過ぎました。それでこの時は誰も思わなかったのですが。
 ミツバチの方からです、こう言ってきました。
「あれっ、アン王女かな」
「ええ、そうよ」
 アンがその通りだと答えました。
「私がアン=アンヤコレヤよ」
「そうですよね、どうしてここに」
「それはね」
 アンはミツバチに自分達の旅のことをお話しました。ミツバチはここまで聞いてそうして言いました。
「だからウィンキーの国からですね」
「カドリングに来ているのよ」
「そうですか、王女のお国は蜂の間で評判なんですよ」
「それはどうしてなの?」
「いえ、果物は花が咲きますよね」
 実になるその前にです。
「そのお花からいい蜜が採れるって」
「それでなの」
「はい、有名です」
 そうだというのです。
「私達の国でも」
「そうだったのね」
「はい、そしてです」
 さらに言うミツバチでした。
「それでなんですが」
「それで?」
「実は私の巣は近くにありますが」
「あっ、蜂蜜がなのね」
「どうもね」
 これがというのです。
「思う様のものが出来ないのです」
「いい蜂蜜がなの」
「それで今巣全体で悩んでいます」
 そうした状況だというのです。
「どうしたものかと」
「そうなのね」
「それでなんです」
「私と会ったから」
「はい、よかったらですが」
 アンの前に来て言うのでした。 
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